この記事は2016年9月1日に更新しました。

突然ですが、皆さんはインフォグラフィックという言葉を聞いたことはありますか?
インフォグラフィックとは情報を視覚的に表現した資料を指し、ここ数年、多用する企業が増えています。

インフォグラフィックが多用される背景には、世の中に流通している情報量が多くなり、ひと目で言いたいことが分かるように工夫された「インフォグラフィック」に対する需要が高まったことがあるでしょう。インフォグラフィックは基本的にイラストや図形と数字から成り立っているものがほとんどです。

言語がわからなくてもある程度意味を理解できるのでクオリティの高いものは世界的に広がりやすい傾向にあります。

今回は、インフォグラフィックの基礎知識から、実際に自分で作るときに使える無料の作成ツールの紹介、そして実際に大手企業などの事例を紹介します。
プレゼン資料作成やホームページ掲載用の画像作成などの参考にしてみましょう。

インフォグラフィックとは

インフォグラフィックとは、データや情報を視覚的に整理し、誰もが素早く情報を理解できるように作成したものを指します。

文字で情報を伝えようとしても、情報量が多く冗長的になりがちです。そこで用いられるのがグラフですが、そのグラフをより進化させ、グラフだけで伝えたい事が分かるようにしたものをインフォグラフィックになります。

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インフォグラフィックのメリットは、視覚で直感的に理解出来ること。伝えたい事が伝わりやすいということです。上の画像は、アメリカのインターネット企業の売上推移です。2015年Googleの売上は◯◯◯で、Yahooの売上は◯◯◯、2014年は〜と説明されるより、グラフを見れば推移が一目瞭然なことがわかります。これがインフォグラフィックの力なのです。

また、インフォグラフィックと似たような意味を持つ言葉に「データ・ビジュアライゼーション」があります。データビジュアライゼーションは、雑多な状態のデータをコンピューターが整理しビジュアル化して見やすくした状態のものを指します。

実際にインフォグラフィックを作ってみましょう。無料で作成出来るツールが多く公開されていますので利用してみるのが良いでしょう。

実際にインフォグラフィックを自分で作ってみよう。無料作成ツール10選

1. 日本語対応&オペレーションが丁寧な「Eegraph」

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https://eegraph.com/report

渋谷でインターネットサービス事業を行うシーグ株式会社が提供する国産のインフォグラフィック作成ツールです。
全編日本語対応しているうえ、データ入力の手順案内が非常にわかりやすく、数字を扱うのが苦手な方でも簡単にインフォグラフィックを作成することができます。

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図表の作成画面。日本語の丁寧な案内文があるため作成手順がわかりやすい。

参考:
Eegraphとは?一瞬で美しいグラフが作れる簡単ツールの使い方

2. Googlドライブと連携可能&インタラクティブなデータが作成できる「infoactive」

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Googleドライブとの連携が非常のにスムーズなため、スプレッドシートのURLを入力して少し設定するだけでインフォグラフィックが完成します。
更に特徴的なのは、完成したインフォグラフィックのデータに対し、閲覧ユーザーが図の上にマウスポインタを置くと表示されるデータが変わるというインタラクティブ性です。

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Googleドライブとの連携も簡単に行える。

3.Googleドライブと連携可能で高品質なテンプレート・素材が豊富な「piktochart」

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http://piktochart.com/

インフォグラフィック作成ツールのなかでは定番となりつつあるツールです。
こちらもGoogleドライブとの連携が可能で、無料アカウントでも高品質なテンプレートやデザインを多数利用することができます。
SurveyMonkeyというオンラインアンケートツールとも連携可能なため、SurveyMonkeyをご利用の方はより便利に使えるでしょう。

4.日本語対応で操作性抜群の「Cacoo」

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https://cacoo.com

オンライン版PowerPointとして認知されてきているCacooですが、シンプルなアイコンやチャート図等のテンプレートも豊富なため、インフォグラフィック作成にも活用できます。また、複数名で図を共有できるため、オンライン上で同時編集することも可能です。

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シンプルで使いやすい図形が豊富。ほとんどの操作をドラッグ&ドロップで行える。

5.図表の数字の微調整が簡単な「creately」

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様々な図表に対応しており、テンプレートも豊富なので非常に扱いやすいツールです。
出来上がった図表をクリックすると中の数字を変更できるので、後からの修正も非常に簡単に行うことができます。

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作成した図表をクリック。

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図表の数字が表示される。数字を変更し「Tab」キーを押せば修正完了。

6.シンプルでデザイン性の高い素材が豊富な「venngage」

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こちらのツールもGoogleドライブとの連携が可能です。
図の立体感や太さなどの微調整が可能なうえ、フラットデザインに適したデザイン性の高いアイコンも豊富に揃っているので、簡単な操作でクオリティの高いインフォグラフィックを作成できます。

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入れ込んだ図をダブルクリックすると、右側に設定画面が調整される。ここで数字データの入力やGoogleドライブとの連携、図形の微調整などが可能。

7.テンプレ豊富&デザインの自由度も高い「easel.ly」

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http://www.easel.ly/

様々なパターンのテンプレートが用意されており、アイコン素材も豊富です。
比較的デザインの自由度が高く、0からインフォグラフィックを作りたい方にもオススメです。

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テンプレを選択しない完全新規での作成画面でも、インフォグラフィック作成のヒントが記載されている。

