2014年のFacebookの買収戦略は、とても示唆に富んでいます。

190億ドルでのメッセージアプリ買収や、初のハードウェア企業の買収など、戦略的に意味のある年と位置づけているかのようです。

Googleやアップルもウェアラブルなどリアルを目指していることも無縁ではないと見られます。2014年のFacebookの買収案件をまとめてみました。

2014年最初の買収は分析ツール

Facebookの2014年最初の買収は、Androidなどスマートフォンのパフォーマンス分析のツールです。リトルアイラボはインドの企業で、買収額は1500万ドルとのこと。その後Facebook本社に移動するほどまでの買収だそうです。モバイルに注力していることがうかがえます。

さらに同1月には、アメリカのWebコミュニケーションツールのBranch社も1500万ドルで買収しています。

Facebookの過去最高額!190億の買収

スマホ向けのメッセージサービスである「WhatsApp」の買収が2014年2月には明らかになりました。なんと買収額が190億というとても大きな額が話題になりました。

これはFacebookがティーンエイジャーに人気のメッセージアプリを取り込むことで、その層を取り込みたいという狙いが見えます。実際、Facebookは10代の利用時間が減っていることを認めていたそうです。

フェイスブックが190億ドルで「WhatsApp」を買収する理由 ≪ WIRED.jp

初のハードウェア買収案件

Facebookは、2014年3月にバーチャルリアリティ技術のオキュラス社を20億ドルで買収しました。ハードウェア企業の買収はFacebookにとって初めてのことです。仮想現実ヘッドマウントディスプレイとして圧倒的な没頭感で世界中に開発者をとりこんでいるOculus VRの買収は、とても注目されました。
 

Facebook広告を刷新、スポンサー記事を廃止

2014年4月には広告システムが大幅に刷新されました。いままで広告に「いいね!」などがつくスポンサー記事などが廃止され、通常広告に統合され、よりシンプルに、より入札しやすくなりました。モバイル強化などにさらなるマネタイズの強化や広告システムの開発に注力されると見られます。
 

ヘルスケア市場参入ののろしか

2014年4月にフィンランドのフィットネスデータ計測アプリの買収を発表しました。アップルもヘスルケア市場に参入するなど、健康分野での競争が激化しそうです。なお、買収額は発表されていません。

アップルに対抗というわけではないかもしれませんが、Facebookは2014年8月に大手サウンドスタジオからチームを雇用しています。アップルもオーディオメーカーを買収するなど、競合しているかのように見えます。

セキュアサーバーのプロバイダを買収

2014年8月、これは今後Facebookがさらなる展開をしていくうえで、コアとなる技術の買収とみられます。買収条件は明らかにされていませんが、今後さらに増えるであろうトラフィックに対応することも可能にしそうです。
 

日本先行リリース、コメント欄にスタンプ

モバイル強化の一環と見られますが、2014年9月に日本先行でコメント欄へのスタンプ利用がはじまりました。これまでもメッセージ欄では可能でしたが、コメント欄で使えることで、利用がより広がっていくものと見られます。すでにマーケットは展開していますが、LINEのようにクリエイターが手軽に申請できるという仕組みではないようです。今後に注目です。
 

Facebookを含めた4強の買収戦略

こちらのホームページで丁寧にまとめられています。Google、アップル、Facebook、Amazonが毎年どういう買収をしているのか、そこから何がうかがえるのかを考察しています。

実はそれぞれ目指すところが異なり差別化をしていることもわかります。いっぽうで買収案件をどう育てていくのかという難しさも、その数からはうかがえます。

しかし、こういった資金や人の動きが業界をリードしていくことは間違いありません。自社の舵取りをするときにも参考にしたいものです。

 

いかがでしたでしょうか。
さらに、Facebookはヘルスケア市場決済事業への参入も噂されています。

企業買収は戦略的に行われるものですが、その後の成長はいかにその企業とのシナジーを育成し、サービスを育てマネタイズしていくのかにかかっています。

みなさんも資金の流れと人の流れに注目しますと、ホームページ運営のヒントが見つかるかもしれません。