「○秒に○個売れた」は心理学を利用した合理的なキャッチコピー

そもそも、なぜ「○秒に○個売れた」という形式のキャッチコピーがよく使われているのでしょうか。心理学的な側面から検証してみましょう。

この形式のキャッチコピーがよく使われるのは、その効果が高い=人々の心理に大きな影響を与えているからでしょう。

「○秒に○個売れた」キャッチコピーがなぜ大きな効果をもたらすのか、それを読み解くために知っておきたい心理効果が以下の3つです。

・バンドワゴン効果
・フレーミンング効果
・シャルパンティエ効果

バンドワゴン効果

「人気がある」「流行っている」と認識した商品に対して好感を持ち、購入に至りやすくなる心理作用を「バンドワゴン効果」と呼びます。

「○秒に○個売れている」というキャッチコピーは、「秒単位で売れている商品」だということを端的に表現しています。
シンプルに、しかも強烈に、人々に対して「とても売れている商品」だという印象を与えることができます。

アンカリング効果

人は、最初に認識した情報をもとに意思決定する傾向があります。これを「アンカリング効果」と呼びます。

商品を認識する際、一番最初に目に飛び込んでくるキャッチコピーに「○秒に○個売れた」というデータを提示することで、「これは売れている商品」だと最初に認識します。「売れている商品」と最初に認識したので、意思決定(購買行動)に反映されやすくなるという流れが生まれます。

フレーミング効果

提示する数字や情報の切り口を変えることで、人に与える印象が大きく変わることを「フレーミング効果」と呼びます。

例えば、以下の2文は全く同じ情報を提示していますが、それぞれの文章から受け取る印象は全く違うのではないでしょうか。

・この病気を患った患者の3割は死亡します
・この病気を患っても7割は生存します

このように、同じ情報でも表現次第で人に与える印象は変えることができます。
単純に販売数を提示するよりも、「○秒に○個売れた」と表現することで直感的に数値を認識させやすくなります。

どんなキャッチコピーでも、ユーザーに対する誠意は担保しよう

「○秒に○個売れた」というキャッチコピーは、インパクトが強いだけに誇張表現の手段と捉えかねられません。
この形式のキャッチコピーを利用する際は、必ずその数値の根拠になるようなデータ(計測期間や販売数)を入れるようにしましょう。

キャッチコピーは、時として商品の売り上げを左右するほどの大きな影響力を持ちます。
売り上げ拡大を優先してユーザーの信頼を損なうようなことがないように気をつけましょう。

まとめ

効果的なキャッチコピーの作成は、ほとんどの企業にとって永遠の課題なのではないでしょうか。
様々なパターンを試して自社のユーザーに響くキャッチコピーは何なのか、何を訴求すればいいのかを模索していくほかないでしょう。

「○秒に○個売れた」という形式のキャッチコピーを自社で使う際は、上記で紹介した企業の数値算出方法を参考に、信頼に足るデータもセットで提示するようにしましょう。

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