LINE公式アカウントの集客施策分析からわかったこと‐「友だち追加施策」を通して、ユーザーとの関係性を考える‐
この記事は株式会社デジタルシフト望月修斗様からの寄稿記事となります。
LINEは、月間ユーザー数9,300万人(2022年9月末時点)を誇る日本最大級のプラットフォームです。人々の生活に根差した媒体であることから、様々な企業がLINE公式アカウントを活用してユーザーとの接点を構築しています。
一方で、LINE公式アカウントはTwitterやInstagramとは異なり、ユーザーに友だち追加をしてもらってはじめてコミュニケーションが可能になるという特徴があります。そのため、より多くのユーザーに友だちとなってもらうことが、商材のファンや購入者の増加につながる鍵となります。
現在、LINE公式アカウントには、LINE社が提供している「スポンサードスタンプ(※1)」や、「LINEポイント Friends AD(※2)」「友だち追加広告(※3)」などの豊富な友だち追加施策のメニューがあります。それぞれのメニューによって特徴が異なり、コストを抑えて実施が可能な施策も存在します。
各企業はこれらの施策を通して、ユーザーへ定期的に自社のアカウントに友だち追加してもらうことで、自社の商品やサービスの魅力について発信することができます。ただし、LINE公式アカウントの運用を拡大していくためには、ただ友だち追加施策を実施していくだけではなく、適切な指標で振り返りを行っていくことも重要です。
今回は、この友だち追加施策について、実施効果を振り返るためのポイントや、実際の分析事例について解説します。
※1 スポンサードスタンプ:友だち追加いただいたユーザーに、LINEスタンプをインセンティブとしてプレゼントすることで、友だち追加を促進する施策。
※2 LINEポイント Friends AD:友だち追加いただいたユーザーに、LINEポイントをインセンティブとしてプレゼントすることで、友だち追加を促進する施策。
※3 友だち追加広告:LINEアプリ内に友だち追加を目的とした広告を出稿する施策。
目次
- 友だち追加施策を適切に振り返るための指標とは?
- 友だち追加後のユーザー行動を計測する方法とは?
- 実際の分析方法
- 分析結果の例
- 友だち追加施策における今後の展望
- まとめ
- デジタルシフト社が提供するマーケティングツール「TSUNAGARU(ツナガル)」のご紹介
友だち追加施策を適切に振り返るための指標とは?
LINE公式アカウントの運用における友だち追加施策の一般的な指標としては、友だち追加数(施策によって友だち追加したユーザーの人数)と友だち追加単価(友だち追加いただいたユーザー一人あたりの施策費用)の2種類が存在します。
これらは、実施した友だち追加施策として、いかに費用対効果が高い施策であったのかをはかる重要な指標です。
一方で、友だち追加単価を抑えつつ、多くのユーザーに友だち追加をしてもらったとしても、必ずしもLINE公式アカウントの運用がうまくいくわけではありません。友だち追加したユーザーが、その後どのような行動をとったかという観点も振り返りの指標として非常に重要です。
LINE公式アカウントでは、配信の数に応じて配信費用が発生する従量課金制となっています。
友だち追加施策によって、サービスに全く親和性のないユーザーに友だち追加いただいた場合、配信費が膨れ上がることで費用対効果が低下するのみならず、興味のない情報を配信されたユーザーにとっても送られてきた情報がノイズとなり、サービスに対してネガティブな印象を抱かれてしまう可能性もあります。
そのため、友だち追加施策の振り返りにおいては、友だち追加数、友だち追加単価といった「短期的な指標」と合わせて、「長期的な指標」を分析していく必要があります。
この「長期的な指標」としては、ユーザーとアカウントとの親和性を把握するために、友だち追加してくださったユーザーの友だち継続率、配信メッセージのクリック率、購買率が挙げられます。
しかし、LINE Official Account Manager(LINE社が提供しているLINE公式アカウントの管理画面)では、友だち追加数や友だち追加単価の全体の数値しか見ることができず、各ユーザーに紐づいた行動データは提供されていません。そのため、ユーザーごとの行動データの分析は難しく、「長期的な指標」の分析には課題が残っているのが現状です。
それでは、友だち追加後のユーザー行動はどのように計測していけばよいのでしょうか?
友だち追加後のユーザー行動を計測する方法とは?
