商談時、お客様の反応は良かったのに「検討します」と言われてそのまま受注に至らなかったことはないでしょうか。

「検討します」と言われた後、どのタイミングで連絡をすれば良いか分からず、そのままフェードアウトしてしまうのは、営業担当であれば誰もが経験することだと思います。

適切なタイミングは業種によって異なるにせよ、判断軸の1つとして「記憶力」が挙げられます。
人の記憶が完全に抜けないうちに連絡をすることでフェードアウトは防ぎやすくなるでしょう。

記憶力は人それぞれですが、「忘却曲線」によれば人が忘れるタイミングには一定の法則があるようです。

今回は、「検討します」と言われた後、どのタイミングでアプローチをしていけば良いかを「忘却曲線」を使ってご説明します。

忘却曲線

忘却曲線とは、「時間の経過」と「記憶の定着率」をグラフで表したものです。
ドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスによって提唱されたため「エビングハウスの忘却曲線」とも呼ばれています。

エビングハウスは、無意味な音節を被験者に記憶させ、時間と共にどのくらい忘れたかを検証しました。
結果は以下のとおりです。

・20分後には42%を忘れ、58%を覚えている。
・1時間後には56%を忘れ、44%を覚えている。
・1日後には74%を忘れ、26%を覚えている。
・1週間後(7日後)には77%を忘れ、23%を覚えている。
・1ヶ月後(30日後)には79%を忘れ、21%を覚えている。

記憶してから1日経つまでに、なんと74%もの記憶が失われています。
その後は数字の変化が緩やかになっています。
その日に得た記憶はその日のうちにほとんど消え、一部分だけを継続して覚えているのが基本パターンのようです。

しかし、この実験は無意味な音節を用いているため記憶の定着が悪いととれます。
興味を持ってインプットした情報はここまで急激に忘れることはほぼないでしょう。

しかし、興味を持たずに受動的に聞いた話に関しては忘却曲線が参考になるかもしれません。

これを営業に活用しようとするとどうなるでしょうか。

忘却曲線を利用して、お客様に「忘れられない」工夫をする

例えば、以下のようなケースがあったとします。

自社セミナーにて、クライアントと商談、商品の必要性は感じていただけたが、担当者に決定権がないため即決は難しい。
「上司に相談して、1週間後返事をする」と言われる。

この場合、なにもせずに1週間を過ごして受注に繋がることはほぼないかと思います。
担当者が商談内容にそこまで前向きではなかった場合、伝えた情報の半数以上はその日のうちに忘れられている可能性が高いでしょう。

忘却曲線を意識し、担当者の記憶が曖昧になって検討のモチベーションが下がらないよう継続的にアプローチする必要があります。

1.お礼のメールは商談後すぐに送る

まずは、自社セミナーに来ていただいたこと、商談させていただいたことに対して、すぐお礼のメールを送りましょう。
できるだけ早くメールを送ることで、相手に誠意が伝わります。

2.資料や商品のポイントは、翌日メールで送る

資料や、商品のポイントをまとめたメールは、翌日送りましょう。
商談の記憶が薄れてきたタイミングでメールすることにより、お客様に再度商談内容について思い出していただけます。

また、お客様と接する回数が増えることにより、親近感を持っていただきやすくなります。

参考:
ザイオンス効果とは - Webマーケティング用語

3.相手の様子を窺いながら複数回にわけて状況確認の連絡をする

検討期間中に、判断するうえで不明瞭な点がないかどうか、確認の連絡をしましょう。

こちらからまめに連絡することでお客様も質問がしやすくなります。
お客様の様子を窺いながら、しつこいと思われない程度に連絡するようにしましょう。

上記のようなステップを踏んだ後で、検討結果を聞きましょう。
何もせず1週間を過ごすより、成約率は上がるはずです。

まとめ

せっかくの商談が無駄にならないよう、忘却曲線を意識して連絡を取るタイミングを決めてお客様に継続的にアプローチをしていきましょう。

特に、商談後のお礼メールは当日中に送るのが鉄則です。
ビジネスマナーとしてはもちろんのこと、記憶の大半が流出しないようにリマインドしておくことは非常に重要です。

人は忘れる生き物だということを念頭に置き、辛抱強くアプローチしましょう。