2019年2月13日、文化審議会にて新たな著作権法改正案が検討されました。
その内容は「権利者の許可なしに、インターネット上にあるあらゆるコンテンツを、著作権法違反と知りながらダウンロードすることを全面的に禁止する」というものです。

禁止される項目の中にはスクリーンショットで撮影された画像も対象であり、この件に関してインターネット上では大きな波紋が広がっています。

今回はより具体的な改正内容と、この改正案が可決した場合に注意すべきことを解説します。

参考;
著作権侵害、スクショもNG 「全面的に違法」方針決定

改定案の具体的な内容

従来の著作権法では、権利者の許可なくインターネットに著作物をアップロードする行為は禁止されており、違法にアップロードされた著作物のダウンロードに関しては音楽と映像のみが規制されていました。

今回、著作権を侵害する可能性の高い行為は全面的に禁止とされるようです。
以下が例になります。

・著作権のある文章、写真、コンピュータープログラムなどのダウンロード
・権利者の許可なく個人のブログに載せられた漫画やイラストなどのダウンロード
・SNSに載せられたアニメキャラクターや漫画の画像をダウンロード
など

ダウンロードとは「著作物を保存する行為」全般のことを指します。
コンピュータープログラムだけでなく、インターネット上に掲載された画像を、スマートフォン画面を長押ししてカメラロールに保存したり、PC画面で右クリックしてフォルダに保存することをダウンロードと言います。

スクリーンショットやコピー&ペーストも禁止に

画面から直接ダウンロードする行為はもちろん、画面をそのまま画像にして保存するスクリーンショットや、文章をコピーしてメモ帳などに貼り付けるコピー&ペーストも禁止されることとなりました。
以下が例になります。

・雑誌や書籍のページが掲載された個人ブログ画面のスクリーンショット
・アニメキャラクターをアイコンに使ったSNS画面のスクリーンショット
ブログに掲載された歌の歌詞のコピ&ペースト
など

これらは若者世代を中心に、インターネット利用者が日常的に行なっている行為です。
全面的に禁止となるとユーザーの私生活がかなり制限されることになるため、現在もまだ禁止範囲を検討中とのことです。

現時点では海賊版サイトが対象

スクリーンショットが禁止されることから、インターネット上では今回の改正案に対して「やりすぎだ」という声も相次いでいます。
ただ、現時点ではすべてのWebサイトからのダウンロードが禁止なのではなく、あくまでも海賊版サイトが対象となっているようです。

海賊版サイトとは、音楽や映像はもちろん、権利者に許可なくイラスト・写真・文章(歌詞含む)・コンピュータープログラムを載せたサイト全般のことを指します。
個人のブログやSNSに、違法にイラストなどをアップロードしていれば海賊版サイトとなります。

今後の影響と気をつけるべきこと

この改正案は通常国会に提出される予定で、早ければ来年からの施行となる見込みです。

現時点では海賊版サイトでのダウンロードが禁止されていますが、個人ブログやSNSを含めると「海賊版」と言えるサイトはかなり多く存在します。

スクリーンショットやコピ&ペーストは、ネットユーザーにとって日常的にしていた行為のため、施行されれば今後はスクリーンショットひとつとっても慎重に行なっていかなければいけません。

不用意にスクリーンショットしない

自分がスクリーンショットをしようとするものが、違法にアップロードされたとは知らず、ついやってしまうこともよくあります。
ネットユーザーの日常の私生活をふまえ刑事罰に関しては悪質な行為に限定されるとのことですが、今後の「あたりまえ」がガラリと変わるわけなので気をつけておくに越したことはないでしょう。

画面をスクリーンショットしたくなったときは、「そのサイトは海賊版サイトではないか?」「掲載された画像や文章は他人の著作物ではないか?」をしっかり見極める必要があります。

違法アップロードにも気をつける

海賊版サイトのダウンロードが禁止されれば違法アップロードも減ると考えられますが、公式サイトからのスクリーンショットは可能となっています。
ただ、そのスクリーンショットで撮影した画像をSNSで拡散したり、個人ブログに掲載する行為が違法アップロードとみなされる可能性もあるので注意しましょう。

すでに無断で掲載した著作物はすぐに削除した方がいいでしょう。
例えばTwitterなどで出回っている漫画のワンシーンの画像などです。

まとめ

今回の改正案に対してSNSでは反対意見が多いですが、今後施行された場合はその内容に従うほかありません。

全面的なダウンロードの禁止について考えてみると、今まで私たちユーザーは著作権を侵害する行為をあたりまえのようにやっていたとも解釈できます。

ネットユーザーの私生活が制限されるのは厳しいですが、新たな法改正があれば、その内容に数年かけて慣れていくしかないでしょう。

著作権について合わせてチェック

著作権とは?Web担当者、デザイナーが知るべき著作権

著作権とは?Web担当者、デザイナーが知るべき著作権

Webサービスを運営していると、必ずぶつかるのが著作権の問題です。著作権の侵害を侵していないのか、また自サイトの著作権を侵されていないのか、なかなか取っ付きづらいイメージを持っているのではないでしょうか。しかし、基本的なことをしっかりと理解すれば、意外ととっつきやすいものでもあります。 今回は著作権の基礎をご紹介します。

こんなに細かい!著作権の種類を徹底解説【著作者人格権・著作財産権・著作隣接権】

こんなに細かい!著作権の種類を徹底解説【著作者人格権・著作財産権・著作隣接権】

故意に著作権侵害を行わないにしても、気づかないうちに著作権侵害を行ってしまっている可能性もあります。意図せず著作権侵害してしまい、著作権元から訴えられるという事態を避けるために、今回は著作権の概要と種類を解説します。