ついパソコンのフォルダ整理を怠って、どこにどんなファイルがあるかわからないという状況に陥っていませんか?
忙しさからついつい後回しにしがちですが、パソコン内を整理すればファイルが探しやすくなるだけでなく、遅くなっていた動作を改善することができます。

今回は、衛生管理方法の考え方のひとつ「4S」という手法を用いて、パソコンの動作を早く、使いやすくする方法を説明します。

掃除の基本4Sとは

4Sとは、「整理(Seiri)」、「整頓(Seiton)」、「清掃(Seiso)」、「清潔(Seiketsu)」の頭文字をとった言葉で、職場での安全衛生管理の手法のひとつとして知られています。

やみくもに部屋を片付け始めて、収拾がつかなくなってしまったことはありませんか?
4Sは効率的な掃除を行う手順を示していて、そのような事態を未然に防ぐことができます。

簡単に表現すると「ものを減らし(整理)、わかりやすく置いた状態(整頓)にした上で、掃除(清掃)を定期的に行う(清潔)」という手順で行います。

1.整理
不要なものを処分することです。「3か月以上使っていない」「使い方がわからない」など、一定の基準に従って処分します。

2.整頓
必要なものを必要な時に、簡単に取り出せるように配置することです。引き出しに入っている品物の情報を書いたり、ファイルをラベリングして抜けているものがないかすぐに確認できるようにしたりします。

3.清掃
ホコリや汚れを拭い去ったり、細いゴミを集めて捨てることです。個人の基準で「綺麗になったからもういいか」とならないよう、写真で理想の状態を提示する方法が取られます。

4.清潔
1~3までを定期的に行い、清潔な状態を維持することです。そのためには清掃チェックリストを用意したり、清掃日を設けたりします。

※4Sにしつけ(Shitsuke)も加え、5Sとして取り組む企業もあります。

このように、4Sでは効率的に掃除を行うノウハウが詰まっています。

工場などの生産現場では物が乱雑に散らかっていたり、汚れで表示が見えなかったりすると、事故につながる可能性もあります。
清潔な環境を維持することで安全や生産性の向上にも役に立つ手法だと言えるでしょう。

今回は4Sについて、各手順ごとにパソコン内の掃除にあてはめて詳しく説明していきます。

参考:
職場の安全サイト|厚労省

1.整理

4Sの手順を、パソコンの掃除へとあてはめていきましょう。
まずは、いらないものを少なくする「整理」の作業です。

パソコンの中に、とりあえず保存してみたものから重要なものまで、仕事の資料を地層のように積み重ねていないでしょうか?
そのような中には、今はもう使っていない資料や最新版だけ持っていれば十分というファイルがあるでしょう。

特に似たような写真を大量に保存していると、それだけで大きなデータとしてパソコンの動作を妨げてしまいかねません。

その際には下記のような基準を自分で決めて、削除したり、他の人に引き継いだりして、処分を行いましょう。

例:削除するファイル、データの基準
・3か月以上進んでいない仕事に関連するもの
・中身を見ても何のデータかわからないもの
・過去のサービス、商品に関わるもの
・異動前の前部署の業務に関わるもの
・業務に必要ないもの
・保存期限の過ぎたもの

また、重複する画像やファイルを抽出できるフリーソフトもあります。
自分で作業を行うのに時間がかかりすぎてしまう人は、そのようなツールも利用してみましょう。

参考:
重複ファイルや類似画像を、検索したり削除したりすることができるフリーソフトの紹介