「記事やLPからの売上がよくない」
「サイトに来たお客さんがすぐ離脱する」

そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、12年間多くのWeb広告を手がけてきた株式会社プランクトンRのコピーライター 小森谷友美が、売れるコピーを書く秘訣を紹介します。

過去には自分のコピーから何も売れないということもあった私ですが、「コピーを作る5つのステップ」を実践するようになってからは、コピーで売上を3.5倍作れるようにもなりました。

コピーライティングにはセンスが必要と思っている方もいるかもしれません。しかし実はそうではありません。ちょっとした工夫で誰でも売れるコピーを作れるようになる5ステップを公開しますので、ぜひ参考にしてください。

「売れるコピー」と「売れないコピー」の違いとは?

売れるコピーと、売れないコピー。違いはどこにあるのでしょうか?
それは「相手の欲しい情報をコピーで伝えらえれているかどうか」です。相手の欲しい情報を与えるためにもっとも大切なことは、「とにかく相手を知ること」です。

例えば、誰かを食事に誘うとします。その人がカレー好きだと知っていれば、「この辺にカレーが日本一ウマイ店があって。よかったら行く?」と相手がいちばん興味のあることで誘えるでしょう。

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また相手が彼氏で悩んでいることを知っていたら、「元気ないけど彼と喧嘩でもした?ストレス発散でパフェでもおごるよ」と悩み解決を誘い文句にもできます。

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このように、相手のことを知っているだけで、誘い文句の成功率はぐんと高まります。大切なのは「相手の欲しい情報をコピーで与える」こと。これができると、コピーは人の心を動かす魔法の言葉に変わります。

売れるコピーを書く5ステップ

1.ターゲットを具体的にイメージする

「商品を誰に売りたい?」と問われた時に、具体的に売りたい人のイメージはできているでしょうか?

例えばここで「20代〜30代の主婦に売りたいです!」と回答しているならば、それは売りたい人をイメージできているとは言えません。なぜならば、一口に「20代〜30代の主婦」と言っても、そこに含まれている人たちの家族構成や趣味、仕事、ライフスタイルなどはまったく異なるからです。企業で営業を担当する女性と、小さな子供を育てている専業主婦では、生活リズムや欲しいものが違うであろうことは容易に想像できるでしょう。

商品を売りたい相手、つまりターゲットを決めるときは、できる限り「具体的な人」をイメージすると、広告はぐんと届きやすくなります。その時におすすめなのは、誰か身の回りの知っている人を想像することです。

まずは友達や同僚、親戚、電車でいつも見かける人などの中から、担当する商品をもっとも買ってくれそうな人を一人見つけて、その人に向けてコピーを書くようにしてください。「特定の人をイメージしすぎると多くの人に届くコピーが書けないのでは?」と疑問に思う方も中にはいるかもしれません。

しかし多くの人に届くコピーを書こうと思っても、結局誰の目にも留まらずに終わってしまうのは、広告に限らずよくあることです。誰かひとりの心に届くものは、他の多くの人の心にとっても深く残る可能性がとても高いのです。

2.「売りたい人」と会話をする

コピーを書き始める前に、売りたい人をとことん知ることが大切です。そのためにおすすめなのは「会話」です。

私がコピーで失敗ばかりしていた頃。ターゲットである60代の女性がよく集まる浅草へ、ためしに足を運んでみました。そこで実際に彼女たちと会話をしてみて驚いたことは、「私が思っている60代よりもずっと若い」ということ。これは取材をしてみなければわからないことでした。

もちろんテレビや雑誌、インターネットの記事からもターゲットの声は拾えます。しかしそこで拾える声が必ずしもその人々の本音だとは限りません。できればターゲットとなる人がいる場所まで足を運び、姿を見たり話をしたりして、ターゲットがどのような生活をしているのか、何を考えているのか、どのようなものに興味を持つのか、などを探ってみるのがおすすめです。売上をつくるコピーは「足で書く」といっても過言ではないと思っています。

3.キャッチコピーは共感が命

商品の売上を左右すると言っても過言ではないキャッチコピー。「キャッチコピーはセンス次第なのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、実は売れるキャッチコピーにはいくつかの特徴があります。

実際に売上を獲得できたキャッチコピーの例をみてみましょう。これは30代〜40代の女性をターゲットとした「ダイエットゼリー」のLP用キャッチコピーの例です。新規顧客が集まる媒体に以下4つのコピーを提出しました。どのキャッチコピーが一番売上を獲得できると思いますか?

