リスティング広告の改善方法には様々なやり方があります。CPACVRなど、成果を高めたい指標に応じた最適な施策を行うことが、改善への近道です。

この記事では、リスティング広告の運用で特に重要な指標や、各指標の改善方法について解説します。リスティング広告で売上や収益を高めたいマーケティング担当者の方はぜひ参考にしてください。

目次

  1. リスティング広告で改善するべき4つの重要指標
  2. リスティング広告の改善方法を指標別に解説
  3. リスティング広告の改善を進めるポイント
  4. リスティング広告を改善し売上や費用対効果を高めよう

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リスティング広告で改善するべき4つの重要指標

リスティング広告には運用状況を表す様々な指標がありますが、成果を改善するには特に以下の4つが重要です。

表示回数(インプレッション)

表示回数は、リスティング広告ユーザーに表示された回数を表します。表示回数がそもそも少ない場合、リスティング広告がクリックされず、コンバージョンを得ることができません。

広告のターゲティング設定が誤っていたり、入札単価が低すぎたりすると、表示回数に問題が生じます。適切な改善施策を行い、目標とする表示回数を確保することが重要です。

クリック率(CTR)

クリック率(CTR) = クリック数 ÷ 表示回数 × 100

クリック率は、リスティング広告が表示された回数に対するクリック数の割合を示します。クリック率が低いと、せっかく広告が表示されてもユーザーをリンクページに誘導できません。

リスティング広告のクリック率は、広告を出稿するキーワードや広告文の内容、掲載順位などによって変わります。適切な設定を行えば*1~3%*程度、条件によっては10%前後に改善することも可能です。

コンバージョン率(CVR)

コンバージョン率(CVR) = コンバージョン数 ÷ クリック数 × 100

コンバージョン率は、リスティング広告がクリックされた回数に対するコンバージョン数の割合を示します。ランディングページから商品購入や資料請求、問い合わせを獲得するには、コンバージョン率の改善が重要です。

リスティング広告のコンバージョン率は、コンバージョンの内容やランディングページの質などで変わります。資料請求など、無料のコンバージョンの場合は*3~5%程度に改善できる可能性があります。商品購入の場合は1~3%*程度がコンバージョン率の目安です。

コンバージョン単価(CPA)

コンバージョン単価(CPA) = かかった広告費 ÷ コンバージョン数

コンバージョン単価は、コンバージョン1件獲得あたりにかかった広告の平均値を表します。CPAの目安は、業界や扱う商品の単価などによって大幅に異なります。

目標CPAを低く設定しすぎると、広告の露出が少なくなり機会損失をしてしまうため注意が必要です。反対に、CPAが高すぎると収益性が損なわれるリスクがあります。販売する商品の価格やLTVに応じて、適切なCPAに調整することが大切です。

広告改善4つの重要指標.png

リスティング広告の改善方法を指標別に解説

リスティング広告の運用でやるべきことは、改善したい指標によって異なります。優先的に改善したい指標に応じて、適切な施策を行いましょう。

ここでは、特に重要な4つの指標について、改善方法を解説します。

表示回数(インプレッション)の改善方法

リスティング広告の表示回数が少ない原因は大きく分けて2つ考えられます。

  • 競合の広告主に負けてしまっている
  • そもそもキーワードの検索ボリュームが少ない

原因を特定し、表示回数を増やす方法は次の通りです。

● インプレッションシェアを確認する

インプレッションシェア.png

インプレッションシェアとは、広告が表示可能だった回数に対して、自社の広告が実際に表示された回数が占める割合を示す指標です。インプレッションシェアは、Google広告やYahoo!広告の管理画面から確認できます。

目安として、キーワードごとのインプレッションシェア80%を下回っている場合は、競合の広告主に負けてしまい表示回数が少なくなっている状態です。入札単価の調整などで、インプレッションシェアを高めることが表示回数の改善につながります。

反対に、80%以上であれば、すでにキーワードの検索ボリュームに対して十分に広告が表示されている状態です。目標としている表示回数に満たない場合は、そもそもの検索ボリュームが少ないため、入札するキーワードを拡張する必要があります。

まずはインプレッションシェアを確認した上で、状況に応じた対策を進めましょう。

● 入札単価を調整する

インプレッションシェアが低いことが原因で表示回数が伸び悩んでいる場合、入札単価を高めることが主な施策です。キーワードの入札単価を高めると、競合よりも高い順位広告が掲載され、表示回数が増える傾向があります。

ただし、広告の品質に問題がある場合は、単に入札単価を上げるだけでは表示回数が増えません。キーワードに対してより関連性の高い広告文を設定するなど、広告の品質を高める対策が必要です。

