ソーシャルリスニングの活用が盛んになってきた昨今、実際に導入したという企業は多いのではないでしょうか?しかし、ツールを導入したからには、使い倒していかないと宝の持ち腐れというもの。せっかく導入したのだから、ツールを見れる担当者だけが納得するのではなく、レポートという形で周知を求められることも多いでしょう。
今回は、ソーシャルリスニングのレポート作りに関して解説します。

レポート作成にはツボ押さえた項目立てが必要

ソーシャルリスニングツールを導入しても、上層部がエンタープライズ版などを契約して各部署にアカウントを発行全社をあげてソーシャルメディアを運営をしていこう!と喚起→末端の部署まで使い方を伝達できず活用できない*・・・という場合が多くあるようです。

ライセンスの販売をしているベンダーや代理店から活用支援サポートを受けられることもありますが、特に企業の規模が大きくなると各部署の担当者までしっかりと普及できない場合も多いようです。
各部署がそれぞれ思い思いの方法でレポートを出したとしても、煩雑としてわかりにくいものになってしまうでしょう。
ソーシャルリスニングを活用したレポート作成というのは、ある程度ツボを抑えた項目立てが必要になってきます。

サマリーページ

ソーシャルリスニングに限らず、レポート作成において1番需要な項目はやはりサマリーページでしょう。忙しい管理職の方などは、時間的にサマリーページを見るだけで精一杯ということも多いでしょう。

ソーシャルリスニングのサマリーページには、自社に関して特にソーシャルメディア上で話題になっていた事柄をわかりやすく示しましょう。自社広報から出されたプレスリリースと照らし合わせピックアップしておけば、経営層や広報が気にしている内容も網羅できるでしょう。

また、サマリーにはその月全体のブランドメンション量を記載しておきましょう。ブランドメンション量というのは、自社に関する投稿の総量を意味します。そのレポートが網羅した全ての投稿の総量を記載し、その数値の前月比を出しておくと、ソーシャルメディアでの当月のパフォーマンスが簡単に理解できます。

時系列チャート

月間でのソーシャルメディアの状況を理解するには、時系列でのメンション量推移を表示すると、とてもわかりやすくなります。

時系列グラフ.png
こちらの図が時系列グラフのサンプルです。(データはダミーのものを使用しています。)

このように時系列グラフで推移を可視化すると、話題のピークが一目で認識できます。このピークの日にどんな投稿が集まっているかを見ていくことで、月内で話題になっていたことを紐解いていきます。

自社からのプレスリリースやソーシャルメディアキャンペーンが要因となる場合も当然ありますが、「あれ、ここなんだろう?」と思うようなピークができている場合は、新しい発見があるかもしれません。
思いがけないインフルエンサーによるシェアなど、自分たちのコントロールの及ばない(予測できない)話題も、わかりやすく示すことが可能です。この時系列グラフとピーク要因分析のページは、全体のサマリーになる一枚だけでなく、製品ごと、ブランドごとなどに分けて複数枚用意するといいでしょう。

また、これらのピーク分析から、シェアされる起点になった記事コンテンツやニュースページ、ツイートなどの把握が可能です。シェアされたページや投稿の一覧表を作ることで、情報拡散に寄与したとされるコンテンツの振り返りができます。これらをより深く分析することで、シェアされやすい記事、投稿などの傾向を把握し、広報アプローチの方法を検討する上で役に立つデータとなり得ます。

競合分析

自社の時系列チャートを作りコンテンツ一覧などを載せたら、今度は競合分析を盛り込むといいでしょう。こちらも時系列チャートを使うとわかりやすくなります。
時系列グラフ_2.png

自社のグラフと比較したい競合のグラフを数社分並べてみましょう。自社の分析と同じようにピークとなる要因を深く見ていくことで、競合他社がどのような活動をし、どのくらい反響があったのかを確認できます。

競合数社と時系列チャートを並べることで、業界内での自社の立ち位置や顧客からの注目度を推し量る指標を得ることができます。
また、自社だけでなく他社の施策の反響を分析ことで、業界全体でどのようなサービス、製品、キャンペーンが顧客に響くのかを推測することが可能です。
単純な市場調査とは違い、どのような情報の出し方がソーシャルメディア上で影響力があるかなども推測できます。

自社だけでは中々トライアンドエラーを実行できないことでも、他社の活動をしっかりとキャッチしておくことで、さまざまなマーケティング施作の判断材料を得ることができるのです。