ネットの変化は激しく、常に新しいサービスが生まれてきました。一方で、その変化に耐えきれなくなったサービスは終了していきます。

今回は「前略プロフ」「Yahoo!カテゴリ」「Yahoo!ツールバー」「Flashの4つのサービス終了から見えてくる、ネット環境の変化を解説します。

この4つのサービスは、それぞれ10年以上続いたサービスであり、親しみを持って利用してきた方も多いでしょう。これらのサービスが終了した理由からは、現在のネット環境が見えてきます。

過去を振り返ることで、ネットの世界で今何が重要視されているのかを学びましょう。
  

近年、終了を発表した4つのサービス

1. 中高生のコミュニケーションツールはプロフサイトからSNSヘ|前略プロフィール

2016年9月30日、中高生向けのプロフィールサイト「前略プロフィール」がサービス終了しました。

前略プロフィールは、2002年にリリースされて以降2000年代後半に急激に会員数が増大し、2010年に会員数630万人となりました。個人用の掲示板と60問程度のシンプルな構成で作成され、携帯電話からもアクセスしやすいことから中高生の間で流行しました。

ですが、2012年に楽天株式会社から株式会社ザッパラスへ譲渡されて以降、各種イベントを実施するものの予想した収益は得られず、2016年サービス終了に至っています。

その背景には、10代におけるSNSの普及が挙げられるでしょう。

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引用:別添3 平成28年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書|総務省

総務省が行っている調査によると、10代におけるSNSの利用率は2012年には54.7%だったのに対して2016年には81.4%にまで上昇しています。
プロフィールサービスに代わり、LINEやTwitterのようなSNSが中高生のコミュニケーションツールに移り変わっていることがわかります。

参考:
[【サービス終了】プロフで激しく自己紹介|前略プロフィール] (http://n.cgiboy.com/info/5765/)
[2013年4月期 通期決算説明資料|株式会社ザッパラス]
(http://www.zappallas.com/wp-content/uploads/resource/multi/pcnews_130620_171753_950.pdf)
「プロフ」はもうかるビジネスか 流行った理由は「誰も分からない」| ITmedia NEWS
[激しくありがとう!「前略プロフィール」開発者独占インタビュー| kakeru(かける)] (http://kakeru.me/other/hori-zenryakuprofile01/)
  

2. サイト数は増大、検索エンジンはロボット型検索エンジン一強へ|Yahoo!カテゴリ

ウェブサイト、ブログ、SNSのまとめサービス___Yahoo_カテゴリ.png
https://dir.yahoo.co.jp/

2017年6月、ディレクトリ型検索エンジンである「Yahoo!カテゴリ」は2018年3月29日にサービスを終了することを発表しました。

ディレクトリ型検索エンジンとは、ネットに公開されているホームページを人の手でチェックしていき、カテゴリわけした上で掲載するサービスです。1996年4月1日にリリースされ、2017年6月現在、約80万サイトが掲載されています。

では、そのような長年利用されてきたYahoo!カテゴリはなぜ今、サービス終了に至ったのでしょうか。

サービスの終了の理由について、Yahoo!JAPANは下記のとおり説明しています。

インターネットが普及し始めた当初は利便性の高いサービスとして存在しましたが、サイト数の爆発的増加やSNSの普及などにより、ウェブ環境は大きく変わりました。特にサイト数の増加は人の手による情報収集・登録作業を厳しいものとし、プログラム処理への移行を促しました。そのためYahoo!検索やGoogle検索などの「ロボット型検索」が主流となってきました。こうした世の中の動向を鑑みると、「ディレクトリ型検索」も一定の役割を終えたものと考え、サービスを終了する決断に至りました。
引用:[お知らせ| Yahoo!カテゴリ] (https://dir.yahoo.co.jp/info)

ここで説明されている「ロボット型検索」とは、独自のシステムによりネット上のホームページをチェックし、検索結果に反映させる仕組みを持った検索エンジンを指します。

代表的なロボット型検索エンジンである「Google」のシステムはYahoo!検索にも採用されており、ディレクトリ型検索がなくなる今、ますます検索エンジンにおけるGoogleの立ち位置が揺るぎないものになったと言えるでしょう。

