コンテンツそのものの重要性が非常に高まっていくに従って、ライティングの重要性も再認識されています。
従来のWebの世界では、まずはデザインありきでコンテンツは後回しにされる傾向がありましたが、実際に優れたコピーライティングこそがデザインの一部であるとも考えられるようになりました。

参考:
UXデザイナーと何が違う?最近話題の新しい職種「UXライター」とは?
神は細部に宿る!ユーザーに振り向いてもらえるマイクロコピーを作るための5つのポイント

Webの世界では、見た目のデザインだけでなく、ユーザーの体験そのものをデザインするようになりました。
これがいわゆる「UXデザイン」です。
そして、優れたユーザー体験を生み出すために、UXに特化したライティング業務が必要とされています。

しかし、UXを向上させるためのライティング」とは、果たしてどのようなものなのでしょうか。
今回は、UXライティングで優れたコピーを残すための6つのポイントをご紹介します。

UXライティングの基本を押さえる6か条

1. USPからコピーを考えよう

優れたコピーというのは、短く、シンプルで、それでいてユーザーの心をがっしりと鷲掴みするコピーのことです。
短くても印象に残るコピーは、USPを考える中で醸成されます。

USPとは「Unique Selling Proposition」の略で、直訳すれば「販売する上で唯一の優位性」のことです。
よく「USP=強み」であると捉えられがちですが、USPは強みではありません。
例えば若者向けの販売チャネルに強いからといって、他に競合がいればそちらに乗り換えてしまいます。
言い換えるなら、「唯一無二」の存在感を短いコピーに表現することで、圧倒的な優位性を獲得することができるのです。

こうしたUSPは、プロダクトから考えることもできますが、現在いるカスタマーからも導き出すことができます。
例えば、自分が現在強みとしている事業で売上のトップ10を占めるカスタマーをリストアップし、彼らがどんな嗜好性を持ち、どんな共通点があるのかを考えることです。
こうすることで、自分たちが提供している価値が再認識でき、USPを発見することができる場合があります。

2. イメージとコピーを組み合わせてみよう

従来のランディングページのように、言葉だけを長々と使って相手を「説得」させようとすると、ユーザーはうんざりして逃げてしまいます。
しかし、短くて洗練されたコピーは力強く、なおかつ写真や動画、イラストのようなイメージを喚起させるものと組み合わせることで、心に突き刺さるコピーに豹変します。

さまざまなサイトで見られる秀逸な組み合わせは、「404ページ」によく現れます。
「404ページ」は、入力したURLが見つからなかったり、リンクが切れていたりして、目的のページが表示されなかったときに出てくるページです。
ホームページの中には「404ページ」で、キャッチーな写真やイラストをコピーと組み合わせることで、情報が見つからなかったときの「痛み」を緩和するように努めています。

3. 想像力を刺激しよう

短いコピーの中でも、想像力を刺激するようなコピーは秀逸です。

例えば音楽のストリーミング配信サービスAWAのマイクロコピーは「あなたのための音楽があふれ出す」です。
「音楽を持ち運ぼう」や「自分の聴きたい曲が何度でも」といったありふれたコピーに比べて、感情を揺さぶるような想像力を刺激するコピーになっています。

コピーは、ブランドイメージと密接に結びついているので、非常に大切な部分です。
同じ音楽ストリーミング配信サービスのSpotifyのホームページでは、「いろんな方法で音楽が楽しめる」や「アカウントひとつでどこでも聴ける」といったマイクロコピーになっていますが、マイクロコピーの観点で言えば、機能性だけにフォーカスして感情に訴えないコピーは、すぐに忘れ去られてしまう可能性もあります。

4. パッと見て、すぐ分かる

短くても、どういうことか想像を喚起することができなければ、効果的なコピーであるとは言えません。

例えば、同じApple製品のホームページの中でも、iPhone 7は「これが、7。」というキャッチコピー、Apple Watch Series 2は「より良い一日が動きだす。」というコピーになっています。
前者は前作のiPhoneと比べてバージョンアップしたということは繋がりますが、パッと見て実際に想像しにくいのではないでしょうか。
後者のコピーは、ワークアウト(運動)やヘルス(健康)の機能がより前作に比べて充実したものになったのだと容易に想像ができます。

ちょっとしたことかもしれませんが、分かりやすさも求められています。

5. 説明は数行で済ませる

キャッチコピーだけでなく、優れた説明部分(ディスクリプション)を書くのもUXライターの役割です。
ディスクリプションも、だらだらと冗長に書き続けてしまうと、読んでいて飽き飽きしてしまいます。
2〜3行、多くとも4行くらいで、コンパクトにまとめる必要があります。

Uberのコピー部分を少しだけ見て見ましょう。
「一番簡単な移動手段」という説明の下には、次のようなディスクリプションが付されています。

ワンタップでご指定の場所にお迎えにあがります。すぐに乗車でき、ドライバーに目的地を説明する必要もありません。目的地に到着したら、車から降りるだけ。お支払いは完全に自動です。

たったの4行で、サービスの内容を的確に説明しています。
さらに、詳細を知りたいひとには、「詳細はこちら」「選ばれる理由」などのリンクを付すことで、必要なひとだけに具体的な内容を提示できるようにしています。

6. 数字は説得させる上で絶好の手段

短くても、説得力のあるコピーにしたいと思っているひともいるのではないでしょうか。
そんな場合には、数字をコピー部分に使ってみるのもオススメです。

「1,000,000人に利用されたメールクライアント」のように、数字を入れることで客観的な証拠が提示されたような印象を受けるので、説得力が増します。
一方で、数字を入れるとすこし堅苦しい印象がしますので、ブランドイメージに応じて使い分けるようにしましょう。

まとめ

UXライティングは、コンテンツを量産するのとは対照的に、的確な言葉でぐっと心を惹きつけるためのコピーを作成する方法です。
事業が大きくなればなるほど、挑戦的でリスクを取れるほどの面白いコピーは使えなくなるかもしれません。
恐れずに試してみて人々の反応を見てみるのもよいでしょう。