ECサービス選定時のNG行為とは?導入までの全体の流れや選ぶポイントを解説
近年、EC市場は急成長を遂げており、新たにECサービスを展開する企業も増加しています。好きなタイミングで好きな場所から製品を購入できるECのシステムは、多様化する消費者行動にマッチしており、時代にあったサービスといえます。
しかし、競争率の高まるEC市場で新しいビジネスを成功させるには、綿密な計画と実行力、専門的な知識・ノウハウが必要です。ECサイトを構築しただけでは、目標を達成することはできません。
そこで、今回の記事ではECサービス選定時のNG行為や導入までの流れを解説します。ECベンダー・サービスを選定するポイントも紹介しますので、EC初心者の方は必見です。
目次
- ECサービスは戦国時代?主要なECサービス
- ECサイト構築のステップ
- 後悔しないために知っておきたい、ECベンダー・サービス選定時のNG行為
- ECベンダー・サービスを選ぶポイント
- 自社にあったECベンダー・サービスを選ぼう
ECサービスは戦国時代?主要なECサービス
経済産業省が公開したデータによると、令和元年における日本国内の電子商取引市場規模は、19.4兆円であることがわかりました。
前年度の18兆円と比較すると7.65%増加しており、市場規模は拡大傾向にあります。ちなみに、2010年と比較すると2019年の市場規模は2倍以上に及びます。
このようにECサービスへの需要が高まる一方で、EC市場における競争率は激化しています。消費者のニーズや動向にあわせて、最適な方法でサービスを展開しないと、ビジネスを成功させることができません。
まずはECサイト構築の全体的な流れを把握し、計画や予算にあわせたECベンダー・サービスを選ぶことが大切です。
ECサイト構築のステップ
1. 販売運営計画を立てる
ECサービスを展開することが決定したら、はじめに販売運営計画を立案します。販売運営計画とは、目標達成までのスケジュールや実行するアクション、予算などをまとめたものです。
いつ施策を打ち出すべきか、どれくらいの費用を広告に使用するべきかなど、ECサービスを運営していく上で必要な意思決定は販売運営計画に基づいて行われます。
販売運営計画を作成する際は、収支構造を把握し、黒字化までの期間や広告費、利用するサービス・業者、実施計画などを設定します。
販売運営計画は、将来的な意思決定の基盤となるものなので、慎重に実現可能なものを考えましょう
2. カートやサービスの選定
販売運営計画を立案した後は、カートやサービスの選定を行います。ECにおけるカートやサービスとは、ECサイトを構築するために必要となるプラットフォームのことです。
例えば、一からECサイトを立ち上げられるスクラッチや、基本機能が搭載されているパッケージ、オンライン上でカスタム可能なオープンソースなど、さまざまなタイプのカートやサービスが展開されています。
ただし、カートやサービスを選定する際は、スペックだけで決めてしまうと後悔することがあるので、事前に注意すべきポイントを理解することが重要です。
3.サイト制作
利用するECカートやサービスが決定したら、サイト制作に移行します。サイト制作は自社のスタッフが担うこともありますし、外部の業者や個人に依頼することもあります。
ECサイトの機能性やデザイン、操作性はユーザーエクスペリエンスを左右する重要なファクターです。そのため、サイトを設計する前にどのようなサイトを目指すか考えて、綿密な計画を立てることが求められます。
また、ECサイトを制作する際は、セキュリティ対策を徹底することが重要です。個人情報の漏えい事故が発生してしまうと、安全性が確認できるまでサイトを停止する必要があり、売上に大きな影響を及ぼします。
後悔しないために知っておきたい、ECベンダー・サービス選定時のNG行為
ECベンダー・サービスを選定する注意点を把握しておかないと、コストや労力が無駄になり、ECビジネスを成功に導くことはできません。ここでは、事前に知っておきたいECベンダー・サービス選定時のNG行為を紹介します。
とりあえず無料のカートサービスを選ぶ
ECビジネスを早速展開したい場合であっても、とりあえずの感覚で無料・低価格のサービスを利用する行為は避けましょう。無料・低価格のサービスは、初期費用を抑えられたとしても、システムを変更したり、アップデートしたりする際に多額のコストがかかります。
また、サポートがプランに含まれておらず、自社でカスタマイズなどの複雑な手続きを進めなくてはいけないケースもあります。
ECベンダー・サービスを選定する際は、長期的な視点をもつことが大切です。ロングスパンで考えたときに最もコストを抑えられる方法を選択しましょう。
既存のサービスをそのまま利用する
現在は、多くのECサービスが展開されており、労力をかけなくてもECサイトを公開できる環境が整っています。しかし、会社の事業としてECを展開する場合、ベンダー・機能任せにすると失敗してしまう可能性があります。
ECビジネスで売上アップを目指すには、商品の特性をしっかりと理解して、ユーザーのアクションにつなげられる最適なサイトを目指すことが重要です。
そのためには、既存のサービスをそのまま利用するのではなく、ユーザーの行動にあわせて適宜改善していく必要があります。また、最適な方法でサイトを構築するために、専門的な知識やノウハウが豊富なベンダーを選ぶとよいでしょう。
意思決定に時間をかける
ECサイトを構築・運営していくには、多くの意思決定が強いられます。周囲に毎回意見を求めるなど、一つひとつの意思決定に時間をかけてしまうと、スピード感を持ってサービスを展開できません。
プロジェクトメンバーがしっかりと裁量権を持ち、責任を持って意思決定を行っていくことが重要です。
迅速な意思決定を実現するためには、あらかじめ全体のスケジュールを設定し、フェーズごとにタスクをこなしていくことをおすすめします。ベンダーの中には、スケジュールやタスクを可視化してくれるところもあるので、どのようなサポートを利用できるか確認するようにしましょう。
過度なカスタマイズ
先ほど既存のサービスをそのまま利用するのはおすすめできないと説明しましたが、一方でカスタマイズを過度に行う行為も避けるべきです。
運用効率を上げるためにカスタマイズしすぎてしまうと、メンテナンスにコストがかかる可能性があります。ECサイトは開発にコストがかかるだけでなく、維持費がかかるのです。