LINE公式アカウントの友だちには、それぞれLINEが付与する独自のユーザーID(以下、UID)が割り当てられています。
LINE社の認定するTechnology Partnerが開発したAPIツールを利用することで、UIDに紐づける形でユーザーの「友だち追加履歴」、「ブロック履歴」、「クリック履歴」などの行動データを、ユーザーから許諾を得たうえで取得することが可能です。また、企業のデータベースとUIDを突合することで「購買履歴」まで取得することが可能になります。
UIDを活用して、各ユーザーを友だち追加時期ごとに分類し、一定期間内の行動データを分析することで、各友だち追加施策で追加したユーザーの、期間内のブロック率、購買金額などの「長期的な指標」を分析することが可能となります。
ここからは、デジタルシフト社が運用を支援している株式会社ベルーナ様(以下、ベルーナ様)のファッション通販サイト「ベルーナ」のLINE公式アカウントにおいて、友だち追加施策の実施効果を分析し、次の施策に活用した事例を紹介します。
実際の分析方法
ベルーナ様では、日頃から売上とROAS(※4)の向上を目的としてLINE公式アカウントを運用されています。
友だち追加施策についても、2021年までに複数の友だち追加施策の実績がありましたが、売り上げ拡大に向けて友だち追加施策を継続実施したいものの、それぞれの施策に対する費用対効果を適切に示せず、施策の継続決定に対する投資判断が難しいという課題がありました。
そこで、ベルーナ様では、以下の手順で過去の友だち追加施策実施時のユーザーの追加実績を確認し、費用対効果の可視化を行いました。
【分析手順】
1. 友だち追加施策経由の流入ユーザーを特定
過去、友だち追加施策を実施していた時期に、「友だち追加」してくださったユーザーのUIDを特定。
2. 友だち追加施策経由の流入ユーザーにおけるその後の行動データを分析
該当ユーザーを対象に、流入後の一定期間における「クリック数」「購買金額」の合計を算出。
※該当期間に友だち追加したユーザーの実績(「クリック数」と「購買金額」の合計)に係数(該当期間に友だち追加してくださったユーザーのうち「実施した友だち追加施策」から友だち追加してくださったユーザーの割合)をかけて算出。
3. 行動データを比較、分析
自然流入者や、他の友だち追加施策実施時と行動データを比較することで、費用対効果の善し悪しを分析。
※4 ROAS:広告費に対して、どれだけ売上を得られたかを測る指標。
分析結果の例
今回のベルーナ様の事例では、2021年に実施した「スポンサードスタンプ」と「友だち追加広告」を分析しました。
その結果、「スポンサードスタンプ」では、投下した費用(友だち追加施策実施費用+期間内の配信費)に対して、3か月間でROAS338%の投資を回収、「友だち追加広告」ではROAS394%の投資を回収していました。
また、友だち追加施策実施費用は、固定の初期費用であることから今後変動しないことに対して、今後友だち追加してくださったユーザーが、アカウント内で購入を継続してくださることで、売上金額は増加していくことが予想されます。
そのため、長期的に見て、今回友だち追加してくださったユーザーによるROASはさらに伸びていくことも推測できます。
友だち追加施策の実施効果が可視化できたことにより、ベルーナ様はこれらの友だち追加施策を継続すべきと判断され、2022年も「スポンサードスタンプ」と「友だち追加広告」を実施されました。
※5 図「友だち追加施策の長期的効率」の期間内売上金額:友だち追加施策経由の流入ユーザーにおいて、施策開始から3か月間の購買金額の合計に、係数(該当期間に友だち追加したユーザーのうち「実施した友だち追加施策」から追加してくださったユーザーの割合)をかけて算出。
友だち追加施策における今後の展望
今回のベルーナ様の事例では、友だち追加施策単体の実施効果を可視化できました。
しかし、単なる可視化だけにとどまらず、今後はこれらの分析手法を応用して、友だち追加施策の実施効果を高めていく手法を模索する必要もあります。
現在、多くの企業で取り組まれているのが、広告配信対象のユーザーの方々の属性や趣味関心などを設定することによって、自社のアカウントに関心が高いと思われるユーザーの方のみに絞って広告を出稿する施策です。
これまで実施されてきた施策では、友だち追加数と友だち追加単価の指標で判断していたため、友だち追加してくださったユーザーが、その後商品を購入されているのかが判断できませんでした。
例えば、インセンティブ(LINEスタンプやプレゼントキャンペーンなど)による訴求は、友だち追加単価を抑制しながら多くのユーザーが友だち追加してくださる傾向にあるものの、アカウント自体への関心が低く、友だち追加後のブロック率が高まりやすい傾向があります。
今後、デジタルシフト社では、訴求内容ごとに友だち継続率や売上といった流入後の実績を追うことで、よりアカウントに親和性の高いユーザーの友だち追加を追求するご支援を行っていきます。
まとめ
LINE公式アカウントは、媒体特性上友だちになってくださったユーザーのみに配信が可能です。そのため、売り上げ拡大に向けて、LINE社が提供する友だち追加施策の実施が重要となります。
友だち追加施策の実施効果を適切に可視化するには、友だち追加人数、友だち追加単価といった「短期的な指標」だけではなく、流入した後にどの程度商品を購入してくださっているのか、といった「長期的な指標」も分析していく必要があります。
せっかくアカウントに親和性の高いユーザーが友だち追加してくれたとしても、すぐにブロックされるようなコミュニケーションを行ってしまっては意味がありません。
次回の記事では、ユーザーからブロックされないための施策の重要性と、実際に一人当たりの配信の数を抑えることでブロック率が低下した事例について解説します。
デジタルシフト社が提供するマーケティングツール「TSUNAGARU(ツナガル)」のご紹介
「TSUNAGARU」は、LINE公式アカウントを開設する企業向けに、デジタルシフト社が提供するマーケティングツールです。ASPサービスにて、Messaging API配信をより高度に活用できます。
