"Bing(ビング)"はMicrosoftが提供する検索エンジンです。2009年に提供が開始された比較的若い検索エンジンですが、iPhoneやiPadで提供される音声アシスタントSiriの検索に採用されるなど躍進しています。

Bingをメインの検索エンジンに選択する人の増加を考えると、WebサイトをBingに最適化する必要性がでてくるのではないでしょうか。Google同様、BingもBing向けの検索エンジン最適化ツールを提供しています。それが「Bing Webマスターツール」です。

Bingの検索結果上位に表示されるために、ツールを使ってWebサイトを最適化しましょう。
  

Bing Webマスターツールとは

Bing Webマスターツールとは、検索エンジンBingで、所有するWebサイトを上位に表示させるための解析ツールです。Webサイトの分析や診断を細かくできるため、Bingに最適化するなら外せません。さらにSEOやモバイル対応の診断も行えるので、Webサイトを所有しているなら登録して損はありません。
  

Bing Webマスターツールに自社サイトを登録する

Webサイトの解析結果閲覧や最適化を行うには、Bing Webマスターツールへのユーザー登録と最適化したいWebサイトの登録が必要です。まずはユーザー登録方法から順に説明していきます。
  

Bing Webマスターツールへの登録方法

Webマスターツールの登録は、Microsoftアカウントを使って行います。すでにMicrosoftアカウントを持っている方はそのままログインすることが可能ですが、持っていない方はMicrosoftアカウントの取得から始めましょう。

●STEP1
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まずは http://www.bing.com/toolbox/webmaster/?cc=jp にアクセスしてトップページの「サインイン」をクリックします。

●STEP2
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サインインをクリックすると、Microsoftへのログイン画面に移ります。アカウントを所有していない場合は、画面下部の「作成」からMicrosoftアカウントを作成してください。これでユーザー登録は完了です。
  

Webサイトを登録する

ユーザー登録が完了すると「自分のサイト」というページが開くので、Webサイトの登録に進みましょう。

●STEP1
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「サイトの追加」という部分に、WebサイトURLを入力して「追加」をクリックします。

●STEP2
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サイトの詳細情報入力エリアが表示されます。※印がついた入力必須情報以外は空白で大丈夫です。
連絡先設定は全てのチェックを外しても登録に支障はないので、メールを受信したくない場合は、チェックを外して登録しましょう。
入力が完了したら「保存」をクリックしてください。

●STEP3
次はサイト所有権の承認に移ります。次の3つの方法から、登録したサイトを所有しているユーザーだと証明しましょう。すぐに認証できるオプション1と2がオススメです。

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オプション1 手順どおりにダウンロードしたファイルを「index.html」ファイルがある場所にアップロードしてページ下部の「確認」をクリックして認証します。

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オプション2 metaタグをコピーして index.html のhead部分に挿入したら、ページ下部の「確認」を押して認証します。

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オプション3 DNSにレコードを追加して認証します。レコードの追加方法は使用しているプロパイダーごとに異なるため、まずはご使用のプロパイダーにお問い合わせください。

●STEP4
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Webサイトの追加が正常に完了すると、画像のようにダッシュボードが表示されます。
  

Bing Webマスターツールの設定方法

まずはサイトの各種設定を行いましょう。左に表示されるメニューの「自分のサイトの設定」をクリックしてください。
  

サイトマップ

BingにWebサイトを確実にクロールしてもらうために、サイトマップをBingに直接送信しましょう。

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サイトマップの送信と記載がある場所の下部にURL入力ボックスがあるので、所有するサイトのsitemap.xmlを入力して送信します。

サイトマップ送信後に初めは保留中となりますが、数日経つとクロールが完了します。「最終クロール」に日付が表示されて、「状態」が成功となればサイトマップの設定は完了です。
  

URLの送信

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URLの送信を行うと、直接Bingに指定したURLクロールするように依頼を出すことができます。重要なコンテンツや新しいコンテンツを公開した際に使うと良いでしょう。
送信できる数は上限があり、月に50 件まで。1日10 件までと決まっています。
  

