昨今あらゆる領域のビジネスにおいて、データを根拠にした戦略立案・意思決定に関心が集まっています。国が2021年9月1日に発足させる「デジタル庁」においても「データ資源の活用」を施策の柱に据えるとされており、官民を問わずデータ活用が重要課題になっています。

企業で働くビジネスパーソンの間でも、自社内のデータ活用に課題を感じており、改善に向けて関心を持っている方も多いのではないでしょうか。

そこで役立つのが、社内のデータを一元管理できる「BI(=Business Intelligence)ツール」です。この記事ではBIツールの中でも「Board」という製品にフォーカスしてご紹介します。BIツール導入を検討中で「Board」の特徴を知りたい方に向けて、メリットや導入事例を交えながら解説していきます。

目次

1.Boardとは?
2.Boardの4大機能
3.国内導入事例
4.まずは評価版の導入ができる
5.「これまで」そして「これから」のアクションも明示してくれるツール

▼業界別のBIツール活用例も紹介

【BIツール】データの可視化で意思決定が迅速に!業界別の活用例とおすすめツール

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BIツールを導入するメリット、活用シーン、おすすめBIツール、BIツールの選び方について解説しています。

Boardとは?

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出典:Board

「Board」とは、BIツールの一種です。海外製ツールであり、本拠地はスイスにありますが、日本国内にも拠点を構えています。「Board」の大きな特徴は、BIとCPMがひとつになったプラットフォームだという点です。

CPMとは「企業業績管理(Corporate Performance Management)」のことで、企業の財務予測や収益モデルを構築するものです。BIが局所的なデータ分析やシミュレーションを行うのに対し、CPMはさらに一歩踏み込んだ財務・収益予測まで行ってくれるというわけです。

このような特徴から、「Board」は現場担当者によるデータ分析をアシストしてくれるだけでなく、経営層の意思決定も後押ししてくれるツールだと言えます。

Boardの4大機能

それではここからは、「Board」の具体的な機能について詳しく見ていきましょう。

1.レポート

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出典:Board

まず、レポート作成がスピーディかつ容易になります。シンプルなスプレッドシートから、ページ数の多いプレゼンテーション作成まで、ノーコードでオブジェクトを画面上に配置・設定するだけで作成可能です。

グラフやマップ、アニメーションの挿入も可能。これによりデータの視覚化を直感的に行うことができるでしょう。インパクトのあるレポートを作成したいが、作業を効率化したい、作成スピードを上げたい方におすすめです。

2.分析

社内に散在するさまざまなソースのデータを素早く統合し、マーケターやレポート作成担当者が自分の手元で分析プロセスを実行できます

さまざまなチャネルで収集したデータを統合することで、将来起こり得る事象についてシミュレーションを行ない、目標達成のために必要なアクション決定をアシストしてくれます。

また、データを根拠に「自社の勝ちパターン」を見つけ、販売モデル等の構築も可能。ただデータ統合して一元管理するだけではなく、「データをビジネス上の意思決定に活用したい」「自社をデータ駆動型企業に変革させたい」と考えている人におすすめです。

3.ダッシュボード

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出典:Board

自社の業績を視覚的に把握することができ、業績に影響を与えそうな要因や、その動きも可視化できます。

コックピット、マップ、表、アニメーションなど幅広い表示形式から選択できるため、自社に最適化したダッシュボードを容易に作成でき、カスタムメイドのダッシュボードを構築可能。

自社のデータを「見える化」することで、今まで気づかなかった課題が浮き彫りになる場合もあります。業績改善や目標達成に向けて、まずは課題を可視化し、客観的に現状把握をしたい方におすすめです。

4.スコアカード

将来に向けた戦略マップやスコアカードを作成でき、今後の取り組みについて視覚的に分りやすく取るべきアクションを示してくれます

冒頭で述べたように「Board」とはBIとCPMを統合したツールです。社内に蓄積されたデータと、KPIを相互にリンクさせてこのツール内で管理・確認することが可能になります。

