スマートフォンの爆発的な普及により、カメラはいつでも身近にあります。咄嗟に「撮りたい」という衝動に駆られたとしても、手のひらにあるスマートフォンを起動させて、その瞬間を撮影することが可能です。

きっと多くの方が偶然居合わせたスクープシーンや、大切な思い出の場面で、そのような気持ちになったことがあるのではないでしょうか。その撮影した写真・動画を通じて、フォロワーと世界観や価値観を視覚的に共有するSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の一つが「インスタグラム」です。

参考:
インスタグラム【instagram】|ferretマーケティング用語辞典
  
現在、インスタグラムは全世界で5億人を越えるMAU(月間アクティブユーザー数)が存在し、オシャレに敏感な若年層を中心にユーザーを抱えています。そういった点で、インスタグラムは、ほかのSNSの文字による表現よりも直感的で使いやすく、ブランドや自社の価値観の演出が可能なSNSアプリです。

最近では有名人のインスタグラムがテレビでも頻繁に取り上げられ、企業としてもアカウントを運用することで自社へのロイヤリティを育成しやすいツールとして活用されてきています。

今回は企業のプロモーションとして使われはじめているインスタグラムを活用し、収益に結び付けた事例を紹介します。その中で、クリエイターやWeb担当者が身につけるべきインスタグラムの基礎知識や、プロカメラマンを使わなくても効果的で魅力的な写真が撮影できる方法について解説していきます。
  

インスタグラムの基本知識

c_tanaka04_019b.jpg

最初にインスタグラムにおける一番重要なことは「画像」です。
文章と違って写真や動画は表現したい内容を瞬時に伝えるものだからです。

訪問した時に映る画面(ファーストビュー)にインパクトや魅力がないと、即座に離脱してしまいます。1秒以下の一瞬で情報を伝えることが重要なのです。
いくら撮っている被写体が良いものでも、何の工夫もなく単純に撮影した画像では目に留まることもなく、次の写真に移動してしまいます。特にスマートフォンやタブレットからの閲覧では顕著です。

ほとんどの場合、ユーザーは気になる部分だけ見て、興味がないところはスキップしているはずです。
インスタグラムは、ほかのSNSと比較してもスクロール速度が速いので訪問者が興味を失った部分は一気に飛ばされてしまいます。この見飛ばしへの対策は、インスタグラムを有効に機能させる上で避けてはとおれない施策なのです。

では、どのような画像が「いいね!」を多く獲得するのでしょうか?

その手法を解説する前にどんな画像がダメなのかを押さえておきましょう。
  

【成功事例】 撮影法改善で「いいね!」数が500%UP

c_tanaka04_020b.jpg

そこで今回は、最近インスタグラム運営を始めた、アパレル業を営むD社の例を参考に説明していきます。

D社は新たなサービスブランドを立上げたばかりで、その認知度を早急にUPさせ、確立したいと考えており、そのためこれまでチャレンジしてこなかったSNSを活用してその課題解決を図ることにしました。インスタグラム運用が初めてだったD社は、まだ専任者を充てることができず、企画、撮影、投稿……など通常の事務業務と兼務で週3回の投稿を実施しています。

果たして、どのような課題を抱えて、どのように改善することで、いいね!数をアップさせたのでしょうか。

D社が抱えていた課題
1.	目的が明確ではなく、兼務の担当者の独断と偏見でカメラ撮影を行っていた
2.	カメラは自分のスマホを使っていて、撮影に関する知識・経験がほぼ皆無 
3.	専任者でないため「撮影」「投稿」以前に、ターゲットを明確にできていなかった。

  
そこで、D社のある担当者は簡単なルールを担当者間で設定することにして、その上で知り合いのプロカメラマンから教えてもらった撮影方法とその際の注意点をチームで徹底して撮影することに。

ここからは、その撮影方法と注意点について解説していきます。