もちろん、売上を最大化するECサイトを目指すには、カスタマイズすることは大切ですが、他の方法で対応できることもあるので、アイデアが豊富なベンダーを選ぶとよいでしょう。
こだわりが多くスケジュールに遅れる
ECサイトの構築段階でこだわりすぎてしまうと、スケジュールに遅れる可能性があります。期日までに公開できないと、スケジュールを改めて組む必要があったり、予算がプラスで必要になったりするので、注意が必要です。
ECサイトを制作する際は、Q(品質)、C(コスト)、D(納期)のバランスを意識するようにしましょう。品質を追求したい場合、作業量が増えるのでコストが増加し、納期も伸びることを認識しておくことが大切です。
ただし、ECベンダー・サービスを選ぶとき、スケジュールを理由に課題を見過ごすのではなく、しっかりと進め方を再確認し、サポートしてくれるところを選びましょう。
サイト公開後の投資を行わない
ECサイトをオープンした後も、利益につなげるためにはサイトの修正やコンテンツ制作などを継続して実行する必要があります。サイト公開後にかかるコストも踏まえて、しっかりと体制を整えることが大切です。
例えば、効果的に集客を行っていくには、SNSやコンテンツマーケティング、メルマガなどさまざまな施策を実施しなくてはいけません。
サイト公開後の投資を行わないと売上を拡大できないため、ECサイト公開後の投資も視野に入れて準備を進めましょう。
ECベンダー・サービスを選ぶポイント
ここでは、ECベンダー・サービスを選ぶポイントを紹介します。
課題を明確化する
まず、ECサービスを展開する上で課題を明確にすることが重要です。自社のニーズを解決できる機能やサポートを備えたECベンダー・サービスを選ぶ必要があります。
例えば、オンラインマーケティングに関する知識やノウハウが不足している企業であれば、ECサイト構築後のアフターフォローまでサポートしてくれるサービスを選ぶとよいでしょう。
自社の課題を洗い出して、その課題を補えるECベンダー・サービスを選ぶことをおすすめします。
サポート内容を調査する
ECベンダー・サービスを本格的に利用する前に、サポート内容をしっかり調査しましょう。ECベンダー・サービスによって、サポート内容や特徴、コストが大きく異なります。
自社にとって最適なECベンダー・サービスを選定するために、サポート内容を比較検討することが大切です。
例えば、ECサイト制作に特化しているサービスや、サイト公開後のフォローまで総合的に行っているサービスもあります。もちろん、依頼する範囲によってコストは異なるので、予算と照らし合わせながら選定しましょう。
アフターフォローの有無を確認する
ECベンダー・サービスを選定する際は、アフターフォローの有無を確認することをおすすめします。アフターフォローとは、サイト公開後にエラーが起きた際に修正したり、サイトの成果を高めるための施策を実施したりするサポートのことです。
ECに関する知識やノウハウが不足している企業の場合、アフターフォローがないサービスを利用してしまうと、売上につながる施策を効果的に実施できません。
自社である程度体制を整えているのであれば、アフターフォローがなくても運営を進められますが、体制が整っていない企業はアフターフォローを利用するとよいでしょう。
自社にあったECベンダー・サービスを選ぼう
今回の記事では、ECサービス選定時のNG行為や、ECベンダー・サービスを選ぶポイントを解説しました。
近年、急成長を遂げているEC市場ですが、ECビジネスを展開する企業も増加しており、競争率も高まっています。
自社にあったECベンダー・サービスを選ばずにビジネスをスタートしてしまうと、失敗してしまう可能性があるので注意が必要です。
サービスを選ぶ際は、課題を明確にした状態で、自社の課題を解決するサポートを選定する必要があります。アフターフォローの有無やコスト、強みなどを比較検討して、自社にあったECベンダー・サービスを選びましょう。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
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- フォーム
- フォームとは、もともと「形」「書式」「伝票」などの意味を持つ英単語です。インターネットの分野では、パソコンの操作画面におけるユーザーからの入力を受け付ける部分を指します。企業のホームページでは、入力フォームが設置されていることが多いようです。
- オンライン
- オンラインとは、通信回線などを使ってネットワークやコンピューターに接続されている状態のことをいいます。対義語は「オフライン」(offline)です。 現在では、オンラインゲームやオンラインショップなどで、インターネットなどのネットワークに接続され、遠隔からサービスや情報などを利用できる状態のことを言う場合が多いです。
- コンテンツ
- コンテンツ(content)とは、日本語に直訳すると「中身」のことです。インターネットでは、ホームページ内の文章や画像、動画や音声などを指します。ホームページがメディアとして重要視されている現在、その内容やクオリティは非常に重要だと言えるでしょう。 なお、かつてはCD-ROMなどのディスクメディアに記録する内容をコンテンツと呼んでいました。
- コンテンツ
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- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- メルマガ
- メルマガとは、電子メールにて発信者が、情報を配信する手法の一つで、『メールマガジン』の略です。 一部有料のものもありますが、多くのメルマガは購読も配信も無料で行っています。
- オンライン
- オンラインとは、通信回線などを使ってネットワークやコンピューターに接続されている状態のことをいいます。対義語は「オフライン」(offline)です。 現在では、オンラインゲームやオンラインショップなどで、インターネットなどのネットワークに接続され、遠隔からサービスや情報などを利用できる状態のことを言う場合が多いです。
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- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
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