Web担当者の皆様は、LINE@やLINE公式アカウントのクリック数を、Googleアナリティクス上で追えるように設定しているでしょうか。

LINEからの流入は「direct」に分類されます。何も設定しないと他の流入と混じってしまい、正しくLINEの効果測定を行うことができません。

LINEにおける効果測定ができなければ、「各投稿のリンクはどれほどクリックされているのか」「 どんな時間帯にクリックされているのか」などの情報を把握できません。
各投稿に関するフィードバックが得られなければ更新頻度や配信時間の選定も感覚に頼ることになってしまいます。

効果測定のためにGoogleアナリティクスでLINEからの流入だと判別できるようにする必要がありますが、設定自体は実は難しくはありません。
URLの末尾に「?utm_source=line&utm_medium=social」といったパラメータを設定するだけで完了します。

今回は、LINEアカウント上でのクリック数をGoogleアナリティクス上で追うためのパラメータの具体的な設定方法を解説します。

そもそもなぜLINEがdirect扱いされるのか

Googleアナリティクスは、直前に訪れたサイトを元に「参照元」を判断します。
検索エンジンから訪問したのであれば、参照元は「google」や「yahoo」などになります。
また、別サイトからの流入なのであれば、参照元は「ferret-plus.com」などそのサイトのドメインになります。

また、SNS経由の流入の場合、Googleがソーシャルと認識できるメディアに限りチャネルがsocialに分類され、参照元は「facebook」や「twitter」などと表示されます。

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Googleがsocialと判断できるトラフィックは限られており、必ずしも全てのSNSがsocial扱いされるわけではありません。
Googleにsocialと認識されないLINEは、経由情報を持たないアクセスとなりdirect扱いとなるのです。

経由情報を持たせるために必要なのは「パラメータ」

「どこから来たのか」という情報を持たせるためには、URLに適切な「パラメータ」を設ける必要があります。
パラメータはURLの末尾につく「?id=1(変数名=値)」といった変数で表されます。

以下のURLを例に見てみましょう。

http://ferret-plus.com/?utm_source=yahoo&utm_medium=cpc

http://ferret-plus.com/」 が元のURLで 「?utm_source=yahoo&utm_medium=cpc」がパラメータとなります。
「?utm_source=yahoo」は「参照元=Yahoo!」、「utm_medium=cpc」は「メディア=CPC広告」を表しています。

今回必要なのは、Googleアナリティクスに「参照元=LINE」と認識させるためのパラメータです。
以下の内容を参考にしながら設定してみましょう。

Googleアナリティクスで利用できるパラメータ

Googleアナリティクスで利用できるパラメータは以下の5つです。

utm_source
utm_medium
utm_campaign
utm_term
utm_content

各パラメータについて詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

参考:
Googleアナリティクスでよく使われるパラメーターとは|ferret [フェレット]

「utm_source」は参照元、「utm_medium」はメディア、「utm_campaign」はキャンペーン名、「utm_term」は有料検索時のキーワード、「utm_content」はキャンペーン内のリンクを区別するために使います。

LINE@に必要なパラメータの種類

それではLINE@で送信する際に必要なパラメータの種類を見ていきましょう。

パラメータを設定する際にGoogleアナリティクス上で必須とされているのが、以下の3つです。

  • utm_source
  • utm_medium
  • utm_campaign

utm_source:参照元

「utm_source」は参照元を分類するためのパラメータです。
参照元とは「google」「yahoo」「facebook」「twitter」などの具体的な媒体名分類です。
値を「line」とすれば良いので、「utm_source=line」としましょう。システム上で大文字・小文字の区別が行われるので、「LINE」や「Line」という表記が混じればデータの管理が煩雑になります。必ず統一するようにしましょう。

utm_medium:メディア

「utm_medium」はメディアを分類するためのパラメータです。任意の値を設定することもできますが、Googleが指定する値にしておくと「集客サマリー」や「ソーシャル」といったところでも反映してくれるので、ここでは「social」と設定しておきましょう。パラメータは「utm_medium=social」となります。

しかし、LINE@からの流入はメッセージから来ることもあれば、ホームへの投稿経由で来ることもあります。以上の設定だけではアクセスがメッセージ経由かホーム投稿経由かわかりません。

メッセージとホーム投稿を併用して運用していてより詳細な分析が必要である場合は、「utm_medium」の値を「message」「home」と設定すればそれぞれの流入を追えます。

しかし、そうなるとデフォルトチャネルグループではSocial扱いされずOtherに分類されてしまいます。
LINEからの流入をSocialでカウントするためにはデフォルトチャネルグループの編集が必要です。

utm_campaign:キャンペーン名

「utm_campaign」はキャンペーン名です。ここで設定したキャンペーン名はアナリティクス上で管理する際に利用します。
管理しやすいように、1つ1つの投稿を区別できるようなキャンペーン名を設定しましょう。

1日に1回以下の投稿であれば年月日を「160921」という形でキャンペーン名に設定すれば良いでしょう。
他のキャンペーン名とかぶるようであれば統一された形で、「LINE_160921」とするのも1つの手です。

具体的なパラメータのつけ方

パラメータはつけ方を間違えてしまうと正しく機能しないばかりか、無効なURLを作ってしまう可能性があります。
決して難しい仕組みではないので確認しておきましょう。

パラメータとURLの間はクエスチョンマーク(?)で区切ります。パラメータと値はイコール(=)で繋ぎます。
各パラメータと値のペアはアンパサンド(&)で区切ります。

例:URL?変数1=値1&変数2=値2&...&変数n&値n

もともとパラメータがないURLURLの末尾に?が含まれていない)場合は、元のURL「?utm_source=line&utm_medium=message&utm_campaign=160921」とつけます。

一方でパラメータが既に設定されている場合、つまり「https://example.com/item?id=4」のようなURLである場合はパラメータの先頭の?を&に変えて「https://example.com/item?id=4&utm_source=line&utm_medium=message&utm_campaign=160921」としましょう。

パラメータの設定を手動ですることに不安があれば、Googleの「URL生成ツール」を利用すると良いでしょう。フォームにしたがって入力するだけで適切なパラメータが出力されます。

念のため配信する前に元のページが正しく表示されるか確かめておくと良いでしょう。

パラメータをつけるとURL全体が長くなるため見た目が不恰好になることがあります。
見た目だけではなく、ユーザーによっては不信感を与える可能性があるでしょう。

あまりに長くなるようであればGoogleが提供している「Google URL Shorter」などのリンク短縮サービスを利用すると良いでしょう。
追記(2018/04/03):2018年3月30日、Googleは同社のURL短縮サービス「Google URL Shorter」のサービス終了を発表しました。同年4月13日から匿名ユーザーの利用が停止され、翌年3月30日以降は完全に新規作成ができなくなる予定です。

パラメータをつける上での作業簡略化のコツ

1週間に何度もパラメータ付きのURLを用意することになると思うので、パラメータをPCのユーザー辞書に登録しておくと、すぐに呼び出すことができ作業簡略化になります。
また、ページを管理しているエクセルやスプレッドシートがあれば、元のURLとパラメータを結合して投稿用のURLを作成するセルを用意しておくのも良いでしょう。

まとめ

現状の数値を把握しないことには、適切な改善を行うことはできません。
URLに適切なパラメータを設定して、感覚による運用からデータに基づく運用へと切り替えていきましょう。