Webマーケティングで重視され始めている動画広告。この機会に、動画でのプロモーションにチャレンジしようと考えている企業も少なくありません。しかし、プロに依頼するのでは費用がかかりますし、社内にノウハウが蓄積されません。そこで、「自社内で動画を制作できれば…」と悩んでいる方に向けて、動画制作の手順やポイントを分かりやすく解説していきます。

初心者向け!作る前に押さえておきたい動画制作のポイントとは?

動画制作には専門的な知識やスキルが必要なので、初心者は「何をどうすればいいのか分からない」という状態からスタートしなければなりません。

しかし、ここで説明しているコツやポイントを押さえておくだけで、動画制作で重要な事柄をスッキリ理解できます。さっそく見ていきましょう。

イメージに近い参考動画を用意する

なにもないところから動画を制作できる方は多くありません。特に初心者のうちは、「こんな風に作りたい!」というサンプルの動画を参考にしながら作っていくことが大切です。

サンプル動画を選ぶ際のコツとしては、「動画でアピールしたい事柄」をいくつか言葉にしておくことです。扱う商品の特徴と動画の特徴がぴったり一致していると、マーケティングで最も重要な「共感」が生まれやすくなります。まずは商品の特徴やアピールポイントを書き出して、動画にするとしたらどのようなイメージが良いのか想像してみましょう。

そのイメージに近い動画を探して、何度も見直しながら「なぜそのイメージにつながるのか」を分析していきます。

動画の要素は「音楽」「装飾」「素材」の3つ

制作された動画の要素を乱暴に3つに分けると、BGMとしての「音楽」と、文字やエフェクトなどの「装飾」、そして元の動画である「素材」の組み合わせです。これは映画やドラマ、アニメなどのあらゆる動画でも変わりません。

あくまで3つの要素の組み合わせでしかありませんが、それゆえに、このうちのどれかが変わるだけで動画全体のイメージも大きく変わってしまう、というのがポイントです。つまり、闇雲に組み合わせても良いものはできないので、先ほど紹介したように「こうしたい」というイメージに沿って「音楽」「装飾」「素材」を揃えていくことが重要となります。

そこで、サンプル動画として用意したものを「音楽」「装飾」「素材」の3つに分類して分析してみましょう。簡易的ですが、以下のチェックリストを使ってみると良いでしょう。

音楽

  • どのようなジャンルの音楽なのか

装飾

  • エフェクトは多めか少なめか
  • 文字は多めか少なめか
  • 使われている色は暖色系か寒色系か

素材

  • 元動画や元画像レベルの素材は自社で用意できそうか
  • 写っている内容は「人」「モノ」「風景」「それ以外」で言えばどのような比率になっているか

このように、各要素にスポットライトを当てて分析していくことで、よりイメージに近い動画が作れるようになります。

まずは短いものから作ってみよう

動画制作と聞くと、どうしても身構えてしまう方も少なくありません。まずは30秒程度のショートムービーを制作してみて、ざっくりとしたイメージと感覚を掴むことから始めましょう。

フリー素材などを組み合わせるだけでもれっきとした動画制作の一つなので、操作を覚えるという意味でも、まずは短い動画を作ることをおすすめします。

ここまでの下準備を整えたら、いよいよ動画制作の流れを見ていきましょう。

動画制作の流れを解説

動画制作の流れは、以下のような5つのステップに分かれています。

1.動画編集ツールを用意する
2.素材となる動画や画像、音楽などをアップロードする
3.イメージに沿って素材のトリミングを行う
4.装飾(BGMや文字、エフェクトなど)を入れる
5.ひとつの動画として出力する

それぞれ細かく見ていきましょう。

1.動画編集ツールを用意する

まずは動画編集ツールを用意し、動画制作の準備を整えます。

おすすめのツールについては記事の後半で紹介しているので、ぜひそちらを参考に気に入ったものをインストールしてみましょう。

2.素材となる動画や画像、音楽などをアップロードする

素材となる動画や画像、音楽をパソコンからツールの中へアップロードしていきます。ツールの中に素材を取り込むことで、自由に切り貼りしたり、装飾を行ったりできるようになりました。

