インターネット関連の技術の進化によって、2017年に入ってWebデザイナーにも新たな変化が訪れようとしています。
これまでにもグラフィックからWeb、デスクトップからモバイル、UIからUXなど、次々にデザイナーが身につけなければならないスキルの種類や量が増えています。

それに加えて、最近ではデザイン思考やプロセスデザインなど、ビジネスのフィールドにおいてもデザイナーの役割が大きく注目されており、デザインを中心に据えた考え方から生み出されるプロダクトも増えてきています。

今回は、2017年にWebデザイナーが認識しておくべき5つの変化をご紹介します。

2017年にWebデザイナーが認識しておくべき5つの変化

1. デザイナーとエンジニアの境界線が消えていく

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10年前の静止画的なホームページとは違って、Webサイトを開けば、様々なマイクロアニメーション、インタラクティブなボタンやメニューなど、デザインとコーディングが密接に関わる部分が増えてきました

デザイン業界で10年以上働いてきた人々にとって、業界内で繰り返される*「デザイナーにコーディングは必要か?」* という話題は、最もストレスの溜まる会話かもしれません。
デザイナーとエンジニアは従来、2つの異なる職業とされていました。
しかし、実際にデザイナーとエンジニアの両方の素質を兼ねそろえた人材は、今後ますます重要な人材となるでしょう。

少し前であれば、*「デザイナーだからコーディングはできません」*は通用したかもしれませんが、今の時代であれば最低限のコーディング知識と、可能であれば簡単なコードを書ける必要があります。
というのも、かなりの確率でエンジニアと仕事をともにすることになるので、エンジニアの仕事内容を理解するということと、共通言語を持って話を進める必要があるからです。

実際に、インタラクション要素の増えている最近のモバイルページなどをデザインする場合、静止画だけで表現するのはかなり難しくなっています。
クライアントに対して「この部分がシュッと動く」と言っても全く伝わりません。
デザイナーが考える最適な動きを自分自身で実装できなければ仕事にならない時代になってきています。

2. 数字に責任を負い始める

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また、デザイナーがマーケティングチームと仕事を行うことも増えてきました。

以前は1pxにまでこだわりぬく職人気質のデザイナーもいましたが、これからは1%のコンバージョンにこだわるビジネスマインドを持ったデザイナーが求められています。
単純に「かっこいい」「クールな」デザインを自己表現する時代は終わり、ビジネスフィールドでは「売上の上がる」「成果の出る」デザインを求める傾向にあります。

その意味では、デザイナーであっても数字に責任を負うことが求められます。
「私はデザイナーだから…」といったセリフは、これらかは通用しなくなります。

一方、デザインがビジネスに与える影響が大きくなるにつれて、エグゼクティブチームにデザイナーを参画させている企業も増えています。
変化のスピードがますます加速していく中で、理論やデータだけでは説明のつかないことが増えているからです。
そのように考えると、現在はデザイナーとして働いているひとでも、これからのキャリアの中で企業の役員や社長を目指すのも、想定できる可能性なのではないでしょうか。

3. 個々のデザインよりも全体のブランドイメージを構築できるデザイナーが残る

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ビジネス上で結果を出すために、*「自社のプロダクトが何によって覚えてもらいたいか?」*という問いに答えることは重要な意味があります。
ユーザーは個々のボタンがどんな形であるか、フォントがどうかという部分よりも、プロダクトを全体としてのイメージで判断するので、個々のデザインよりもブランドイメージを生み出すことができるデザイナーに価値を置いています。

分かりやすく言えば、これから求められるのは「木を見て森も見る」デザイナーです。
WebサイトWebサイトとしてデザインするというのではなく、企業のコーポレートイメージと一貫したホームページデザインが求められています。

4. データドリブンなデザインへ

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デザイナーが感覚やデザイン理論だけをベースに仕事を行う時代は終焉を迎えようとしています。
何が本当に正しいデザインなのかは、感覚や意見ではなくデータから読み取る必要がでてきます。
データこそが客観的な答えであり、データからさまざまな回答が得られるからです。

ビジネスの目的に沿ったデザインを行うためには、データありきで仕事をすることが求められます。
特にユーザビリティやユーザーエクスペリエンスなど、目の前のユーザーありきのデザインの結果は、データにこそ答えがあります。

得られた数字をもとに、柔軟にデザインを変更し、改善を進めていくフットワークの軽さも重要になります。
これからは、デザイナーとデータサイエンティストという一見関係が薄そうな2つの職業が密接に関係してくるでしょう。

5. 新しい技術との融合

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これまで、Webデザイナーの役割はスクリーン上で平面のホームページデザインを行うことでしたが、Web上でも3DやAR/VR、ジェスチャーやボイスコマンドなど、さまざまな技術を活用してユーザーとの会話が行われはじめています

その中で、デザイナーは全く新しいジャンルに取り組む必要性が高まっています。
Webブラウザから立ち上げたスマートフォンカメラを使って表示する3Dオブジェクトの表示、人工知能を活用して動き回るAR環境でのキャラクターデザインなど、これまで存在していなかった種類のスキルが必要とされます。

スマートフォンが誕生した当初、デスクトップサイトとスマートフォンサイトのレスポンシブ対応に迫られたWebデザイナーは、今度は既存のデバイスとは別に別次元の操作性とユーザー体験の設計が求められます。
デザイナーという仕事は、テクノロジーと世の中の流れに合わせて、常に新たな技術を磨きつづけなければなりません。
デザイナーには常に学び続ける姿勢と、大きな変化に柔軟に対応できるマインドセットが必要です。