8.ログイン不要。チャートやサイトマップが簡単に作成できる「gliffy」

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https://www.gliffy.com/

こちらの特徴はログインなしですぐにサービスを利用開始できる点にあります。
インフォグラフィックというよりは、Cacoo同様フローチャートやマインドマップ、サイトマップの作成に向いています。

9.自身の経歴をインフォグラフィック化できる「vizualize.me」

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http://vizualize.me/

自身のこれまでの学歴や職歴をインフォグラフィックに落とし込めるツールです。
LinkedInと連携しており、転職の際のアピールツールとして活用できます。

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プロフィール項目に学歴や職歴を入力し、形式を選択するだけでインフォグラフィックを作成できる。

インフォグラフィックを実際に利用して成果を上げている企業の事例を7個選んでみました。
是非参考にしてみてください。

思わず唸る!企業事例を7個紹介!

1.NewsPicks「ビジュアルレポートで見るApple最新決算」

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https://newspicks.com/news/803525/body/

経済に特化したキュレーションメディア「NewsPicks」の編集部によるAppleの2015年第1四半期の決算をまとめたインフォグラフィックです。
グラフと数字で構成された非常にシンプルなグラフィックで、何が好調で何が不調なのかが流し読みしても理解することができます。
NewsPicks編集部は連載企画として、国内外の大手企業の決算資料をビジュアルデータに落としこんでわかりやすく解説した記事を定期的にあげています。

ビジュアルレポートで見る東芝最新決算
ビジュアルレポートで見るリンクトイン最新決算

2.エコンテ「600名に聞いたコンテンツマーケティング調査レポート2015年度版」

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http://econte.co.jp/resource/item/cmig2015/

株式会社アイオイクスの子会社であるコンテンツマーケティング事業専門の株式会社エコンテが制作したコンテンツマーケティングに関する調査結果を示すインフォグラフィックです。
適度な情報量や見やすい配色、図形の使い分けなどが秀逸でインフォグラフィックのお手本にしたくなるような資料です。

3.シスコシステムズ「世界のモバイルデータ量は5年で10倍に増加、シスコがインフォグラフィックで発表」

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http://www.sbbit.jp/article/cont1/29248

シスコシステムズが今年2月に発表した、2014年から2019年へのモバイルデータ量の変化予測を表したインフォグラフィックです。
シスコはこの5年間でモバイルデータ通信量は10倍増加すると予測しており、図と英語の簡単な説明だけで、世界的にモバイルシフトが更に進むであろうと主張していることがわかります。

4.Movehub「「生活費が高い国」トップ20に日本もアメリカも入っていない 1位は?(インフォグラフィック)」

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http://www.huffingtonpost.jp/2015/01/22/most-expensive-countries-to-live-in_n_6528630.html

イギリスのメディアである「movehub」が、各国での消費財の平均価格に基づいて「生活費が高い順」に色分けしたインフォグラフィックを公開しています。
数値を一切記載せず、色だけで表現しており、余計な情報が一切ないシンプルで斬新なインフォグラフィックです。
細かなデータはわかりませんがこの資料が最も伝えたいであろう「生活費が高い国」と「安い国」はどこなのか、ということが一目でわかります。

5.NHK「さわってわかる日銀地域経済報告」

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http://www3.nhk.or.jp/news/business_infographics/sakura.html#!?m=201304

NHKが運営している、国内地域ごとの景気を「体温」に見立てて表現しているインフォグラフィックサイトです。
日銀が3か月ごとに発表する地域経済報告を元に、地域ごとの景気判断が前回と比べて「上向き」になったのか、「下向き」となったのかを「景気体温計」と例えて表現しています。

6.KADOKAWA「コミックマーケットはやっぱりすごい!」

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http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000881.000007006.html

世界最大規模の同人誌即売会である「コミックマーケット」の来場者についてのデータを、株式会社ドコモ・インサイトマーケティング株式会社と角川アスキー総合研究所が共同で集計し、インフォグラフィックにまとめたものが公開されています。
一枚目には、コミックマーケット開催日、都内で最も人口が集まるのが東京ビッグサイト(コミックマーケット会場)で、人混みの多いイメージのある新宿や丸の内と比較しても異常な人数が集まっているということがすぐに理解できます。

7.保険の窓口「消費税増税後のおさいふ事情」

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http://hatagra.tumblr.com/

リクルートによる、働くことに関するあらゆるデータをまとめたインフォグラフィックスです。
働く女性の都内主要エリア別の平均データやオフィスの人気おやつランキングから、会議中の内職(会議に関係のない仕事をすること)や都道府県別の平均残業時間など、普段はなかなか目に触れない、人に聞けないユニークなデータをそれぞれのテイストに合わせたイラストで見やすく表現しています。

まとめ

自社が持っている情報をいかに簡潔に伝えていけるかというのは、今後更に情報量が増していく世の中では必須のテクニックになっていくでしょう。膨大な情報の中から自社サービスを選んでいただくためには、ユーザーの関心を素早く取り込む必要があります。ユーザーは、複雑でわかりづらいものからはすぐに離れていきます。

上記で紹介したユニークで良質なインフォグラフィックを参考に、自社サービスの訴求方法を改めて考えてみてはいかがでしょうか。