URL パラメーターを無視する

この項目ではパラメーターを設定することで、重複するコンテンツインデックス化を避けるように設定できます。
http と https の違いや index.html の有り無しといった「内容が同じなのにURLが若干異なるURL」は、Googleからの評価が分散してしまいます。SEOの面から考えて、重複コンテンツができないように気を付けましょう。

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赤枠で囲んだ入力ボックスに、除外したい文字列を入力します。
例えば、「 https://www.marketing.com/??aa=11 」というURLを除外したい場合は、入力ボックスに「 ??aa=11 」と入力して送信しましょう。
  

クロール制御

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ここではWebページクロールする時間帯の指定ができます。
コンテンツの更新時間がわかる場合はコンテンツ更新後にクロールを設定すると、サイトの変更をいち早く検索エンジンに通知できるというメリットがあります。
  

ディープリンク

ディープリンクとはトップページ以外のリンクのことです。この機能を利用することで、トップページ以外のURLをBingの検索結果から最大90日間ブロックできます。

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1)ブロックしたいディープリンクを入力します。
2)ブロックしたいディープリンク検索結果で紐づいているURLを指定できます。大抵の場合はトップページと紐付いていますが、何も入力しないと上位表示された全てのURLから指定したディープリンクをブロックできます。
3)ディープリンクをブロックする国や地域を指定できます。

全ての設定が完了したら「ブロック」をクリックして適用しましょう。
  

URLのブロック

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赤枠部分に入力したURLをBingの検索結果に最大90日間表示しないようにできます。
検索結果に一時的に表示したくないページが有る場合などに使います。ただし、90日後には戻ってしまうため、完全に消したい場合はコンテンツを消すなどの対応が必要です。
  

ページプレビュー

検索結果からページプレビュー画像をブロック、またはページプレビュー画像の更新を要求して画像の更新ができます。ブロックと更新が反映されるのは、24時間以内です。

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まずはブロックまたは更新したいプレビュー画像があるURLを入力して「取得」をクリックします。

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取得が完了すると、「ブロック」または「更新要求」が選べるので、アクションと理由を選択したら「送信」をクリックして完了です。
  

リンクの否認

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指定のURLを報告することでサイトについている低品質なリンクを報告できます。
  

ジオターゲティング

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設定したドメイン全体、サブドメイン、ディレクトリ、またはページをどこの地域のユーザーに見て欲しいか定義できます。
見て欲しい地域とURLを入力して「送信」をクリックしましょう。
  

所有者の確認

Webサイトを登録した際に行った所有権の確認を再度行えます。
  

接続ページ

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サイトに関連のあるSNSをBingに通知できます。クリック数や表示件数も確認できるので、ソーシャルメディアアカウントを持っているなら登録しましょう。
  

ユーザー

ほかのユーザーにWebマスターツールを介してサイトを操作する権限を与えることができます。

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1)に追加したいユーザーのMicrosoftに登録したメールアドレスを入力します。
2)はユーザーが操作できるサイトのURLです。
3)はユーザーが操作できる範囲を指定します。
4)のキーは自動で設定されます。管理者がだれかを示したキーです。

全て入力したら「追加」をクリックして完了です。
  

Bing Webマスターツールのレポートを活用する

登録したサイトのトラフィックの確認などが行えます。左メニューから「レポート&データ」を選択しましょう。
  

ページトラフィック

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所有しているサイトのBingの検索結果に表示された上位URLを確認できます。

ページ 上位表示されたWebページのアドレス
クリック数 検索したユーザーが検索結果一覧ページリンクをクリックした回数
表示回数 検索結果一覧ページリンクが表示された回数
クリックスルー率 検索数に対して実際にクリックされた割合
クリック数平均順位 検索結果一覧ページのアドレスがクリックされた時の平均順位
表示回数平均順位 検索結果一覧ページでアドレスが表示された平均順位
キーワード検索 この項目に表示された「ビュー」というリンクをクリックすると、そのページにたどり着くまでに検索されたキーワードが表示されます。キーワードごとにクリック数や表示回数のチェックも可能
  

ページのモバイル対応度

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アカウントで認証したサイトを隔週で自動的にスキャンして、モバイルフレンドリーかどうかをデータで示します。

