対面と非対面のコミュニケーション、それぞれの得意分野とは

既存顧客への営業をコミュニケーションとするなら、コミュニケーションの方法によって得意な分野があると言えるでしょう。

対面か、非対面かによって相手と行えるコミュニケーションは異なります。

直接的コミュニケーションの得意分野は「受信(聞く)する」こと

対面で行う直接的コミュニケーションは、相手と直接会って話すコミュニケーションの方法です。営業用語で言えば「訪問」や「ルート営業」と呼ばれる手法です。

直接的コミュニケーションの特徴は、表情や身振り手振りといった非言語コミュニケーションが使えることです。
日本には「空気を読む」という言葉があるとおり、言葉だけではない微妙なニュアンスというものが存在します。

例えば、らっきょうが大嫌いな人にメールで「らっきょうは好き?」と聞いて、「好きだよ」と返ってきても嘘かはわかりません。
ですが、実際に目の前で、らっきょうの話をした時に眉をひそめていたら、それだけで嫌いだと気づくでしょう。

先ほどの営業のポイントに当てはめると、直接的コミュニケーションは以下のようなことが得意だと言えます。

・常に顧客の変化に気づく
・ニーズやウォンツ(どんな解決法を欲しているか)を発見する
・顧客の声を組織内で共有する

細かいニュアンスに気付き、さらに情報を引き出すためには顧客へ訪問して話を聞くといいでしょう。
アンケートのような顧客の声を聞く機会がある場合は、ただメールで用紙を送るのではなく、直接会いにいく方が真に迫った情報を得られるかもしれません。
実際、マーケティング調査ではインタビュー形式で行う定性調査という手法があります。

参考:
消費者行動研究における定性調査

間接的コミュニケーションの得意分野は「発信する」こと

メールやホームページを介して行われるコミュニケーションは間接的コミュニケーションと呼ばれます。

間接的コミュニケーションの最も大きな特徴は、情報がすぐに届くということです。
人と人が会って話をするには、双方が予定を合わせて同じ場所に行く必要があります。
ですが、ネットワーク上では一瞬で情報がやり取りされているため、どんなに長い文章であってもメールなら一瞬のうちに届きます。

参考:情報化社会とコミュニケーション
自己開示における直接的・間接的コミュニケーションのあり方と友人関係

また、一度に何かを伝えるにはその分の人を収容する場所が必要な直接的コミュニケーションとは異なり、複数の人に一度に情報を伝達するハードルも低いと言えるでしょう。

・定期的にコンタクトを行う
・顧客のビジネスに貢献できる提案を行う

このように間接的コミュニケーションは、時間を割くことなく情報発信をできることが得意です。
顧客のニーズに合わせた提案を行うのはメールだけでは深堀は難しいかもしれませんが「〇〇でお悩みの方には……」という前提で大量の人に情報発信を行えるのは強みです。
また、なかなか直接会いに行くことが難しくても、メルマガや年賀状を使えば定期的にコンタクトを取ることができます。