プログラマーなら当たり前に使いこなすMacのターミナルを、とっつきにくいと感じてしまう方(特に経験の浅いWebデザイナー)も少なく無いでしょう。

しかし、そんなターミナルでも使いこなせれば、本当に作業が早くなるんです。とても便利なこのツールは使わない手はありません。

今回は、ターミナルの主な機能と解説に加え、初歩的で簡単なコマンド、作業効率的なコマンドまで、ターミナルを使うキッカケとなる内容をご紹介いたします。

ターミナルとは

Mac OSに標準装備されているツールです。Windowではほとんど同じ機能に「コマンドプロンプト」があります。簡単に言うと、さまざまな操作をコマンド(命令)するためのツールです。

主にマウスによる操作のほとんどが、GUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)と呼ばれている操作方法となります。対して、ターミナルはマウスの操作(GUI)の代わりにコマンドを打つ(キーボードを打つ)ことで、操作できるCUI(キャラクター・ユーザ・インタフェース)と呼ばれる操作方法となります。

ターミナルの使い方

まずDock(画面の下に表示されているアイコンのメニュー)から、ターミナルを選択してください。ターミナルは黒い画面のようなアイコンです。Command+スペースで起動する「Spotlight検索」では、「た」と入れた瞬間に候補として挙がってくるでしょう。

選択をしてターミナルを起動したら、英数字が表示されることと思います。これらは「プロンプト」と呼ばれるもので、端末のホスト名などが表示されています。ただ、これらは操作するにあたって意味を為さないもの(当面)ですので、まずは無視して構いません。

そして、基本は、「$ 」が付いているところから入力を始めるものだと覚えておきましょう。以下にご説明をしていくようなコマンドも、「$ 」から入力して使ってみてください。

また、事前に環境設定をオススメします。デフォルトの設定では、なんとも味気のない白地のターミナル画面になっていると思いますが、画面デザインを変更することができます。ターミナルを開いた状態で、上部メニューバーから「ターミナル」→「環境設定」→「プロファイル」からお好きなデザインを選択して、その下にある「デフォルト」を押すと、画面デザインが変わります。

ターミナルの簡単なコマンド

簡単なコマンドをご紹介します。どのサイトにも入門者にはこれらから説明されていると思います。以下は、使う順番に沿って記載しております。

1. pwd

今いる場所を教えてくれるコマンドです。$の後に「pwd」と記入してenterすると、Macにログインしているユーザー名が表示されます。

これは、ログインした初めの階層にいることを表します。GUIに慣れてくると、PCにログインしたらすぐにデスクトップにファイルを作成したり、デスクトップ上のファイルを開いたりできます。

ちなみに、pwdは「print working directory = 今いる場所をプリントせよ」の略です。

2. ls

今いる地点にあるファイルを一覧表示してくれるコマンドです。$の後に「ls」+enterをすると表示されます。その中に「Desktop」がありますが、「Document」や「Downloads」など、Finderでよく見かける「書類」「ダウンロード」にあたるものは、この階層にあることが分かります。

これは簡単で「list」の略です。

3. cd

「change directory」の略です。ディレクトリ、はフォルダとほぼ同義です。こちらは、フォルダや階層を変えるというコマンドになります。「cd desktop」とコマンドすると、Desktopのディレクトリ内に「移動」します。

$の前が、desktop (ユーザー名)となっていますが、Desktopへ移動していることを表しています。そこで「ls」コマンドを使ってみてください。Desktopにあるものがlistされます。

4. mkdir

「make directory」の略です。ディレクトリをmakeする(作る)コマンドです。Desktopにいる状態で、「mkdir a(※仮のフォルダ名)」とコマンドしてみてください。GUIでデスクトップを見ていただくと「a」という新しいフォルダができていると思います。

5. mv

これも覚えるのが簡単で、「move」の略です。「mv (デスクトップにあるファイル名) (異動先のディレクトリ。例えば先ほどの「a」)」でファイルを移動することができます。

例) $mv sample.xlsx a