3.イメージに沿って素材のトリミングを行う

素材となる画像や動画を切り貼りしながら、最後にひとつの動画としてまとまるように構成を組み立てていきます。この時点ではまだ音楽も装飾も入っていなくて良いので、多少味気なくても問題はありません。

骨組みを作っているイメージで、流れに違和感がないか、盛り込みたい素材は全て入っているかを確認しながら、バランスを見て調整を進めます。

4.装飾(BGMや文字、エフェクトなど)を入れる

骨組みとなる動画が用意できたら、音楽や文字、字幕、エフェクトなどを差し込んでいきます。センスが問われるステップですが、始めのうちはサンプル動画と見比べながら進めていくことが大切です。

何より大切なのはこのステップで「楽しい」と感じられるかどうか。完成したときのイメージを持ちながら、それに近づけていくような気持ちで進めましょう。

5.ひとつの動画として出力する

装飾を終えたら、いよいよ完成です。ツールの中に眠っている動画のたまごを出力し、ひとつの動画としてパソコンへ移動させましょう。

動画制作は、このようなステップで進められます。まずは短い動画をいくつか作ってみることから始めましょう。だんだん操作やコツが分かってくるので、頃合いを見て長めのプロモーション用動画やYoutube用の動画などの制作に着手すると挫折せずに進められます。

初心者にオススメの無料動画制作ツール

ここからは、初心者におすすめの、無料で使える動画制作ツールを3つご紹介します。気に入ったものがあれば、早速インストールして使ってみましょう。

AviUtl

有料のソフトと遜色ないパフォーマンスで多くのユーザーから支持を集めているのがAviUtlです。サクサクと軽い動作が特徴で、動画制作のストレスを軽減してくれます。パソコンの要求スペックも高くないので、AviUtlさえインストールしてしまえば、誰でも動画制作を始められます。

デメリットというデメリットはありませんが、強いて言えば操作を覚えるまではストレスがかかる、という点でしょう。ひとつずつ調べながら進めなければならないので、はじめの1本を作るまでには時間がかかります。

しかし、根気よく取り組んで操作を覚えていくと、無料のツールで作ったとは思えないようなクオリティの動画が作れるようになるので、ぜひ検討してみましょう。

参考:AviUtl

Avidemux

WindowsとMacのどちらにも対応している「Avidemux」は、様々なフォーマット(形式)で動画を出力できるのが魅力の動画制作ツールです。エフェクトに加えてノイズ除去などの機能も備わっているため、高品質な動画を制作できます。

充実した機能と利用者の多さから、初心者にもおすすめできる無料動画制作ツールです。興味のある方はぜひ以下のリンクから確認してみましょう。

参考:Avidemux

iMovie

iPhoneやMacBookの愛用者にはおなじみのiMovieは、無料で使える優秀な動画制作ツールです。Apple社の純正アプリで、デフォルトでインストールされているため見たことがある方も多いのではないでしょうか。

豊富に用意されたテンプレートを使えば、指定された箇所に素材となる画像を挿入するだけで動画が制作できてしまうので、「まずはひとつ作ってみたい」という初心者にはおすすめです。テンプレートの完成度も非常に高いため、そのままでも充分にクオリティの高い動画が出来上がってしまいます。

反面、文字入力の自由度などは低いので、iMovieで動画を作っているうちに窮屈さを感じたら、他のツールへ切り替えるタイミングとも言えます。動画制作の楽しさを理解したい、という方にはぜひ始めに触ってみて欲しいツールです。

参考:iMovie

これであなたも動画制作者の仲間入り!

初心者の方に向けて動画制作の大まかな流れやポイント、おすすめのツールをご紹介しました。近年、動画制作のジャンルは隆盛を見せており、これからも注目されていくことが予想されます。ぜひこの記事を参考に、今から動画制作を始めてみましょう。

動画制作の一番のコツは楽しむこと。遊び心を忘れずに、自由な発想を持って作ってみましょう。