参考:
Yahoo!カテゴリがサービス終了へ「ディレクトリ型検索は一定の役割終えた」 | マイナビニュース
  

3. 読み込み速度の向上やセキュリティへの対策が課題に|Yahoo!ツールバー

Yahoo_ツールバー.png
https://toolbar.yahoo.co.jp/

Yahoo!ツールバーは、ブラウザ上部に設置されたバーから、独自の機能を呼び出すことができるシステムです。Yahoo!ツールバーでは、Yahoo!検索や楽天などのサービスにおける検索ボックスを設置したり、ホームページのブックマーク情報を表示したりといったことが可能です。

ですが、2014年7月にはGoogleChrome版、2015年12月にはFirefox版の提供が終了しています。特にGoogleChromeでは、2013年12月に定められたプライバシーポリシーでツールバーの利用を禁じています。その理由として、Googleは3点挙げています。

・ ページの読み込みが遅くなる
・ UIが乱雑になる
・ セキュリティ上の問題につながる

中でも、Google検索結果を決める要素の1つとして加味されているほど、ページの読み込み速度は重要視されています。ユーザーの体験を損ねるとしてGoogle Chromeが対応しなくなったことで、Yahoo!ツールバーは需要を大きく失い、サービス終了に至ったのでしょう。

参考:
[CSSの読み込みを高速化するための5つのポイント|ferret] (https://ferret-plus.com/7854)
[Yahoo!ツールバー終了のお知らせとアンインストールのお願い| Yahoo!ツールバー] (https://notice.yahoo.co.jp/toolbar/archives/20170719IE.html)
[Yahoo!ツールバー(Firefox版)の提供終了のお知らせ |Yahoo!ツールバー] (https://notice.yahoo.co.jp/toolbar/archives/20151217FF.html)
[Yahoo!ツールバー(Chrome版)提供終了のお知らせ| Yahoo!ツールバー] (https://notice.yahoo.co.jp/toolbar/archives/20140708CHSA.html)
[Extensions Quality Guidelines FAQ|Google Chrome] (https://developer.chrome.com/extensions/single_purpose)
  

4. セキュリティ対策の重要性やHTML5の普及が背景に|Flash

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https://get.adobe.com/jp/flashplayer/

Adobeは2020年の年末をもって「Flash」のアップデート及び提供を終了することを発表しました。

Flash」とは音やアニメーションを作成するためのソフトと、その作品を再生するためのFlashプレイヤーで構成される技術を指します。データサイズを小さくしながらも、アニメーションや音声といった複雑な表現が行えることが特徴で、プレイヤーは無料だったことから社会に広く普及しました。

一方で、社会に広く浸透したにもかかわらず、バージョンの更新が古い状態のままにされていたFlashサイバー攻撃のターゲットとなることも多く、問題点が指摘されていました。

実際、セキュリティ上の問題を理由の1つとして、iPhoneでは一度もFlashへの対応を行いませんでした。加えてGoogle Chromeを中心に多くのブラウザでも、ユーザー自身の手で許可しなければ利用できない仕様となっています。また、動画や音声の埋め込みが簡単になり、Webアプリケーションを作りやすくなったHTML5が普及したことも、Flashのサービス終了を早めた理由です。

参考:
[Adobe、2020年末でFlashのサポートを終了と発表 | TechCrunch Japan] (http://jp.techcrunch.com/2017/07/26/20170725get-ready-to-say-goodbye-to-flash-in-2020/)
[改めて知っておきたい、HTML5とHTML4の違いとは?|ferret] (https://ferret-plus.com/4977)
[Flash & The Future of Interactive Content | Adobe] (https://blogs.adobe.com/conversations/2017/07/adobe-flash-update.html)
Thoughts on Flash| Apple
  

まとめ

今回紹介した、4つのサービスはどれも10年以上の歴史を持つサービスであり、インターネットの普及に役立ってきました。そのような歴史あるサービスだからこそ、終了の理由はどれも現在のWeb環境の変化を感じさせるものでしょう。

この4つのサービス終了からは、以下のような2つの事象が見えてきます。

・SNSなどで個人が情報発信できるようになったことで、ネットに掲載される情報量が増大し、検索エンジンはロボット型検索エンジンの「Google」一強になった。
・Googleが掲げる「ユーザー体験の向上」を実現できる、ページの読み込み速度が早さが重要になっている。

また、上記に加えて、Yahoo!ツールバーやFlashの終了からは、より高度なセキュリティ対策が必要とされていることもわかるでしょう。

ネットの世界は変化が激しく、常に新しいサービスが生まれてきました。そうした新しいサービスだけではなく、終了したサービスを見ることで、ネットの利用環境の変化が見えてくるかもしれません。