今や多くの企業が取り組み始めているコンテンツマーケティング
数年前にアメリカで注目され始め、その後日本でも概念が広がりつつあります。

しかし日本では、アメリカほど深く理解されるに至っていないのが現状のようです。
アメリカでは、コンテンツマーケティングは現在どのように取り組まれ、どのような役割を果たしているのでしょうか。

今回は、アメリカのコンテンツマーケティングの現状を、現地の調査レポートから探ってみたいと思います。

1.BtoBのコンテンツマーケティングで有効な方法とは?

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http://contentmarketinginstitute.com/2015/09/b2b-content-marketing-research/

・調査実施地域:北アメリカ
・調査機関名:Content Marketing Institute

こちらは2015年と2016年にBtoBのマーケッターにアンケートを取った内容を比較した記事です。

これによると、「コンテンツマーケティングで成果が出ている」と答えた人は2015年の38%より8ポイント減った30%だったとのことです。

また、コンテンツマーケティングの戦略を持っているかという問いに対しても、2015年の35%よりも3ポイント下がった32%という回答になっています。

その他2015年と比較して、マーケッターが「何をもって成功と考えるか」を理解したことでコンテンツマーケティングへの成熟度が上がったことや、ミーティングの頻度などが細かな項目が記載されています。

2.2016年により効果の出せるマーケッターになるために

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http://contentmarketinginstitute.com/2016/01/more-effective-marketer-2016/

・調査実施地域:北アメリカ/オーストラリア/英国
・調査機関名:Content Marketing Institute

こちらはマーケッターが属する組織に関するアンケートです。

「属している組織でコンテンツマーケティングの成果が出ているか」という問いに関しては全地域2015年より下がっています。
顕著なのがアメリカのBtoBマーケッターと英国のマーケッターで、2015年に比べると8ポイントも低下しています。

また、「コンテンツマーケティングのゴール設定ができているか」という問いに関しては、米国・オーストラリア・英国ともに2015年よりも「YES」と答えた割合は上がっています。
特に米国のBtoBマーケッターの数値が2015年より35ポイント伸びて79%という結果が出ています。

3.2016年 Search Engine Journalレポート

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https://www.searchenginejournal.com/sej-annual-report-state-of-digital-marketing-2016/157784/

・調査機関名:Search Engine Journal
(対象地域は特定しておらず不明)

SEOやリスティング関連の情報をメインで発信するSearch Engine Journalによる調査です。

この記事で特筆すべきポイントは、どのようなコンテンツが有効かということが書かれている点です。
記事によると、68%のマーケッターは「ホワイトペーパー」や「電子ブック」と言った形式のコンテンツが最も効果的だと考えています。

それ以下はブログ投稿が16%・オンラインセミナーが5%・ポッドキャストが4%と続いています。

4.影響のある人へのマーケティングがSEOを加速させる6つの理由

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http://searchengineland.com/6-reasons-boost-seo-content-investments-influencer-marketing-250320

・調査機関名:gShift
(対象地域は特定しておらず不明)

影響力のある人を巻き込むことがコンテンツマーケティングにとって重要であると認識されつつも、今は調査対象の40%しか影響力のある人に対するマーケティングを行っていないという結果が出ています。

なぜ影響力のある人へのマーケティングが重要なのか。
口コミ(Word of Mouth)が一番影響力があり、それによって細かなキーワードでの流入を促すことが出来るからです。

5.製造業のマーケッターがコンテンツマーケティングをする際につまづくこと

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http://contentmarketinginstitute.com/2016/02/b2b-manufacturing-marketing-research/

・調査実施地域:北アメリカ
・調査機関名:Content Marketing Institute

製造業のマーケッターの場合、18%しかコンテンツマーケティングが効果的に進んでいると感じていないようです。
これは2015年の26%より8%も低下います。

一方で、アンケートを取ったマーケッターの66%がYouTubeを使った映像のマーケティングが効果的だと言っています。

まとめ

以上、海外のコンテンツマーケティングに関する調査をまとめました。
上記記事の中で重視されていることは下記の4点です。

・マーケッターと会社が施策の成功基準(ゴール)が定まっているか
・マーケッターと周りのメンバーが定期的に意見交換をする時間が取れているか
・常に最適なコンテンツが何かを探しているか(ブログだけでなく、映像やホワイトペーパーなど)
・その業界の権威を巻き込んで、口コミを起こせるような施策を考えられているか

これらは海外だけでなく、日本でも同様のことが言えます。
コンテンツマーケティングは、決して1人だけで完結させることは出来ません。

現場の人にお客さんがどのような悩みを持っているかヒアリングをしたり、逆にウェブから分かったことを現場に共有するなど、チーム間の協力が不可欠でしょう。