テレビCMで「続きはWebで」という案内を見たことはありませんか?
似た表記としては他にも「続きは明日の新聞広告で」といった広告を見た経験がある方もいるかもしれません。

このようなCMからWebへユーザーを誘導するような手法を「クロスメディア」といいます。
クロスメディアでは複数の媒体を駆使することで、ユーザーの購買意欲を高め、相乗効果がはかることを狙いとしています。

今回はクロスメディアの概要と事例を解説します。
複数のメディアを使うと聞くと「メディアミックス」という言葉が思い浮かぶ方もいるでしょう。
メディアミックスとクロスメディアの違いもおさえながら、クロスメディアがどういった効果を生む手法なのかを考えてみましょう。

クロスメディアとは

「クロスメディア」とは、インターネットや雑誌、テレビCMなど複数の媒体を経由させることで広告の効果を高める手法を指します。

代表的なものとしてテレビCMや雑誌から「詳しくはWebで」「◯◯で検索」といった用語で誘導する方法が挙げられます。
この方法では、不特定多数にアプローチを行えるテレビCMや交通広告などで消費者の興味関心を引き、大量の情報を掲載できるWebで詳しい商品の魅力や料金・購入方法を知ってもらいます。

参考:
[クロスメディアとは|株式会社コンシス]
(http://www.consis.jp/advertising/crossmedia.html)
[クロスメディアとは|Visionalist ]
(http://www.visionalist.com/glossaries/03_ka_005.html)

クロスメディアとメディアミックスとの違い

クロスメディアとよく似た言葉として「メディアミックス」という用語があります。

メディアミックスとは新聞や雑誌、テレビCMなどの複数のメディアを利用してターゲットの接点を増やす広告手法を指します。

「新聞を読んでいない若者にはネット広告で自社の商品を知ってもらう」といった、1つの媒体ではアプローチできない層を他の媒体で埋めるというのがメディアミックスの狙いです。
露出量を増やすことがメディアミックスの目的なので、各広告媒体は連携して運用されることはありません。

一方、クロスメディアは、メディア同士が相互に連携して相乗効果を生み出すことを目的としています。

広告媒体同士を連携させるかどうかが、クロスメディアとミックスメディアを分けるポイントとなります。

ただ、企業や人によってクロスメディアとメディアミックスを混同して利用している人もいます。
文脈に合わせて、どちらの意味で使っているのか見極めるようにしましょう。

参考:
[メディア・ミックスの推進|文部科学省]
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/019/04112601/004/003.htm)

クロスメディアを使った3つの事例

では、具体的にクロスメディアにはどのように使われているのでしょうか。
3つの例を見てみましょう。

1.東京ガス「東京ガスストーリー」

東京ガスでは2010年から2012年にかけて「東京ガスストーリー」というドラマ仕立てのテレビCMを放映しました。

CMは男女の恋模様が数々の暖房器具と共に描かれており、「続きはWebで」と締めくくられます。
WebではCMの続きとなる映像が配信され、より深く同社の商品の情報が提供されます。

このCMが特徴的なのはドラマ風である点だけでなく、時期を区切って続きとなる話がCMとWebそれぞれで展開されたことでしょう。
不特定多数の人に見てもらうことができるテレビCMと、詳しい商品情報を案内できるWebそれぞれの特徴を活用しています。

参考:
[妻夫木聡出演「ガス・パッ・チョ!」シリーズの最新テレビコマーシャルを10月15日(土)から放映開始|東京ガス]
(http://www.tokyo-gas.co.jp/Press/20110930-04.html)
妻夫木聡出演「ガス・パッ・チョ!」シリーズの最新テレビコマーシャルを1月15日(土)から放映開始|東京ガス
[ACC賞グランプリ決まる・2012年度はトヨタとホンダ“ふたつのグランプリ”|AdverTimes]
(https://www.advertimes.com/20120926/article87296/)

2.サントリー「角ハイボール」

サントリー角ハイボールでは2008年「ウイスキーはお好きでしょ」というキャッチコピーのテレビCMを放映しました。

同時にYahoo!プロモーションでリスティング広告を出稿し、CMを見てネットを検索してきた人を自社サイトへと誘導しています。
また、YouTubeではCMの主演も務める小雪さんが教える「おいしい角ハイボールのつくり方」を配信し、その再生回数は120万回にものぼりました。

このプロモーションの結果、商品の認知度が高まり、角ハイボールの取り扱い店舗は前年比4倍の6万店舗まで増加しています。

参考:
米国Hondaやサントリー角ハイボールに学ぶ,ソーシャルメディア活用の秘訣|オルタナティブブログ
小雪さんが「おいしい角ハイボールのつくり方」を伝授!大好評動画が第二弾『着物篇』で完成!!|PRTIMES

3.サマンサタバサ

こちらは女性向けのファッションブランドである「サマンサタバサ」とサマンサタバサの運営するネットショップ「サマンサキングス」が2014年に放映したCMです。
このCMでは、バックをキーアイテムとして4つのラブストーリーが展開され、ストーリーの続きはWebで配信されました。

また、CMのストーリーを小説化し電子書籍として配信したことも特徴的です。
それだけでなく、店舗では同社の製品と似合う恋愛小説を展開し、クリエイターの作成したブックカバーもプレゼントされました。

プロモーションの影響によりサマンサタバサでは前年比120%もの売り上げ増を実現しています。複数のメディアを活用しただけでなく、自社の商品と文学を組み合わせることで顧客を取り込んだのが成功のポイントでしょう。

参考:
【売り上げ前年比200%超】若い女性を取り込んだ「CM×文学」のブランディング戦略|幻冬舎メディアコンサルティング

まとめ

クロスメディアとは、インターネットや雑誌、テレビCMなど複数の媒体を経由させることで広告の効果を高める手法です。
このような手法を用いた広告はクロスメディア広告と呼ばれ、交通広告リスティング広告など複数の媒体で連携して行われています。
例えば、テレビCMの続きをWebで閲覧してもらい、その先のホームページへつながる「東京ガスストーリー」などはそのいい例でしょう。

クロスメディアを実施するには、広告媒体ごとに担当者を分けることなく、全体で顧客の動きをデザインすることが必要です。
社内の体制を整えるだけでなく、自社のターゲットを明確に設定することで最適な導線を作り出しましょう。

今回ご紹介した内容はテレビCMを利用したものでしたが、交通広告やネット広告といった比較的安価に出稿できる広告でもクロスメディアの手法を利用できます。
自社がどういった広告を出稿しているのかを確認し、どういったクロスメディアを取り入れるるべきかを考えてみるといいでしょう。