広告の品質を高めるための広告文の作り方は、後述の「クリック率(CTR)の改善方法」と同様のため、参考にしてください。

● キーワードやマッチタイプを変更する

インプレッションシェアが高いにもかかわらず表示回数が少ない場合は、より検索ボリュームの多いキーワードを選ぶ必要があります。

検索ボリュームが少なくなってしまう例

(例1)組み合わせキーワードが多すぎる
「母の日 ギフト 高級 おすすめ」
「営業支援 ツール クラウド」など

<改善方法>
組み合わせキーワードを減らす
「母の日 ギフト」
「営業支援」など

(例2)キーワードがニッチ過ぎる
「目黒区 フォー専門店」
「贈答品 高級マスクメロン」など

<改善方法>
より広い意味のキーワードに置き換える
「東京 ベトナム料理店」
「ギフト メロン」など

マッチタイプとは、ユーザーの検索クエリに対して、どの程度一致した時に広告を出すかを指定する機能です。マッチタイプには次のような種類があります。

部分一致
キーワードに関連する検索が行われた時

フレーズ一致
キーワードと同じ意味の語句を含んだ検索が行われた時

完全一致
キーワードと同じ意味の語句が検索された時

「完全一致」で入札していてキーワードの表示回数が少ない場合は、「フレーズ一致」や「部分一致」などに変更すると、表示回数の改善が可能です。

ただし、マッチタイプを変更して表示回数が増えても、クリックやコンバージョンにつながらないケースがあります。広告効果を確認しながら調整することが大切です。

クリック率(CTR)の改善方法

クリック率の改善施策には、入札するキーワードと広告文の関連性を高めたり、リスティング広告の機能を活用したりする方法があります。

● 広告文にキーワードを含める

入札キーワードを広告文に含めると、そのキーワードが太文字で強調表示されるため、クリック率の改善が可能です。広告文のタイトルや説明文に、自然な形でキーワードを含めましょう。

例えば、「営業支援 ツール」というキーワードに入札する場合、次のような広告文が考えられます。

■良い広告文の例
※キーワードが適度に含まれている

【営業支援ツールなら〇〇システム】
業務効率化に役立つ営業支援ツールクラウドだから初期費用を抑えて導入できる。
    
■悪い広告文の例
※キーワードが含まれていない

【〇〇システムで業務効率化】
新規顧客の獲得は〇〇システムにお任せ。リピート促進にも最適。

※キーワードを入れすぎてしつこい印象になっている

【営業支援ツールの決定版】
営業支援ツールをお探しの方必見。営業の効率化ならクラウド型営業支援ツールの〇〇システム。

無理のない範囲でキーワードを散りばめた広告文を作成することが大切です。

● 広告表示オプションを使う

広告表示オプションとは、広告文のタイトルと説明文に加えて、サイトリンクや電話番号などの追加情報を表示できる機能です。Google広告とYahoo!広告で、それぞれ以下のような広告表示オプションが使用できます。

Google広告広告表示オプション Yahoo!広告広告表示オプション
・サイトリンク
・コールアウト
・構造化スニペット
・画像
・電話番号
・住所
・リードフォーム
・アフィリエイト住所
・販売者評価広告
アプリリンク
・価格
・クイックリンク
・電話番号
テキスト補足
・カテゴリ補足

広告表示オプションを使うと、広告より目立ちやすくなり、クリック率が改善できる場合があります。広告表示オプションは、広告文作成画面から設定することが可能です。

● ターゲットに合った広告文を作る

広告文のクリック率を改善するには、ターゲットが抱えている課題や、探している情報を踏まえて広告文を作ることが重要です。単に商品やサービスの良さや特徴をアピールするだけでなく、ターゲットの興味を引くように広告文を工夫しましょう。

以下は、小学生向けの英語教室を探している保護者をターゲットとした広告文の例です。

■良い広告文の例
※ターゲットのニーズを踏まえている

【小学生から楽しく学べる英語教室】
英語を習ったことがなくてもOK!今のレベルに合わせて学べる子ども向け英語教室。
    
【自宅でも学べる子ども向け英語教室】
オンラインコースも選べるから通いやすい。小学生向けの英語教室はこちら。

■悪い広告文の例
※ターゲットのニーズに合っていない

【TOEIC150点以上アップの実績多数】
新英文読解力、単語力を効率的に強化。TOEIC以外の各種資格試験にも対応。

※ターゲットがそもそもずれている

【ビジネス英語が最短で身に付く】
ネイティブ講師のマンツーマンレッスンが受けられる〇〇英語教室

想定しているターゲット層に対して、適切な広告文になっているかという視点でチェックすると、クリック率を改善するヒントが得られます。

コンバージョン率(CVR)の改善方法

リスティング広告CVRが思うように上がらない場合、広告文とランディングページの内容や、コンバージョンポイントの見直しなどが必要です。

ここでは、CVRを改善する方法について解説します。

● 広告文とLPの内容を合わせる

広告で訴求している内容と、ランディングページの内容が合っていないと、コンバージョンを獲得できません。広告をクリックした時点でユーザーが期待していた内容がLPに書かれていなければ、すぐに離脱されてしまいます。