モバイル対応 モバイル対応している場合は、チェックマークが付きます。
モバイル対応度分析 モバイル対応度の分析結果です。リンクをクリックすると詳細が表示されます。
  

インデックス エクスプローラー

ここでは認証したサイトのディレクトリが表示されます。リンク切れやrobots.txt によって除外されたURLも確認可能です。この項目を確認することで、最近のクロール検索エンジンからWebサイトをどのように見られているか確認できます。

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1)カスタムオプションで検索するディレクトリを設定できます。
2)表示件数などディレクトリの詳細を表示します。
  

キーワード検索

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検索結果一覧ページに表示されるキーワードのクッリク数や表示回数がわかります。ページトラフィックをキーワードに絞って表示したようなものです。
提供ページの「ビュー」をクリックすると、そのキーワードで上位表示されているURLを確認できます。
  

SEOレポート

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隔週でサイトを自動的にスキャンし、SEO面で修正できる箇所をBingが指摘してくれます。
「img タグで ALT 属性が定義されていません」や「確認が必要な Meta Robots タグページで使用されています」など修正できるページがコメントと共に表示されます。
  

インバウンドリンク

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バックリンク数が日付ごとに折れ線グラフで確認できます。ページ下部の「ターゲットページ」にはバックリンクの多い順にURLリンク数が表示されます。
  

クロール情報

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BingがWebサイトクロールする際に、エラーが起こったページを指摘します。

●指摘内容
・ HTTP400-499コードのエラー
・ HTTP500-599コードのエラー
・ HTTP301コード(恒久的に変更する永久転送)
・ HTTP302コード(一時的なリダイレクトコード)
・ robots.txtの除外
・ DNSエラー
・ 接続タイムアウト

  

Bing Webマスターツールの診断ツール

診断ツールは、サイトが上位検索されるために役立つ便利機能が揃っています。左メニューの「診断ツール」をクリックすると各メニューの一覧が表示されます。
  

モバイルフレンドリーテスト

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モバイルフレンドリーテストではサイトページがモバイルで見やすいページか検証できます。まずは入力ボックスに検証したいページURLを入力しましょう。

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モバイルフレンドリーかどうかの結果が出ます。モバイル対応に関するアドバイスが表示されるので、×のついた部分を改善しましょう。
  

キーワード調査

指定したキーワードがBingでどれくらい検索されているか確認できます。

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(1)に検索したいキーワードを入力して「検索」をクリックすると、関連キーワードと表示回数が表示されます。
赤枠の(2)で検索する地域や日付など検索オプションを設定できます。
  

Bingbot として取得

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WebページをBingのクローラーであるBingbotがどのようにクロールしているか確認できます。「URLを入力します」と表示されている部分にURLを入力して取得をクリックすると情報が表示されます。
  

マークアップ バリデータ

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入力したページのマークアップ言語が正しいか検証できます。URLを提供することで、URL先に含まれる画像やレビュー評価といったリッチスニペットをBingの検索結果一覧に表示できます。
  

SEOアナライザー

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(1)にURLを入力して「解析」をクリックすると、指定したWebページSEO修正点を解析してくれます。
  

Bingbot 検証ツール

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WebサイトをBing botがクロールしているか検証します。入力ボックスに調べたいWebサイトのIPアドレスを入力して、送信をクリックしましょう。
  

サイト移転

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サイトの移動をBingに通知できます。サイト内で別の場所にURLを変更した時は(1)にチェックを入れて送信、別サイトにURLを移した場合は「移動先」に移動先のURLを入力して「送信」をクリックします。301リダイレクトを行った場合にも有用です。別サイトにURLを移した場合は、そちらのサイトもBing Webマスターツールに登録しておきましょう。
  

まとめ

WebマスターツールはBingに最適化するだけではなく、SEOやモバイル対応に関するアドバイスも行ってくれます。Bingにサイト更新内容をいち早く通知するために使うことはもちろんですが、ツールを使うことでサイト改善にも役立ちます。

Webサイトを所有しているユーザーにはオススメのツールです。ぜひ使ってみてください。