ダイバーシティ&インクルージョンが企業にもたらすメリット

では、企業にとってダイバーシティ&インクルージョンが促進されることには、どういったメリットがあるのでしょうか。
主なメリットとしては「多様な需要の対応力向上」「企業ガバナンスの強化」「資金調達における信用性の向上」「人材の確保」といった4つが挙げられるでしょう。

1.多様な需要の対応力向上

特にBtoC企業にとって、企業のサービスを利用する人は様々でしょう。
それに対して、サービスを提供する企業の人材に多様性がなければ、消費者の抱えているニーズに気づけない可能性があります。

そのためマーケティングにとっても、ダイバーシティ&インクルージョンの視点は必要です。
例えば、清水建設株式会社では視覚障害者でも使いやすい住宅になるよう、音声による屋内外歩行者ナビゲーション・システムを日本IBM株式会社と共同で開発しています。
これには自らも視覚障害のある日本IBM株式会社の特別研究員も主要メンバー加わり、利用者目線での開発を行いました。

このように多様な価値観・属性の人材がいることで、顧客のニーズにより沿った商品開発や対応が可能です。
それだけでなく様々な価値観の社員が協力し合うことで、互いに刺激しあい、イノベーションを生むような画期的なアイディアが思いつくこともあるでしょう。

参考:
[「イノベーション」って結局なに?イノベーションの定義と事例・関連用語を解説]
(https://ferret-plus.com/6309)
[新・ダイバーシティ経営企業100選|経済産業省]
(http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/kigyo100sen/practice/pdf/h28practice.pdf)

2.企業ガバナンスの強化

企業経営の上でも、ダイバーシティ&インクルージョンは効果を発揮します。

2008年に英国リーズ大学 Credit Management Research Centreが17,000社を対象に行った調査によると、取締役会に女性が一人以上いる企業は、そうでない企業に比べ破綻リスクが20%低くなっているという結果が出ています。

これは取締役会の中でも異なる視点を持った役員が加わることで、より多角的に経営状況を見直すことができるからでしょう。

参考:
WLBやD&Iは「企業の破綻確率を下げる」

3.資金調達における信用性の向上

ダイバーシティ&インクルージョンを促進している企業は人権を尊重した、社会的価値の高い企業とも言えます。

こういった社会的な価値を高い企業を評価する投資基準を「ESG(環境:Environment、社会:Social、ガバナンス:Governance)」といい、海外だけでなく日本国内の取引市場でも注目されつつあります。

そのため株式を公開している企業にとって、資金調達の際にダイバーシティ&インクルージョンへの取り組みが評価される可能性があるでしょう。

参考:
[IR担当者必見!今、世界中の投資家が注目している「ESG」とは?]
(https://ferret-plus.com/6510)

4.人材の確保

多様な人材が働きやすい環境づくりを行うことで、今までよりも多くの採用母体を得ることができるでしょう。

例えば、JPモルガン証券では同性同士のパートナーであっても異性のパートナーと同様の福利厚生を用意することで、ゲイやトランスジェンダーのような性的マイノリティでも働きやすい会社づくりを目指しています。

優秀な人材が性的マイノリティであることを理由に働きづらさを感じて能力が発揮できないことの危機感からくるものです。

このようにダイバーシティ&インクルージョンには、より多くの人に働きやすい環境を提供し、優秀な人材の流出を防ぐ効果もあるでしょう。

参考:
[ダイバーシティが生むイノベーション~企業のLGBTへの取り組み最新事例から学ぶ]
(http://bizgate.nikkei.co.jp/article/100605015.html)
ダイバーシティ推進の経営効果と女性活躍推進の取組 経済産業省 経済産業政策局 経済社会政策室