A.中年太り専用!ダイエットゼリー期間限定70%OFF
B.〇〇乳酸菌を20倍配合!ダイエットゼリー
C.夫から「太った?」と言われた
D.写真に全身を撮られたくない 

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答えは「D」です。
なぜDが選ばれたのかを探ってみると、A、B、Cが顧客に響かなかった原因は以下のような理由でした。

A:「中年太り」という言葉は意見ターゲットを絞り込んでいて良さそうに思える。しかしターゲットである30〜40代は、自らを「中年」だとは思っていないことが多い。結果、ターゲットである世代に刺さらないコピーになってしまった。また、「70%OFF」には引きがあり、ターゲットの欲しい情報がダイレクトに掲載されているように思える。しかし、そもそもこの商品について詳しく知らない新規顧客に対しては価値の薄い情報だった。すでに商品購入を検討している顧客には効果的かもしれないが、新規ユーザーへの効果は薄いキャッチコピーだった。

B:「〇〇乳酸菌を20倍配合!」は、このダイエットゼリーを競合商品と比較している顧客には響く言葉かもしれない。けれども、まだ商品を比較検討する段階ではない新規顧客にとっては不要な情報だった。

C:一見、共感できるキャッチコピーではあるが、そもそも配偶者から「太った?」と聞かれて太ったことを自覚することは少ない。指摘される前に、自分で鏡や写真を見て気がつくことの方が多いので、シチュエーションに違和感がある。 

上記と比較するとDのキャッチコピーは、「全身を撮られると自分が太っていることを嫌でも自覚するので嫌だな…」という女性の気持ちを見事に代弁しています。

ここでわかることは、悩みを抱えている人が欲しいのは「共感」であるということです。それも、「なんとなくありそう」なエピソードではなく、実際に「本当にそうだよね」「そんなことあるよね」と大きく頷けるようなキャッチコピーが響くのです。

ターゲットにどのような悩みがあるのか、その人たちはどのような情報を必要としているのかを考えながらキャッチコピーを作ることがとても重要でしょう。

4.説得ストーリーをつくる

次に、LPや記事広告キャッチコピーに続く文章を考えます。これを「説得ストーリー」と呼びます。どんな文脈で商品を紹介したら買いたい気分にさせられるのか、想定したターゲットにどのような順番でどのような言葉をかければ購入に至るのかを考えてみましょう。

ここで重要なのが、情報を伝える順番です。例えば、3では選ばれなかったキャッチコピーの内容を、LPや記事の途中で伝えれば機能することもよくあります。初対面では話を大げさすぎるように感じられた情報も、商品に対する知識がわかってきたら信頼を補強する情報に変わることもあるのです。そのため、LPや記事広告の後半では、スペック情報を語ることが多くなります。

また口コミなど第三者評価も、購入前に知ると購入を後押しする情報になります。特に購入ボタンの前に口コミなどの情報があるとコンバージョンしやすくなるので覚えておきましょう。

5.コピーを「売りたい人」に見てもらう

一連のコピーが完成したら、ターゲットに近い人に実際に見てもらうことをおすすめします。見てもらうことで、文章の違和感や、嘘くさく感じる表現を指摘してもらえるでしょう。自分が書いた文章をターゲットの心理に近づくようチューニングしていきます。

また広告出稿した後も、CVRCTRなど数字を見て、数字の良くないコピーを出稿停止にするなどしながら、数字のよいコピーをさらに獲得できるようブラッシュアップしていきましょう。