近年、会社に属さずフリーランスとして働くという形態に注目が集まっています。会社勤めを経験しスキルや知識が増えてきて、独立に興味を持ち始めたという方も多いのではないでしょうか。

一方で、フリーランスになるためには具体的にまず何をしたらいいのか分からず、あと一歩が踏み出せない方も少なくないはず。

そこで今回は、フリーランスになる前にやっておくべき11項目をまとめてご紹介します。これからフリーランスになろうと思っている方、準備不足で独立してしまったという方はチェックリストとしてご活用ください。

フリーランスになる前に準備しておくべきこと

1.審査が必要となるものは済ませる

審査が必要となるものは済ませる

会社員と比較すると、フリーランスは社会的な信用度が低くなりやすい傾向にあります。例えば、会社員であれば当たり前のはずのクレジットカード申請やローン契約、不動産契約がフリーランスになると審査が通りにくくなる場合があります。

そのため、社会的信用が必要となる契約が必要な方は、独立する前に済ませておくことをオススメします。

特に注意したいのが、必要なときにお金を借りるのも難しくなることです。中長期的に支払いが必要な場合は、ローン計画を見直しておくことも必要でしょう。

2.健康保険、年金の切り替え

健康保険、年金の切り替え

会社員を退職したあとは、健康保険・年金の手続きが必要となります。健康保険の被扶養家族になることができる場合には費用を安く抑えることができますが、対象とならない場合は会社の健康保険を任意継続するか、国民健康保険への加入が必要です。

任意継続を選択する場合、退職後20日以内に申請すれば2年間継続して加入することができます。但し、会社員時代とは異なりこれまで会社が負担してくれていた保険料も全額自己負担になります。20日を過ぎてしまった場合には一切受け付けてくれませんので注意しましょう。

一方、国民健康保険は退職後14日以内に市町村役場に届け出をおこないます。国民健康保険は前年度の所得に応じて保険料が決まり、計算方法は地域ごとに異なりますので、どちらに加入したほうがいいか一度確認することをオススメします。

上記の他に、職種によって加入できる健康保険組合を利用する方法もありますのでこちらもあわせて検討しておくといいでしょう。代表的なものに文芸美術国民健康保険組合などがあります。

年金は、会社員時代の厚生年金を脱退し国民年金に加入します。こちらも国民健康保険と同じく市町村役場で手続きをおこないます。

3.開業届を出す

開業届を出す

フリーランスで活動していく上で出しておきたいものが「開業届」です。必ず出さなければならないものではありませんが、青色申告を考えている方であれば必須となります。
また、開業届を提出しておくことで小規模企業共済に加盟できるようになったり、屋号名を使って口座開設ができるというメリットもあります。

提出が面倒という方もいるでしょうが、本格的に活動するのであれば出しておきたい書類です。次にご説明する「青色申告承認申請の手続き」と併せて検討することをオススメします。

[国税庁ホームページ 個人事業の開業届出・廃業届出等手続](https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm
リンク):blank

4.青色申告承認申請の手続き

青色申告承認申請の手続き

会社員ならば確定申告の手続きはしてくれていましたが、フリーランスになった後は自分で手続きしなければなりません。確定申告には「白色申告」「青色申告(単式簿記・複式簿記)」の3つの申告方法があり、それぞれ控除額が異なります。

単式簿記の場合10万円、複式簿記なら65万円の控除を受けることができます。控除額が大きいものほど作業の手間が大きくなります。

国税庁ホームページ 所得税の青色申告承認申請手続

1年目は手間を考えて白を選択するということもできますし、初めから青色申告をおこなうこともできます。白色の場合は事前の手続きは必要ありませんが、青色の場合は予め「青色申告承認申請書」を出さなければなりません。

先の開業届提出と合わせて済ませておきましょう。

5.仕事用の銀行口座を用意する

仕事用の銀行口座を用意する

プライベートと事業用の口座を分けておかないと、どちらのために購入したものか分かり難く、帳簿付けの手間が増えてしまう原因でもあります。ただでさえ慣れない作業で面倒にも感じる経費入力を簡単にするためにも、事業用の口座を用意しておきましょう。

事業専用とすることで、後でおこなう作業がシンプルになります。開業届の提出が終わったらすぐに用意しておきましょう。

6.書類の準備をする

書類の準備をする

フリーランスとして仕事を始めると頻繁に必要となるのが請求書、見積書、納品書といった書類関係です。予め作っておかないと、いざ必要となったときに準備に時間がかかってしまいます。そのため、依頼を受ける準備作業の一つとしてテンプレートを作成しておきましょう。

また、自作するのが難しいという場合には無料で公開されているテンプレートをダウンロードして使用するのも一つの手です。自分で作るのが面倒という場合には、時間を作って探しておきましょう。

全て無料!契約書のテンプレートがダウンロードできるサイト17選

7.備品の準備をする

備品の準備をする

仕事で使う各種備品も準備しておきたいものの一つです。特に使用頻度が高いものとして、屋号・事務所住所が入った印鑑があります。封筒に手書きするのは面倒という方も多いので、印鑑を作成しておくことをオススメします。

合わせて、封筒、切手類も購入しておくと郵送時に使えます。机・椅子・パソコン・プリンターといったデスク周りの用品も揃えておきましょう。
また、確定申告用のソフトも初めから導入を考えておきたいものの一つです。会計ソフトを用意しておくとスムーズに作業を進めることができますので、青色申告を選択した方は特に利用したいものです。

確定申告用ソフトの定番としては、ネットで確定申告ができるe-taxにも対応している「弥生」、銀行・クレジットカードとの連携が可能で簡単に確定申告ができる「freee」といったものがあります。自分が使いやすいと思うものを選択するとスムーズです。

8.仕事用のメールアドレスを用意する

仕事用のメールアドレスを用意する

多くの方が独立前から個人のメールアドレスをお持ちかと思いますが、本格的に業務を受けいくのであれば個人用とは別に仕事用を準備しましょう。Gmailをはじめとしたフリーメールでもメールアドレスが作れますが、信頼性を高めたいという方には独自ドメインでのメールアドレスがオススメです。

9.名刺を作る

名刺を作る

屋号、肩書きを決めメールアドレスを作ったら、事業用の名刺を作ります。仕事依頼を受けるためにも、まずは人脈づくりを進めていかなければなりません。どこで誰と知り合うか分かりませんので、すぐに名刺を渡せるように常に持ち歩いておきます。

10.ポートフォリオサイトを作る

ポートフォリオサイトを作る

ポートフォリオサイトは独立してからでも作ることが出来ますが、いざ仕事依頼を受け出すとなかなか時間が取れなくなり後回しになってしまいがちです。余裕を持って行動するためにも会社員時代に進めておくことをオススメします。

また、ポートフォリオ以外に技術系ブログを作るというのも一つの手です。知識アップにも繋がりますし、見ている人にアピールすることもできます。自分のことを知らない人に実績、スキルを知ってもらい利益に繋げるためにも、自己紹介できるポートフォリオ・ブログを用意しましょう。

11.SNSに登録する

SNSに登録する

ポートフォリオサイト・ブログと合わせて準備したいのがSNSです。広く情報発信することで、自分の業務内容を知ってもらったり、新たな出会いに繋がることもあります。強力な営業ツールになりますので、フリーランスなら利用しない手はありません。

もちろん、自分からの発信だけでなく様々な最新情報を受け取るのにも役立ちます。