数多くの業務を兼任している「ひとりマーケター」にとって、マーケティングツールは業務効率化の強い味方です。

『ひとりマーケター 成果を出す仕事術』の著者でもある、ナイル株式会社の大澤 心咲氏に、ツールを導入する際に失敗しないコツを伺いました。

この記事の前編では、明日からできる業務効率化のコツをお話しいただいています。併せてご覧ください。

明日から業務効率化!GASやChatGPT、ブラウザ拡張機能の活用法【ひとりマーケターお悩み解決・前編】

明日から業務効率化!GASやChatGPT、ブラウザ拡張機能の活用法【ひとりマーケターお悩み解決・前編】

GASやスプレッドシート、ChatGPT、ブラウザの拡張機能を使うと、コストをかけずに様々なマーケティング業務を効率化できます。ひとりマーケターに役立つ業務効率化テクニックについてナイル株式会社大澤心咲氏に伺いました。

プロフィール

大澤 心咲 氏
ナイル株式会社 デジタルマーケティング事業部 マーケティングユニットマネージャー   新卒でアクセンチュア株式会社に入社後、2018年にナイル株式会社に入社。ウェブマーケティングのコンサルタントを経て、同社でBtoBサービスのマーケティング組織を立ち上げ。ナイルのSEO相談室を運営。著書にBtoBマーケティングの立ち上げ過程を解説した『ひとりマーケター 成果を出す仕事術』がある。

目次

1.ツール選定に失敗しないためのコツ
2.ツールは機能を使い込むことが重要

ツール選定に失敗しないためのコツ

ferret:
ツール導入をする場合、大澤さんはどのようなことに気を付けていますか。

複数社から話を聞いて比較基準を作る

大澤:
ツールを新たに導入する場合は、最低3社から話を聞いて検討するようにしています。

1社、2社とツール提供会社から話を聞いていくと、ツールの勘所や各ツールの違いを知り、自分の中に比較検討の基準を持つことが可能です。

最初の2社で基準を作った上で3社目の話を聞くと、ツールが自社のニーズに合っているかをチェックできます。また、必要に応じて最初の2社にも再度話を聞くことで、同じ基準をもとに3社を比較検討できます。

例えば、弊社でMAツールを乗り換える際には、

MAとSFAと連携したい

というニーズが最初にありました。しかし、複数のツール提供会社に話を聞く中で、

連携の方法には「バッチ連携」や「リアルタイム連携」などの種類がある

ことや、

直接連携できなくてもCSVアップロードで情報を流し込むことを「連携」と表現しているツールもある

ことに気づいたのです。

そこで、自社に合う連携の仕方を検討した上で基準を作り、3社に話を聞くという流れで意思決定を行いました。現在も、弊社で新たなツールを導入する際は最低3社以上、理想的には5社の話を聞くようにしています。

自社に必要なオプションを吟味する

ferret:
ツールを選ぶ際、機能面以外に営業担当者の対応などは考慮していますか。

大澤:
営業担当者のスタンスも見ていますが、長く付き合っていくのはツールそのもののため、連絡などの対応が少し遅いといった点は気にしません。

ただし、自社に必要かどうかという観点でオプションを勧めてくれるかどうかは重要です。現場のマーケティング担当者は、ツールを使いこなせていない段階だとオプションが必要かの判断が難しい場合があります。

半年や年間でオプション契約をしたものの、使い始めてから不要だったことに気づくと後悔するため、自社に今本当に必要なオプションを提案してくれるか確認することがおすすめです。

最低10営業日はデモを使ってみる

大澤:
ツールの機能や使いやすさは、デモを使わせてもらうことで判断できます。ツールの検討時は、提供会社に交渉をして絶対にデモを使わせてもらうようにしていました。

デモが3日間だけといったケースもありますが、通常の業務があって忙しい中で、関係者全員が使用感を試すことは難しいです。

最低でも10営業日はデモを使えるように交渉した上で、社内のメンバーには「1週間以内で試してくださいね」と周知して必ず使ってもらうようにしていました。

このように伝えておくと、1週間の内に試せていないメンバーがいた場合でも、すでに依頼したデモを触る期限はすぎているので「後出しジャンケンでの意見は聞くことができませんよ、今日必ず触ってくださいね」と翌営業日に伝えることが可能になります。 

複数のメンバーで使うツールの選び方

ferret:
複数のメンバーで使うツールの場合、使いやすさについて意見が割れることもありますが、どのような基準で選定しているのでしょうか。

大澤:
まず、ツールを利用する各部署の管理職と、2度のタイミングで意見を聞くようにしています。

1回目は、ツール提供会社の営業を受けた直後です。すぐに話を聞くと、話の内容に対する温度感や懸念を細かく聞き出せます。2回目のタイミングは、複数のツール会社の話を聞き終えたあとの会議です。改めて関係者の意見を聞き、最終的な意思決定を行います。

意見が揃わないときは、社内の各部署でお互いの困りごとを把握していないことが多いです。そのため、ツールによって解決したいことに対する認識をすり合わせる必要があります。

ベン図のようなイメージで、自分の部署で解決したい困りごとと、一緒にツールを使う部署で解決したい困りごとの重なっている部分ができるだけ大きいツールを探していくと、意見がまとまりやすくなります。

ベン図

ツールは機能を使い込むことが重要

大澤:
どのようなツールであっても、ツールの機能をどれだけ使い込むかが重要です。

例えば、MAを導入していても、メール配信にしか利用していないというケースがよくあります。しかし、MAによっては自社のWebサイトで資料がダウンロードされた時や、過去失注になった人のアクセス時などに通知を出すなど、細かなニーズに応える機能も備わっています。

ツールに含まれるごく一部の機能しか使えていない状態で別のツールを探し求めても、使い方を学ぶ手間などがかかってしまい、効率化につながりません。それよりも、ツールの提供会社が出している使い方の動画や記事を読み込んで、できることの全体像をまず押さえたほうが、今の自分に役立つ機能が見つかります。

ツールの機能を使いこなすために、ツールの提供会社が積極的に情報発信しているかどうかを確認することも、重要なポイントだと思います。

ferret:
ツール導入の際は、比較しながら自社にとって必要な機能を見極め、導入後は全ての機能を使い倒すような姿勢が重要ですね。

無料ツールの活用術とともに、有料ツールの選び方のコツをお話しいただき、ありがとうございました。ひとりマーケターの方にとって、明日からの取り組みのヒントになれば幸いです。


▼前編では明日からできる業務効率化のコツをお話しいただいています

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