メルマガの効果検証にはABテストがおすすめ！やり方や改善のポイントを解説

メルマガは、メールマーケティングの中でもとりわけ多く用いられる施策です。サービスや商品情報などを定期的に発信することで、シンプルな施策ながら顧客との接点を保ち、身近な情報ソースとしての機能を発揮します。

一方、長くメルマガを運営する中で、内容のパターン化やタイトル名をどうするかなど制作上の悩みを持つことも少なくありません。そのような時におすすめなのがABテストです。この記事では、メルマガのABテストのメリットや方法などについて紹介します。

目次

1. メルマガのABテストとは
2. メルマガのABテストのやり方
3. メルマガを改善するABテスト例
4. メルマガのABテストを行う際の注意点
5. ABテストでメルマガのマーケティング効果を上げよう

▼メルマガを作成する前にチェックしたい！メール作成のTipsはこちら

メール作成のTips

読んでもらえるメールをつくるためのポイント

メルマガのABテストとは

ABテストは、ランディングページなどのクリエイティブの効果を検証するために用いられる手法です。特定の要素に違いを持たせた複数のクリエイティブを、同一の条件でどちらの方が効果が高いかを検証します。

メルマガのABテストでは主に「件名」や「本文」などのクリエイティブと、配信するタイミング、配信する対象者について比較検証を行います。

メルマガのABテストで得られるメリット

WebデザインのABテストと違い、メルマガのABテストには次のようなメリットがあります。

• 件名や差出人を差し替えるだけ！専門知識は必要なし
• 課題を指標にしてテストするためマーケティング施策にもなる
• 特化したツールは必要なし！今使っているツールで始められる

メルマガでABテストを行うと、どういうパターンが開封率やクリック率の向上につながるのかが見えてきます。顧客のニーズに合ったメルマガパターンを効率的に確立させることができるため、CV率も改善することが可能です。

メルマガのABテストのやり方

メルマガのABテストは、次のような手順で進めます。

1. 目標を明確にする

メルマガを運用する中で課題となっていることを踏まえて、何を改善すべきなのか、目標を明確にします。

例えば、開封率が低い、開封されてはいるがクリック率が低いなど、改善すべきポイントを明らかにすることによって、テストで見るべき指標も変わります。メルマガの課題をまず見つけることが大切です。

2. 仮説を立てる

課題を解決するためにどういう要素を変えた方がいいのか、様々な角度で考え仮説を立てます。過去に成功した事例や他社事例などを参考にするとよいでしょう。

なお、仮説を立てる際に何を課題とするかで、次のようにチェックポイントが変わります。

3. 配信グループやリスト数を決める　

ABテストを行うにあたって、配信するセグメント（グループ）や、サンプル数（リスト数）を決めます。サンプル数は無作為に2つに均等に分かれるようにセグメントします。サンプル数は1,000件ほどあると、精度の高い検証が可能です。

セグメントする場合は内容に偏りがない条件で分けることが大切ですが、全件送信している場合は流入経路やユーザー行動を基準にセグメントするのもよいでしょう。

4. ABテストを行う

配信条件が決定したら、テストパターンを準備します。現状のパターンとの比較を行う場合は別のパターンを、いくつかの中から効果のあるものを見つけたい場合は複数の仮説を反映したパターンを用意します。

時間帯によって開封率やクリック率が変わる場合があるため、配信の際はそれぞれ時間帯にズレがないようにすることが重要です。

また、ターゲティングを変えて反応を見たい場合は、同じ内容を異なるターゲティンググループに配信するAAテストを行うのも効果的です。ABテストとAAテストを別に行って結果を分析することで、より正確なデータを得られます。

5. 結果の振り返りをする

ABテスト後は、あらかじめ立てた目標に対してどのような結果になったか効果測定を行います。開封率やクリック率、CV率など指標としていた数値を確認しましょう。

なお、ABテストを行っても差異がほとんど出なかったり、思っていた仮説とは違う結果が出ることもあります。そのような場合は想定とは違う結果になった要因の検証を行います。

