近年、街中でも見かけることが多くなった*「イースター」*というイベント、実際どのような内容かご存知でしょうか?

イースターとは、北欧で行われていた春祭りがキリスト教伝播とともに復活祭として定着したイベントで、3月22日から4月の25日までの間の1日、年ごとによって日程は変わります。
特にイースターエッグという卵を用いて行う飾り付けや「エッグハント」は扱う商材によっては企業にとってもキャンペーンとして取り上げやすいモチーフでしょう。

今回はイースターの意味と企業のキャンペーン事例について紹介します。
今後定着する可能性もあるので。「季節に合わせたイベントを新たに企画したい」という企業はチェックしておいて損はないでしょう。

イースターとは

イースターとは、北欧の春祭りを起源としたキリスト教の復活祭のことで、*「春分の日」のあと最初の満月の次の主日(日曜日)*に行われます。
月の満ち欠けの影響があるため毎年日付は変わり、2017年は4月16日がイースターです。

12月25日に行われていたローマ帝国の冬至の祭りにキリストの誕生日という意味合いを加えられて伝わってきた「クリスマス」のように、キリスト教では伝播の段階で地域の信仰を元にした祭りにキリスト教的な意味合いを加えられて現代に伝わっているものがあります。

イースターも同様にキリスト教が伝播した際、北欧神話の「春の女神エオストレ」に関連した春祭りに「キリストの復活を祝う」という意味が与えられ、現代まで伝わりました。

キリストが十字架にかけられて亡くなったことは多くの人が知っていることでしょう。しかし、キリストは亡くなった三日後に再度復活して、親しい人の前に姿を表します。
この「復活」は異教徒として罰せられ殺されたキリストが神の子だったということの証明としてのほか宗教的に大きな意味を持っています。

そのため、イースターも西欧諸国ほかキリスト教圏の国々では定着したイベントとして祝われてきました。
特徴的なのが「再生」の象徴である*卵(イースターエッグ)を用いた飾り付けや、「エッグハント」*という卵探しのイベントです。

このエッグハントは*ウサギ(イースターバニー)*に盗まれてしまった卵を子供たちが探すという催しであり、ドイツや西欧諸国を中心とした一般家庭で行われています。

日本国内でもイースターにまつわるイベントやキャンペーンで、卵やウサギをモチーフとされているのはこの起源があるからでしょう。

※祭りの起源や意味合い、モチーフの意味には諸説あります

参考:
イースターのうさぎ|ドイツ大使館*(2020年8月19日時点でページが存在しないためリンクを削除しました)*

13.キリスト教の祭りと行事 - 2. 復活祭 | 小澤 克彦 岐阜大学・名誉教授

現在の日本国内における定着度

2016年に文化庁が実施した「宗教統計調査」によると、日本国内におけるキリスト教の信者数は93万人弱であり、日本国民の1%にも満たない状況です。
しかし、クックパッド株式会社が2016年に行った調査によると*「イースター」の認知度は8割を超えている*と結果が出ました。

その背景にはディズニーランドやユニバーサルスタジオジャパンのような大型のアトラクション施設がイースターを取り入れたイベントを開催していることが挙げられるでしょう。

もともとは宗教的な意味合いを持ったイベントではありますが、キリスト教徒の割合の少ない日本国内であってもクリスマスやハロウィンのように定着する可能性があります。
BtoCの企業にとっては今後知っておくべきイベントの1つとなるかもしれません。

参考:
宗教統計調査|文化庁
イースターの認知度が86%に拡大、イースター料理も家庭に浸透中|クックパッド株式会社
[21416] イースターの過ごし方(第2回)|マイボイスコム株式会社

企業のキャンペーン事例

では、実際に現在どういったイースターのキャンペーンが行われているのでしょうか。
3つの事例を見てみましょう。

1.森のたまご ハッピーイースターキャンペーン

ハッピーイースターキャンペーン|森のたまご|イセ食品株式会社.png
http://www.ise-egg.co.jp/moritama/campaign/easter.html

卵の生産事業者であるイセ株式会社では、イースターに合わせて商品購入者に対するプレゼントキャンペーンを実施しています。

また、タカラトミーの販売している「うまれて!WOOMO」という鳥型のおもちゃとコラボしたTwitterでのハッシュタグキャンペーンも合わせて行っています。
卵に自由に落書きして撮影し、画像に「#もりたまウーモ」をつけて投稿するというキャンペーンであり、子供も楽しめるキャンペーンでしょう。

参考:
うまれて!ウーモ×森のたまごコラボキャンペーン

2.LOTTEコアラのマーチ エンジョイイースター

エンジョイイースター|チョコモーションTV|お口の恋人_ロッテ.png
http://lotte-chocotv.jp/enjoyeaster/

LOTTEではイースターに合わせ、「コアラのマーチ」を中心した4商品について期間限定パッケージを発売しています。

公式サイトでは、エッグハントをモチーフとした、家の中に隠したお菓子を探す遊び「お宝おかしさがし」を提案しており、ヒントカードなどのツールを提供しています。

全国の50箇所の幼稚園・保育園に対して「お宝おかし探し」キットを無料で提供し、お宝おかし探しのほかスペシャルソングを用いたダンスも実施しました。
このように子供が楽しんで行える「エッグハント」は、ファミリー向けの商品を展開している企業にとって取り入れやすいモチーフでしょう。

参考:
お口の恋人 ロッテ|コアラのマーチ公式サイト*(2020年8月19日時点でページが存在しないためリンクを削除しました)*

今年の「イースター」は家族やお友達と遊べる「お宝おかしさがし」を楽しもう!『エンジョイ・イースター』キャンペーンを4月1日(火)よりスタート!

3.とりきち横丁【ドイツ発送品5千円以上で無料】イースターキャンペーンセット

とりきち横丁.png
http://torikichi.cart.fc2.com/ca84/1503/p-r-s/?utm_content=bufferbda96&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer

鳥用のペットフードや鳥をモチーフにした雑貨などを専門として取り扱う「とりきち横丁」でも、イースターに合わせたキャンペーンを実施しています。

キャンペーンでは、ドイツ発送の商品5,000以上購入のユーザーに対して無料でエッグ型のチョコレートなどをプレゼントしています。

ドイツは国民の60%近くがキリスト教徒であり、イースターも広く定着しています。
イースターが定着している国にまつわる商材を扱っている企業は、文化の紹介とともイースターに合わせたキャンペーンを行うのもいいでしょう。

参考:
ドイツ基礎データ|外務省

まとめ

イースターとはキリスト教の復活祭であり、キリスト教においてはクリスマスに並ぶ大きなイベントです。
もともとは北欧の春祭りが起源であり、卵をモチーフとした飾り付けや「エッグハント」という卵探しの催しなどが行われるのが特徴です。

2016年には認知度は8割を超え、日本国内にも定着しつつあるイベントと言えるでしょう。
現在では、卵にまつわる商材を扱っている企業のほか、子供向けのお菓子やおもちゃのメーカーが「イースター」をキャンペーンとして取り上げています。
まだクリスマスやハロウィンほどは定着していませんが、3月から4月にかけてのイベントの1つとして取り組んでみるのもいいでしょう。