突然ですが、皆さんはインフルエンサーという言葉をご存知でしょうか。

インフルエンサーとは、単純な英訳でいうと「影響・効果・勢力」の意味で、Webの世界では"社会に対して大きな影響力を持つ人物"のことを指し、このことからもわかるようにインフルエンサーを企業プロモーションに活用することは増加傾向にあります。

インフルエンサーのスタートはブログブームが起こり始めた2000年初頭で、Twitter、Facebook、Youtubeと発信するメディアの多様化によって、より母数が増えています。また、最近ではインスタグラムの普及により、多くの方がインフルエンサーとなる機会も増え、本当の意味でのインフルエンサーが見えにくくなっているのが実情です。

そこで今回は、インフルエンサーの在り方や役割、そして企業事例をもとに戦略的に活用するイメージをご紹介します。企業でSNS運用を担当されている方、これからSNS活用を検討されている方に、ぜひオススメです。
  
参考:
インフルエンサー【Influencer】|ferretマーケティング用語辞典
  

インフルエンサーとは?

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そもそもインフルエンサーの定義とは、一体何でしょうか。

冒頭でも触れましたが、インフルエンサーとはインターネットを用いて消費者の購買意思決定に大きな影響を与える人物のことを指します。
もっと言えば、ただ単に影響力のある方やフォロワーの多い少ないを見るのではなく、その投稿に触れたフォロワーに対して何らかの影響を与えることを言います。

ただこれをパーセンテージで評価すると、どうしてもフォロワー数の少ない人の方が反応率が上がってしまいがちです。そこで皆さんにオススメしたいのが、フォロワー数(リーチ)と反応数(影響)の掛け合わせで判断することです。単純にフォロワーが多いだけでは効果がなく、反応率が高いだけでも影響力はありません。

重要なのはリーチに対する反応数、特に反応数の多い人ほどフォロワーへの影響力になります。

下記にある株式会社サイバー・バズで調査した「インスタグラムの商品投稿に関する購買行動」結果でも、芸能人の投稿よりも一般人の投稿の方が購買意欲が高くなる結果がでています。

ちなみに、ここで着目していただきたいのは反応率ではなく、行動率です。

興味深いことに、芸能人の投稿は検索等の"調べる行動の率"が高く、一般の方の投稿は"そのまま購買につながっている率"が高いという結果がみえてきました。これは、より身近な方からのレコメンドのほうが購買意欲を駆り立てていることが結果から言え、購買意思決定という見方をするとフォロワー数以外にも重要なものがあることがわかります。
  
参考:
サイバーバズ・調査結果
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※画像をクリックすると拡大されます
  

インフルエンサーに求められる役割

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リーチとレコメンド

Twitter、Facebook、Youtubeと発信するメディアが多様化することで、企業としてインフルエンサーを活用する目的も変化しています。

大きくわけると、商品を知ってもらうリーチ、商品自体に興味を持ってもらうレコメンドの2つに分類されます。もちろん店頭での購買後押しのPOPや検討時の検索対策などもありますが、これらはメインで期待されるというよりも、どちらかというと副次的効果の領域になります。

リーチとレコメンドが求められるのは、「消費者が知らない商品を買わない」「商品を知っただけでは興味をもたない」という心理があるからです。

そのため重要なのが、消費者に「どのようにして商品の存在に気付いてもらい、如何に興味を持ってもらうか」であり、マーケティング広告という観点でも同様です。
  

重要なのは発信者と商品(サービス)のマッチング

例としてAという商品に関する投稿をもとに説明します。

自分がよく見る投稿者が商品Aに関する投稿をすることで、フォロワーにその存在を知ってもらう機会を作り出します。この場合はリーチを獲得して、最終的にあわよくばそのタイミングで興味を持ってもらうことが狙いとなります。

ここできちんと押さえなければならないのが、その発信してくれる方と商品(サービス)のマッチングという点です。あくまで任意発信なので、強制力を働かしてほかの方に違和感を与えたり、同じような商品ばかり紹介していると、フォロワー側に悪影響を与える結果となってしまいます。

理想は情報を共有した方が商品への理解を深め、好きになってもらうことで、そこまで興味を持ってもらえば効果的なアプローチが可能となります。
  

ちなみに、時折インフルエンサーの発信に"バズ"を期待される方がいますが、あくまでバズの起点となることはあっても、それだけではバズを起こすことはできません。バズらせるためには、コンテンツが必要となります。
  

企業としての活用イメージ

ここからは、企業がどのようにインフルエンサーを活用しているのか、をご紹介します。

イベント・サンプリングにおけるインフルエンサー活用例

インフルエンサーの最もシンプルな活用パターンは、イベントやサンプリングです。イベントは参加可能人数が限られていて、仮に数千万円かけたイベントでも集客は数百~数千になりがちです。

そこでインフルエンサーを戦略的に活用して情報を発信することで、ユーザーの疑似体験を促すことができ、その商品・サービスの存在を示し、興味・関心を促すことが可能です。

その際、効果的なのは情報を共有した方々にイベントを楽しんでいただき、商品を理解した上でインフルエンサーに独自解釈をしてもらって発信してもらうことにほかなりません。

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こちらは某食品メーカーがイベントで、ある食材の新しい食べ方を訴求した事例になります。

この際、イベントで初めて情報を伝えてインフルエンサーに試食していただき、家に帰って試してもらって自宅にて情報拡散、というシナリオを考えました。結果的に、ネット上でその投稿自体が話題となり、レシピサイトなどに情報が拡散されるという結果につながりました。

一般的な考え方では、企業が商品レシピをサイトや記事で紹介して、レシピメディアとタイアップをして拡げることが多いかと思います。ただ、実際はレシピの数は膨大で、見つけても作らなかったり、そもそも見つけることすら難しい時があります。

そんな時に料理系のインフルエンサーを起用すると、料理インフルエンサーのフォロワーはその人の料理(レシピ)に興味があり、またそこに実際に作って、食べた感想があることで、「知る」→「興味」という導線が確立され、トライアル意向が高まります。単純にそこにレシピが乗っているのではなく、自分の知っている人が作って試しているという事実があることでトライアルのハードルが大きく下がり、レシピ数が増加した事例です。

このようにフォローしている人がインフルエンサーの何に興味があり、フォロワーしているのか、を理解して設計することで、多くの広告を配信するよりも効果的な結果を導き出すこともあります。

ちなみに、上記で例に出した食品メーカーは、この施策を実施したことで企業発信で行ったレシピの 2倍のレビュー数を記録 しました。
  

まとめ

一見、流行り言葉のように使われ始めているインフルエンサーですが、そのフォロワーが何に興味を持ち、どんな投稿を期待しているかを考えることで想像していた以上の効果を出すことができます。

つまりは、どんな情報を発信してもらうとユーザーにとって有益なのかが重要です。

あくまでインフルエンサーといえども何でも発信するわけではありません。それぞれ特徴があり、その先のユーザーを考えた情報設計ができて初めて、企業にとって必要不可欠なプロモーション施策となります。