IDシンク、メッセージ配信、BOTによる自動応答、AIチャット、バーコード表示、アンケート作成、クリックデータ収集、LINE Beacon管理、MA(マーケティングオートメーション)機能、コールセンターサポートなどの機能、UID統合分析機能などを搭載し、Messaging API配信を導入・実装する上での企業のシステム開発負荷を大幅に軽減。LINEを含めたネット広告領域の効果の最大化、ユーザーのLTV向上を実現いたします。
デジタルシフト社では、企業様へのLINEを活用した統合マーケティング施策のご提案を行っており、企業様のニーズに合わせ提案から改善まで全てサポートいたします。お気軽にお問い合わせください。
- フォーム
- フォームとは、もともと「形」「書式」「伝票」などの意味を持つ英単語です。インターネットの分野では、パソコンの操作画面におけるユーザーからの入力を受け付ける部分を指します。企業のホームページでは、入力フォームが設置されていることが多いようです。
- アカウント
- アカウントとは、コンピューターやある会員システムなどサービスを使うときに、その人を認識する最低必要な情報として、パスワードと対をなして使う、任意で決めるつづりです。ユーザー、ID、などとも言います。
- アカウント
- アカウントとは、コンピューターやある会員システムなどサービスを使うときに、その人を認識する最低必要な情報として、パスワードと対をなして使う、任意で決めるつづりです。ユーザー、ID、などとも言います。
- Twitterとは140文字以内の短文でコミュニケーションを取り合うコミュニティサービスです。そもそもTwitterとは、「小鳥のさえずり」を意味する単語ですが、同時に「ぺちゃくちゃと喋る」、「口数多く早口で話す」などの意味もあります。この意味のように、Twitterは利用者が思いついたことをたくさん話すことのできるサービスです。
- アカウント
- アカウントとは、コンピューターやある会員システムなどサービスを使うときに、その人を認識する最低必要な情報として、パスワードと対をなして使う、任意で決めるつづりです。ユーザー、ID、などとも言います。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
- アカウント
- アカウントとは、コンピューターやある会員システムなどサービスを使うときに、その人を認識する最低必要な情報として、パスワードと対をなして使う、任意で決めるつづりです。ユーザー、ID、などとも言います。
- アカウント
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- 単価
- 商品1つ、あるサービス1回あたり、それらの最低単位での商品やサービスの値段のことを単価といいます。「このカフェではコーヒー一杯の単価を350円に設定しています」などと使います。現在、一般的には消費税を含めた税込み単価を表示しているお店も少なくありません。
- 単価
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- アカウント
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- アカウント
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- UI
- UIとは、ユーザーインターフェイス(User Interface)の略で、ユーザー(使い手)とデバイスとのインターフェイス(接点)のことを意味します。
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- データベース
- データベースとは、複数のアプリケーションまたはユーザーによって共有されるデータの集合体のことです。特定のテーマに沿ったデータを集めて管理され、検索や抽出が簡単にできるようになっているものを指します。
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- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
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- キャンペーン
- キャンペーンとは、インターネット上のサイトにおいて、ファン数を増やし、購買行動を促すためにおこなう懸賞キャンペーンなどのマーケティング活動のことです。キャンペーンにはファン数を増やすだけでなく、ファン獲得以上のリアル店舗の来店者数を増やす、資料請求者を増やす、実際の購買を増やすなどの目的があります。
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- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- ASP
- ASPとは、①Active Server Pages、②Affiliate Service Provider、あるいは③Application Service Providerの略称です。 それぞれ意味は異なりますが、このページでは特に、②Affiliate Service Providerに関する説明をさせていただきます。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- UI
- UIとは、ユーザーインターフェイス(User Interface)の略で、ユーザー(使い手)とデバイスとのインターフェイス(接点)のことを意味します。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
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- LTVとは、Life Time Value の略で、ある顧客1人または1社が、企業にもたらす価値の総額のことを言います。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
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