現在のKPI達成状況や、今後取るべきアクションについて社内の誰もがタイムリーかつビジュアル的に把握できます。

国内導入事例

ここからは、「Board」の導入により社内の課題を解決できた事例を2つご紹介します。

製造業A社

【Boardの使途】
・業績管理
・部門損益、商品別損益の予実管理
・シナリオ管理
・着地点予測

【課題】
・集計、レポート作成を効率化したい

【課題に対する取り組み】
・Boardの導入

【結果】
・損益計算の工数圧縮
・レポート作成の迅速化
・レポートのペーパーレス化

製造業A社では毎月の損益集計作業が煩雑で、月間5人日の工数が掛かっていました。そのレポート作成もExcelで行っており、ひたすら他資料からコピペの繰り返しで転記ミスが発生しがちでした。

また、レポートは紙で配布。紙代が膨大にかかり、印刷・まとめ作業にも時間が掛かるため、社内メンバーがタイムリーにレポートを見られないという問題も生じていました。

そこで、「Board」を導入。その結果、損益計算はワンクリックで完了。作業時間を大幅に短縮できました。レポート作成もスピーディーになり、たとえ10年分の売上推移レポートであっても、「Board」にデータを蓄積しておき、自動レポーティング機能を活用することで迅速に提示できるようになりました。

また、「Board」を使えば社内メンバーがWebブラウザからレポート画面をタイムリーに見られるようになるため、紙のレポートは不要になり、ペーパーレス化が実現しました。

さらに、「これまでを振り返る業績レポート」だけではなく「これからのシミュレーションを示すレポート」まで利用できるようになりました。

小売店

【Boardの使途】
・売上分析
・予算
・予測

【課題】
・売上の見える化ができていない
・仕入の最適化ができていない
キャンペーンの効果が分からない

【課題に対する取り組み】
・Boardの導入

【結果】
・売上状況を把握
・在庫データを見える化して仕入れを最適化
キャンペーン効果を見える化して計画作成に活用

ある小売店では、売上分析について次の3つの課題を抱えていました。

● 売上データの見える化が十分にできていない

売上の確認をしたい時は、基幹システムからSQL文を実行し、手作業でレポート作成を行っていました。しかしこの手法では売上分析に時間がかかる、多角的な分析ができない、売上データを販売戦略に十分活用できていないという課題がありました。

● 仕入の最適化ができていない

この店舗では、海外にある本社倉庫から、商品仕入を行っています。しかし、どの商品が日本に送られるかは、本社での判断次第です。すると日本のトレンドに合わない商品が送られてきて、売れ残った商品の不良在庫化や返品コストの増加という課題も生じていました。

● キャンペーンの効果が分からない

毎月、特定の商品を対象とした販促キャンペーンを行っています。しかし現状、売上分析ができていないため、キャンペーンの効果があったのか、商品の選定は良かったのか分からないという課題も抱えていました。

上記3つの課題を解決するものとして、「Board」を導入しました。

その結果、売上データを多角的な視点から可視化することに成功し、日別・商品別売上実績はもちろん、売上増加・減少の原因まで分析できるようになりました。同時に、在庫データの見える化も実現。週次の在庫消化率を算出し、消化率の悪かったものも可視化できるようになり、仕入の最適化ができました。

また、キャンペーン効果の可視化もできるようになりました。当月のキャンペーン対象商品のキャンペーン実施前/実施後の売上を比較し、キャンペーン効果を確認。翌月のキャンペーン商品の設定に活用するなど、効果的なキャンペーンの計画策定を実現しました。

まずは評価版の導入ができる

「Board」を試しに使ってみたい方は、まずは評価版の導入ができます。評価版とは、ライセンスキーを受け取ってお試し版を1ヶ月間利用できるというものです。東京近郊であれば、担当者が訪問してレクチャーもしてくれます。

▼「Board」評価版申込みはこちら
https://Board.nippon-rad.co.jp/free/

また、オンラインデモンストレーションの申込みも可能です。

▼「Board」 オンラインデモンストレーションの申込みはこちら
https://Board.nippon-rad.co.jp/demo/

「これまで」そして「これから」のアクションも明示してくれるツール

自社内で蓄積してきたデータから「これまで」を振り返って問題点を教えてくれるだけではなく、「これから」つまり将来に向けたアクションプランまで示してくれるツールが「Board」です。

データを根拠にビジネス上の課題把握・戦略策定・意思決定を進めていきたい方は、ぜひ「Board」の導入を検討してみましょう。

▼業界別のBIツール活用例も紹介

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