マーケティングの目的は、様々なコミュニケーションをとおして潜在顧客や見込み顧客の態度変容を促し、「Webサイト訪問」「ほかの動画を視聴」「シェア」「問い合わせ」「購入」などの行動(アクション)を起こしてもらうことにあります。そのため、広告Webサイトなどをとおして自社の商品やサービスに関心を持った人に任意の行動を促す「CTA(Call to Action):コールトゥアクション」は非常に重要な存在です。

そしてもちろん、CTAは動画マーケティングにおいても有効です。
動画は情報伝達力や訴求力が高く、動画視聴直後の視聴者は非常に関心が高まった状態にあるため、次の行動を促す絶好のチャンスとなるからです。

YouTubeで動画を配信している企業は、CTAとして「アノテーション」を活用するケースも多かったことでしょう。しかし、YouTubeは2017年5月2日にアノテーション編集機能を廃止することを発表しました(既存のアノテーションについては表示を継続)。つまり、今後はアノテーションの代わりに「カード」や「終了画面」を効果的に使うことが必要となります。

そこで今回は、改めて「YouTubeカード」を取り上げ、その特徴や使い方、気を付けるポイントなどを解説していきます。

YouTubeカードの仕組みと使い方

YouTubeカードとは、YouTube動画の上に追加できるインタラクティブ機能のことで、2015年3月から提供されています。アノテーションはPCのみの対応でしたが、カードはPCにもモバイルアプリにも対応。再生中のYouTube動画の右上に表示される「i」マークのカードアイコンがYouTubeカードの入り口です。

1つのYouTube動画に追加できるカードは最大5枚で、動画再生中の任意のタイミングで任意のカードティーザー(短い紹介文)を表示させることもできます。このティーザーやカードアイコンをクリックまたはタップをすると、設定されたカードの一覧が表示されます。
  
YouTubeCardPC.png

YouTubeCardMobile.png
  
YouTubeカードの種類は全部で6つ用意されていますが、企業がマーケティング目的で活用できるのは主に以下の4種類です。

◎企業がマーケティング目的で利用できるYouTubeカード

・チャンネルカード:
任意のYouTubeチャンネルに誘導できる

・リンクカード:
“関連ウェブサイト”として登録したサイトに直接リンクできる

・アンケートカード:
動画視聴中にアンケートをとることができるカード。5つの選択肢まで設定可能。視聴者がアンケートに回答するにはYouTubeアカウントにログインする必要がある

・動画カードまたは再生リストカード:
任意の動画や再生リストにリンクできる

この中で多くの企業が使うのが「リンクカード」でしょう。

リンクカードを使うことで、自社サイトや、特定のサービスLPなどに視聴者を誘導することができます。基本的には、動画の主要なメッセージが終わり、まとめに入る段階でカードティーザーを表示し、サイトや他の動画を紹介するのが定石です。しかし例えば、1つの動画の中で複数の商品を紹介する場合、商品を紹介しているタイミングごとにカードティーザーを表示することで、関心を持った視聴者をスムーズに関連ページに誘導することも可能です。

また、YouTubeカードへの注目を高めるために、動画の登場人物やナレーターが「右上の " i " マークをクリックしてください」「◯◯に関する動画はこちらからご確認いただけます」などとセリフで案内するのも1つのアイデアです。ただし、これはYouTubeのみで配信する場合に有効な手段であり、ほかのプラットフォームやSNSでも配信する場合には不向きです。