定期的に配信するメルマガだからこそ、PDCAを回し続けることが重要です。

メルマガを改善するABテスト例

メルマガのABテストを行う際の主な改善ポイントは次の通りです。

開封率改善

メルマガの改善目標として上げられることが多いのが開封率です。配信しても開封してもらえなければ成果につながりません。開封率の平均は15～20％と言われているため、この平均値を上回る結果を得ることが、ひとつの数値目標となるでしょう。開封率は「（メールが開封された数÷配信に成功したメールの数）×100（％）」で算出できます。

開封率を改善するポイントは「送り方を工夫する」「配信タイミングを考慮する」の2つあります。

● 送り方を工夫する

メールを開封してもらうためには、興味を引く差出人名や件名にすることが大事です。BtoBの場合は「担当者名＋サービスあるいは会社名」を差出人名に設定すると興味を引きやすくなります。

上図はferretOneのメルマガ例です。差出人名を担当者名＋サービス名にしています。その他、「○○様へ ○○○セミナーのご案内です」などと、件名に顧客担当者の名字を入れると興味を引きやすくなります。

このように顧客の認知度が高い名称や担当者の名前を用いると効果的でしょう。

● 配信タイミングを考慮する

配信タイミングについても考慮しましょう。一般的には、BtoBでは平日11時～12時などの昼休憩前、BtoCでは朝8時～10時や夕方17時～19時といった通勤時間帯が開封率が高まるといわれています。

ただし、あくまでも一般的な基準になりますので、配信タイミングをテストしながら自社サービスに適した時間を設定しましょう。

クリック率改善

クリック率は、（ユーザーがリンクをクリックした数÷ユーザーに届いたメルマガ数）×100％で算出できます。

クリック率を改善したい場合は、メルマガの本数に着目しましょう。読者がメールを読む時間は10秒未満と言われているため、複数配信していたメルマガをひとつに絞り配信すると効果的です。

このようにひとつにまとめられたメルマガの方が、情報の集約化によりクリック率が高くなる傾向があります。

デザイン改善

メルマガのデザインを改善するポイントは大きく2つです。一つは「CTAの改善」もう一つは「HTMLメール配信にする」です。

● CTAで関心を引き込む

CTAのデザインを改善することによって、CV率向上が期待できます。リンクへのクリック誘導は、テキスト形式より、ボタン形式の方が圧倒的にクリック数が増えると言われています。

クリック誘導のボタンは影付きやで目立つ色にするなど目立たせ、どの位置に配置するのか本文の流れや顧客の導線を考慮した、複数のパターンで比較することでより精度が高まるでしょう。

● HTMLメール配信にする

テキストだけのメルマガよりHTMLメールの方が、読みやすく、クリック率も向上にも繋がります。特に読んで欲しい箇所を大きくしたり、見出しをつけて段落に分けたりなど工夫しましょう。

上図は記事を紹介するferretOneのメルマガ例です。内容にメリハリをつけ、どのようなアクションをして欲しいのか明確に定まっています。

メルマガのABテストを行う際の注意点

最後に、実際にメルマガのABテストを実施する際の注意点を紹介します。

サンプリングは偏りなく抽出する

テスト前の準備で配信先のリストアップをする際、無作為に抽出したものを二つに分けてセグメントしますが、配信先の条件に偏りがないようにリストの抽出をする必要があります。

テストのサンプリング条件に偏りがあると、比較できるような正しい結果を得ることができません。また、正しい結果を出すには、リスト数はある程度多くの件数が求められます。

比較対象以外の内容は同一にする

ABテストは、比較対象以外の内容は揃え、同一条件下で行う必要があります。比較する条件以外の部分を変えてしまうと、何が要因で結果が変わったのかが分からずテストは失敗に終わってしまいます。

比較対象以外の条件は変えることなく、しっかり揃えたうえでABテストを行いましょう。

ABテストでメルマガのマーケティング効果を上げよう

メルマガのABテストは、運営上大きな悩みになりがちな開封率やクリック率、CV率などの改善が期待できる施策です。

ABテストの実施と効果検証をくり返すことで、メールマーケティングのノウハウが蓄積されていきます。蓄積されたノウハウは、メルマガのマーケティング力を押し上げてくれるでしょう。PDCAを回しながら、より成果につながるメルマガ運営を目指すことが大切です。