画像のリサイズや、特定のWebブラウザのテキストのコピー&ペースト、決まった形式でのファイル名の変更など、日々Mac上でルーティンになっている作業はどれだけありますか?

Macに標準で入っている「Automator(オートメーター)」というアプリを使えば、さまざまな方法で作業を自動化できるようになります。数分掛かっていた作業が数秒になれば、本当に大切な仕事に集中できます。

そこで今回は、Macの操作を自動化できるAutomatorの概要や詳しい使い方、実践例などをご紹介いたします。設定によってはSiriのように音声だけで作業をコントロールできるので、ぜひ活用してみましょう。

Macの標準アプリ「Automator(オートメーター)」とは?

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Automatorは、様々なワークフローを自動化して簡単に作業を効率化できる、Macの標準アプリケーションです。単純なドラッグ&ドロップ操作で自動化レシピを作成し、任意のショートカットキーで実行することができます。

Automatorで扱えるタスクは多岐に渡ります。例えば、お気に入りのWebサイトから画像を探して自動的に特定のフォルダに保存したり、Finderで特定フォルダの中にある大量のファイルの名前を一瞬で変更したり、Wordファイルを瞬時にPDFファイルにすることも可能です。人間の力では数時間かかるような作業も、レシピ次第で数分、数秒でできてしまいます。

まずは、起動方法を確認しましょう。最新のmacOSでは、Launchpadを起動したあと、*「その他」*のフォルダに、さまざまなユーティリティアプリケーションの中にAutomatorのロボット(「Otto」と言います)のアイコンがあります。Finderから直接「Application」フォルダを開き、アプリケーションを起動することも可能です。

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Spotlightウィンドウ

Automatorを最も早く起動する方法は、「command+スペースキー」を押して、Spotlightウィンドウに「Automator」と入力することです。エンターキーを押せば、アプリケーションが起動します。

「Automator(オートメーター)」で活躍する6つの「書類」たち

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Automatorを起動すると、新規書類(ドキュメント)を選ぶ画面が立ち上がります。Automatorでいう「書類」とは、「レシピの種類」だと考えてください。

まず最初に考えなければならないのは、「これからやる作業をどの種類の書類で実行するか」、ということです。書類には、以下の8種類があります。

1. ワークフロー

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ワークフローは、Automatorを立ち上げ、Automatorのアプリ内で実行できる自動化レシピです。

マウスの動きをダビングして特定の作業を行ったり、テキストをコピー&ペーストしたりと、入力作業の補助に利用すると便利です。

2. アプリケーション

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アプリケーションは、Automatorを立ち上げなくても実行することができる、自己実行型のレシピです。

レシピをアプリケーションとして作成しておけば、アイコンにドラッグ&ドロップされたファイルやフォルダに何らかの処理を加えることもできます。

3. サービス

サービスは、他のアプリケーションやFinderから任意の情報を受け取ることで、macOS全体で利用することができる自動化レシピを作成することができます。

例えば、Macに内蔵されているカメラを使って撮影したスナップショットを、任意のフォルダに特別な名前で保存する場合には、サービスを使うのが便利です。

4. プリントプラグイン

プリントプラグインは、プリントする際に実行されるレシピです。PDFファイルを出力するという使い方ができます。

例えば、エクセルファイルを瞬時にPDF変換する際に利用するとよいでしょう。

5. フォルダアクション

フォルダアクションは、特定のフォルダに入っているファイルに関して、何らかのアクションを行うレシピを作ります。

例えば、インターネットブラウザでダウンロードしたファイルを、拡張子ごとにフォルダ分けする際に便利です。

6. カレンダーアラーム

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カレンダーアラームは、特定の時刻になったら何らかのアクションを実行することができるレシピを作成できます。

作成したレシピはカレンダーイベントとしてカレンダーアプリに反映されるので、通常のカレンダーイベントと同様に、繰り返しや通知の設定なども行えます。指定時刻にメールを送ったり、特定のファイルなどを印刷する時に便利です。

7. イメージキャプチャ・プラグイン

イメージキャプチャプラグインは、画像処理を自動化する際に使います。

例えば、複数の画像を1枚のタイル状に加工したり、ぼかしやドット化のような加工、サイズ調整やPDF作成など、受け取った画像を自動化する際に利用します。

8. 音声入力コマンド

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音声入力コマンドを使えば、音声入力を起動した際に特定のキーワードをトリガーとして自動化することができるようになります。例えば「コンピュータ、Macをスリープモードに」という音声入力コマンドを設定しておけば、このトリガーを発した際にMacをスリープモードにすることが可能です。

「Hey Siri」や「OK Google」「コンピュータ」のように自動的に音声入力をオンにするウェイクワードを設定するには、*「設定>アクセシビリティ>音声入力」*で「次のキーワードで音声入力を有効にする」にチェックを入れ、任意のウェイクワードを設定しておく必要があります。