タイのオンラインショッピング事情

現在、タイにもオンラインで物を買う習慣がどんどん広がっています。その中でも、タイでごく自然なショッピング方法として親しまれているのが「チャットコマース」です。

こちらは“チャット=会話型”で商品が提示され、購入まで全てそのチャット上で完結するサービスです。東南アジアでは、オンライン消費者の約80%以上がSNSやメッセージアプリを使って商品を調べ、 さらにその先の売り手とつながっています(アカウントのフォロー等)。また、実際の購買取引もSNSが30%を占めています。

参考:
The Rise of Chatbots: Targeting Southeast Asia’s Booming Chat Commerce Space|ecommerceIQ

さらに驚くべきことは、こちらの資料によるとタイのオンラインショッピング市場の半数をチャットコマースが占めていることです。テクノロジーの進化が進み、これからの買い物はどうなるのかと思いきや、まさかのアナログの暖かさを感じる方法がタイのオンラインショッピングを支えています。

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チャットコマースの「オンラインの便利さ」と「直接買い物する際に店員にいろいろ聞ける楽しさ」、両方の良いとこ取りな点が受け入れられているのではないでしょうか。
  

実際にチャットコマースのやりとりを見てみよう

LINEを筆頭に普段のやりとりはもちろん、仕事にもslackやチャットワークといったチャットサービスを使うことも少なくなくなってきた現在、チャットというスタイルは身近な存在です。

そこで、“百聞は一見にしかず”ということで、実際に買い物をしてみました!

今回はタイで大人気の韓国コスメをテーマに、関連商品を取り扱うOrange fox Koreaで実践してみました。
  

まるで友達感覚のような自然なやり取りが生まれる

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LINEをつかって、時にスタンプも織り交ぜながら、友だちとのやりとりのような気軽さで取引が進みます。欲しい商品をインスタグラムのスクリーンショットで伝えて注文すると、先方から振込先が届き、お買い物完了です。

まるで友達が海外旅行に行く際に、「お金を払うからこれを買ってきて!」と頼むようなやりとりだと感じませんか。

でも、1つひとつのやりとりはこんなにミニマルなのに、市場の半分を占めることができるのはなぜなのでしょうか。それを支えているのが冒頭のソーシャルバイヤーであり、日本や韓国で仕入れてタイの国内で販売をするというスタンスが支持されていることです。

ちなみに、ソーシャルバイヤーと一口に言っても、仕入れて自分のFacebookやインスタグラム(=店)を活用して売る場合もあれば、また別のバイヤーに卸す場合もあります。SNSを軸にしながらも、小売の流通ができているのです。