人間の脳をシステムで再現しようとする「AI(人工知能)」の技術発展にはめざましいものがあります。2015年には1500円規模だった市場規模も、2020年には21兆20億円になるという予想もあり、これからの社会を考える上で欠かせない技術と言えるでしょう。

今回は、SNSのデータをもとにしたAIサービスを5つご紹介します。
TwitterやインスタグラムといったSNSに投稿されるデータは膨大な量であり、人工知能の分野におけるディープラーニングに活用されています。ぜひ最新の事例を学び、今後自身の働き方やサービスのあり方に変化があるのかを考えてみましょう。

参考:
AIビジネス市場規模は2030年度に2兆円、金融分野や公共分野でAI導入盛んに |ITpro Active

SNSデータをもとにしたAIサービス事例

AI(人工知能)は、多くの情報からパターンを導き出すことで学習していきます。例えば人間のプロ棋士と戦った対局データをもとに機械学習を行ってきた「Ponanza」などがそのいい例でしょう。

その点、Twitterやインスタグラムでは、日々膨大な量の投稿が行われています。こういったビックデータをAIに読み込ませることで新しいサービスが生まれています。

それでは、SNSのデータをもとにしたAIサービスの事例を5つ紹介しましょう。

参考:
プロ棋士に連勝!将棋ソフト「Ponanza」はなぜここまで強いのか (1/3)|ASCII.jp

1.経済産業省|景況感指数・鉱工業生産予測指数の算出

経済産業省では野村証券など複数の民間企業と提携し、SNSデータをもとにした景況感指数及び鉱工業生産予測指数を発表しています。
AIが、Twitterで呟かれている内容のうち景況感に関わるツイートを抽出、そのツイートの内容におけるポジティブ・ネガティブの度合いを数値化することで景況感指数を算出します。
また、鉱工業生産予測指数は、仕事や景況感に関わるツイートだけでなく、統計としてとっている各種データをもとに算出されます。

人間の感覚としての「景況感」をツイートから可視化する画期的な指数でしょう。

参考:
野村証券、AIとSNSを使った景気指標を開発|日本経済新聞

2.隅田川花火大会|SNSの投稿から会場周辺の事故やトラブルを察知

東京都内で行われる隅田川花火大会では、2017年初めてAIを利用した警備システムを導入したことを発表しました。Twitterやインスタグラムに投稿された情報をもとに、会場周辺で起こった事故やトラブル、交通情報をAIがリアルタイムで抽出します。

参考:
隅田川花火大会、AIがSNS投稿を監視 警備に活用 |ITmedia NEWS

3.Post Intelligence|AIによるベストなSNS投稿の提案

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http://postintelligence.ai/

「Post Intelligence」はTwitterやFacebook、ピンタレストにおける投稿をAIが評価し、エンゲージメントやいいね!を獲得できるベストな投稿方法を提案してくれるサービスです。

同サービスの責任者は、今後は、投稿を行うユーザー自身の癖や発信内容を覚えることで自動で投稿内容を考えることができる可能性も示唆しています。
もしこれが実現すれば、SNSの担当者は自分で投稿内容を練らなくてもよくなる日がくるかもしれません。

参考:
AIがSNS投稿を提案してくれる「Post Intelligence」、元グーグル社員が公開|CNET Japan

4.Newsdeck|SNSから事故・火事の映像を自動で収集

「Newsdeck」はSNSに投稿された画像のうち、事故や事件、火事といった写真を自動で抽出するサービスです。例えば、火事の写真を探したい場合、事前に火柱や消防車の写真をAIに読み込ませておくことで火事が写っている写真を認識することが可能になります。

特にマスメディアにおいて、現場に記者が行かなければ撮影できなかったものを、消費者から得ることができるサービスとして注目されています。

参考:
AIがSNSから“現場の映像”を収集、「Newsdeck」にフジテレビが出資 | TechCrunch Japan