無印良品も使っている!セルフ型ネットリサーチ「DIYリサーチ」のコスト削減効果の有無とメリット・デメリットを検証
DIYリサーチの特徴
DIYリサーチのメリットについて
DIYリサーチのメリットは、何といっても「安価」であることです。アンケート調査の内容により異なるものの、リサーチ会社に依頼した時と比較すると、1/3以下に抑えられます。
インターネットリサーチ大手「マクロミル」の料金で比較してみると、以下のとおりです。
例:10問×100サンプル
従来型 「Quick Mill(クイックミル)」 9万円~
DIY型 「Questant(クエスタント)」 1万円
業務委託とセルフという違いがあるとはいえ、実に9倍もの開きがあります。
従来型のインターネットリサーチは、費用の面から特に小規模事業者にとって気軽に利用できるものではありませんでしたが、DIYリサーチであれば、この額ならあまり悩まずに取り組めます。
もう1つの大きなメリットは「スピード」です。従来型のインターネットリサーチは、リサーチャーがヒアリングを行ってからサンプルを回収し、分析するまで、依頼者とリサーチ会社との間に様々なやりとりが発生する分、時間がかかります。DIYリサーチなら、それらのやりとりが社内で済ませられる分、時間を短縮できます。
従来型のインターネットリサーチでは最低でも1週間ほどかかるものも、DIYリサーチなら数日で回収と分析まで終えることも可能です。また、自前で操作するため、柔軟性に富んでいることもメリットに挙げられます。
例えば、「設問の文言のうち××の部分を変えたい」「選択肢をも1つ加えたい」という変更・修正で言えば下記のとおりです。
従来型であればネットリサーチ会社の担当リサーチャーに依頼して、リサーチャーは社内の担当者に指示し、チェッカーが確認してから依頼主に報告……というプロセスを辿ります。ただし、DIYリサーチであれば社内のパソコンで専用システム画面にアクセスし、修正して画面上で確認すれば変更完了です。
DIYリサーチのデメリット
一方で、デメリットもあります。まず、調査票の作成など、インターネットリサーチに関する専門知識は、自前で習得しなければならないことです。
アンケートの設問設定やデータ分析などは、システム任せにできる部分もあるものの、ある程度は知識がなければできないものです。回答に迷うような設問になっていないか、選択肢が漏れていないか、偏りのある内容でないか、など、自前で設問を作成するのであればこれらの点も自前でチェックできなければなりません。
また、設問内容によっては個人情報や「センシティブ情報」と呼ばれる情報などに触れる恐れもあります。これらは後々のトラブルにつながることにもなりかねないので、十分に注意しなければならないのですが、これもリサーチに関する知識がないと事前にわかりません。知識という観点から見ると、専用システムの操作方法についても知る必要が出てきます。
最近では様々な会社からDIYリサーチ用のWebシステムが提供されていますが、操作方法はそれぞれ違います。少なくとも初回は、操作方法を覚えるために時間をかけなければなりません。自前なので、文言や設定などにミスがあっても自分で気付かない限りはそのまま配信されてしまいます。また、DIYリサーチでは、標準仕様では従来型のネットリサーチと比べるとサービス範囲が限られていることが多く、特定の層にまで絞り込みをかけたアンケートなど、少し踏み込んだリサーチはDIYリサーチではできないこともあります。その場合は従来型のネットリサーチを選択するか、オプションサービスとして用意されていれば追加料金を支払うことになります。
インターネットリサーチ関連の知識を得るためには時間がかかります。専用システムでできる範囲までアンケート内容を絞るため、操作方法を覚えるため、入力した内容をチェックするため……と、多くの時間が必要となります。実際には従来型のインターネットリサーチを選んだ時と、かかる時間は変わらず、コスト削減という面から見ても効率が悪いので、DIYリサーチの特徴である「短時間」「低コスト」が全く活かされなくなります。
DIYリサーチは、ある程度は事前にインターネットリサーチの知識が備わっている企業・組織が選択することによって、デメリットを減らして「低コスト・短時間」のメリットを活かせる手法です。
- インターネット
- インターネットとは、通信プロトコル(規約、手順)TCP/IPを用いて、全世界のネットワークを相互につなぎ、世界中の無数のコンピュータが接続した巨大なコンピュータネットワークです。インターネットの起源は、米国防総省が始めた分散型コンピュータネットワークの研究プロジェクトARPAnetです。現在、インターネット上で様々なサービスが利用できます。
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