高校3年生だけでなく、親御さん世代からも共感が得られた

ferret:
反響はいかがでしたか?

アットホーム城殿氏:
SNS上に、深い共感を得られたコメントを多数いただきました。

我々が伝えようとしていた「家族と離れるまで、のこり365日」で、「家族のことを振り返って大切に時間を過ごしてください」「家族と過ごす残された時間を大切に過ごしてください」というメッセージに対して、深い共感を得られたコメントが多数ありました。

「泣けた」とか、「すごくよくわかる」とか、「(家族と過ごした時間のことを)振り返ると、そうだったよね」といったコメントが非常に多くて。人の深い感情にまで届いたコメントが多く見られた、というのがSNSの反響でした。

高校3年生に向けたメッセージではあったんですが、親御さん世代からの反応もとても多かったです。

例えば、お母さんが新聞広告を見られて、それをトイレのドアに貼り付けていたそうなんです。そこへ娘さんが入られて、扉を閉めて座ったら、ちょうど見える位置にあったそうで。それ読んで泣いてしまい、トイレから出られないじゃない。といったことをSNSでつぶやかれていたんです。お母さんもウィットに富んだ方だと思いますけど、お子さんはお子さんで共感いただけたのだと思います。

広告の届き方、メッセージのあり方としては、お母さんにもお子さんも届いたという良い現象が起きました。

SNS上にあがってくる定性的な言葉としては、共感いただけたものが多く、こちら側のメッセージがきちんと伝わったなと感じています。

数多くの「日常」を切り出し、共感を集める

ferret:
反響を見ると、深く好感を持った方が多かったんですね。この企画自体は、城殿さんがお一人で考えられたんですか?

アットホーム城殿氏:
元々は先程お話しした通り、「サービス訴求だけでは限界がある、コミュニケーションとしてどのように打ち出していくか」ということを普段広告制作をしていただいている、広告代理店の方と議論を続けていたんです。

サービスではなく、「共感」の部分だったり、「社会的に価値があること」を伝えていかなければいけない。ということに一緒に取り組み、かれこれ半年ぐらいディスカッションを展開していましたね。

そういったディスカッションを重ね、社会的意義のあるメッセージを打ち出したいということを一緒に考えていって、辿り着いたのがこのメッセージです。

ferret:
エリアで、媒体によってデザインなどを変えたというのは、何か意図があったんですか?

アットホーム城殿氏:
たくさんの「日常」を出したかったんです。
たくさんの日常を切り取った写真を出すことに意味があると思っていて、新聞のエリアの切り替えで写真を出し分けたんです。
メッセージの主旨は「残された365日の普段の暮らしをもっと大切にしましょう」というものですが、日常は人それぞれ、さまざまな種類があるし、1億人いたら1億通りあるわけじゃないですか。

その「日常のシーン」をなるべく数多く切り出したかった。それが、見え方としてはエリアで写真を切り分けた、という結果になっています。

結果としてエリアで切り分けただけで、WEBページなどにはすごくたくさんの写真が載っています。

いろいろな日常を切り出して、「日常にはこんな場面があるよね」ということを伝えたく、多くの人に共感してもらいたい。という意図で、良い日常の写真をたくさん出しました。