特に、LPの冒頭でユーザーが目にするキャッチコピーは、広告文の内容と合わせておくことが重要です。

■良い広告文の例
※広告文とLPの訴求内容が合っている

(広告)
【今話題の〇〇化粧品 無料サンプル進呈中】
英語を習ったことがなくてもOK!今のレベルに合わせて学べる子ども向け英語教室。
    
(LPのキャッチコピー)
・〇〇〇人が選んだ人気コスメ 〇〇化粧品
・ランキング1位獲得を記念して
・期間限定無料サンプルプレゼント実施中

■悪い広告文の例
※広告文とLPの訴求内容が合っていない

(広告)
【今話題の〇〇化粧品 無料サンプル進呈中】
英口コミサイトでランキング1位を獲得した〇〇化粧品/今だけ無料サンプルプレゼントキャンペーン中。
    
(LPのキャッチコピー)
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広告文からLPへのスムーズな流れが、CVRの改善につながります。

● コンバージョンポイントを見直す

コンバージョンポイントとは「資料請求」や「アプリダウンロード」、「商品購入」など、LPにアクセスしたユーザーにとって欲しい行動のことです。

一般的に、商品購入など有料のコンバージョンポイントは、無料の場合と比べて心理的なハードルが上がります。特に、リスティング広告をクリックしたユーザーはまだ企業や商品に対する信頼が低いため、興味があっても商品購入には至らないことも多いです。

商品購入を訴求しているLPでCVRが上がらない場合、資料請求や無料サンプルの申し込みなど無料のコンバージョンポイントを追加すると改善できる可能性があります。また、初回限定セットなど、通常の商品よりも安い価格帯のコンバージョンポイントを作ることも、CVRの改善に効果的です。

ユーザーが行動しやすいコンバージョンポイントを用意できないか考えてみましょう。

● ターゲット設定を絞り込む

広告文やLP、コンバージョンポイントなどを見直してもCVRが上がらない場合、ターゲット設定が誤っている可能性があります。

自社のターゲット属性と異なる年齢や性別、地域のユーザーが広告をクリックしてしまうと、コンバージョンにつながりません。広告のターゲットが適切に設定されているか確認した上で、必要に応じて絞り込みましょう。

コンバージョン単価(CPA)の改善方法

リスティング広告のCPAが高すぎる場合は、除外キーワード配信時間などの設定で改善できる可能性があります。CPAの改善につながる主な方法は次の通りです。

● 除外キーワードを活用する

除外キーワードとは、特定の語句を含んで検索をしているユーザーに、広告を表示しないようにする機能です。除外キーワードを設定すると、コンバージョンにつながらない無駄なクリックを防ぎ、CPAを改善できる可能性があります。

例えば、法人向けのコーヒーマシンレンタルの広告を出す場合、「コーヒー 焙煎方法」や「コーヒー 効能」などを検索したユーザーにクリックされてもコンバージョンにつながりません。「焙煎方法」や「効能」などを除外キーワードに設定しておくと、無駄な広告費を削減し、CPAを改善できます。

自社の広告どのような検索クエリでクリックされているか管理画面で確認し、必要に応じて除外キーワードを登録しましょう。

● 広告の配信時間を絞り込む

リスティング広告は、表示する時間帯を絞り込むことが可能です。コンバージョンが発生しやすい時間帯だけ広告を配信すると、CPAが改善できる場合があります。

特に、BtoB向けのリスティング広告は、平日の日中にコンバージョンが発生しやすいといった傾向が見られます。

広告の管理画面から時間帯ごとのコンバージョン状況を確認し、配信時間を絞り込んでみましょう。

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リスティング広告の改善を進めるポイント

リスティング広告を改善するには、適切な目標設定や仮説検証が大切です。ここでは、リスティング広告の改善を進める上で押さえておくべきポイントについて解説します。

目標値を適切に定める

リスティング広告の各指標は、際限なく改善できるというわけではありません。そのため、実現可能な目標値を適切に設定した上で改善に取り組む必要があります。

例えば、コンバージョン率は高くても10%程度にとどまるため、20%や30%を目指して改善することは困難です。また、一定の表示回数があるキーワードなら、クリック率は数%前後の範囲に収まります。

目標値を適切に定め、クリアできた段階で別のキーワードや指標の改善に移行することがポイントです。

仮説を立てABテストで検証する

広告文やランディングページなどを改善する際は、ABテストで検証すると施策を効率的に進められます。

ABテストとは、2つ以上のパターンを同時に試し、結果が良かった方を採用するという改善手法です。「価格と機能、どちらを打ち出した広告文のクリック率が高くなるか」「ランディングページキャッチコピーはどちらが良いか」など、仮説を立てた上でABテストを行うと、改善のノウハウが蓄積できます。

定期的にPDCAを回す

リスティング広告の運用状況は、自社が行った設定だけでなく、競合や市場の動向によっても変化します。そのため、定期的に成果をチェックした上で、PDCAを回すことがポイントです。

週次や月次など、一定のサイクルを決めて改善施策に取り組みましょう。

リスティング広告を改善し売上や費用対効果を高めよう

リスティング広告を改善する際は、CPAやCVRなどの重要指標をチェックした上で、適切な施策を行うことが重要です。広告の設定や入札単価広告文、ランディングページなどの最適化が、各指標の改善につながります。

今回紹介した内容を参考に、ぜひリスティング広告経由の売上費用対効果の改善に取り組んでください。

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