よく耳にする「ファシリテーター(facilitatior)」ですが、イメージはできるものの具体的にどのようなことをする人なのか分からないという方も多いのではないでしょうか。

ファシリテーターとは簡単に言えば良い会議へと導く進行役のことで、会議を円滑に進めるためには欠かせない存在であり、よくオーケストラでいう指揮者のようだと例えられます。今回は、そんなファシリテーターの役割から、上手にこなすためにはどういう点に気を付ければいいかのコツを紹介します。
  

ファシリテーター(facilitatior)とは?

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出典:http://www.ashinari.com/2009/08/12-026182.php

ファシリテーター(facilitatior)とは、ファシリテーションという役割を行う人のことです。では、ファシリテーション(facilitation)とはどういう意味なのかというと、以下のような意味があります。

参加者の主体性を促し、多様な人材から、それぞれの経験や専門分野を尊重しながら、各人の多様な意見やアイデア、動機などを最大限に引き出し、話し合いにおける相互作用のプロセスをより有効・有益にするための、働きかけを意味する。その結果、問題の解決、新たな創造、気づきや学び、相互理解や情報共有などを促進する。

ファシリテーションは、「目的達成」、「時間」、「人の力活用」という、トレードオフにある3要素を最適化しながら、議論や学習、交流などの進行を促す「機能」である。

引用元:Weblio辞書

ファシリテート(facilitate)という言葉には、「容易にする」「楽にする」「促進する」といった意味があります。つまり、*何らかの事柄を円滑に進むよう支援する働きを「ファシリテーション」といい、そのために動く人のことを「ファシリテーター」*といいます。

ファシリテーター(facilitatior)の役割とは

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出典:http://www.ashinari.com/2009/08/12-026175.php

ファシリテーターの役割を大きくわけると2つあります。

1つは物事や予定の進行・段取りといったもの、もう1つは集団にいる1人1人の考えや思いを整理するものです。会議を例にすると、会議の時間や場所などを決める段取りに加えて、参加する人たちの言い分を把握したり、議論をスムーズに進めるための進行をします。

単に物事を進めるための調整を行うだけでは、集団が満足感を得られなかったり、思うような成果が得られないことがあります。そこで重要となるのが、内面的な部分に対する調整です。

集団には様々な考えを持った人がいるため、時には意見が合わなかったり話が進まないことも少なくありません。そんな状態に陥った時、ファシリテーターが段取りだけでなく、参加者間の調整も行うことによって、会議を良い方向に持って行くことができます。

会議という場面でファシリテーターが行うべきことについて、具体的に挙げてみると以下のようなものがあります。
  

1.意見を聞き出す

参加者からの意見を聞き出し、全員に見えるようホワイトボードに書き出します。

聞き出す時に重要なのが、受け身で意見を聞くのではなく、意見を出すように働きかけるということです。能動的に聞き出すことで、あまり発言しない人からの意見も引き出すことができます。

また、ファシリテーターはあくまで進行役ですので、自分の考えを意見しないというのもポイントです。意見を出すとしても、話のきっかけになるようなもの程度に抑えておきます。参加者が意見を出しやすい環境を作り出すのがファシリテーターの目標です。
  

2.意見をまとめる

参加者から出た意見を全体が確認できるようにし、まとめていきます。参加者全員に今出ている意見を眺めてもらい、意見がほかにないか「聞き出し」と「まとめ」を続けていきます。意見をまとめることで、参加者間の認識が共通になっていきます。
  

3.意見を整理する、絞りこむ

様々な意見を整理し、特に重要な意見・必要な意見に絞り込みます。意見がたくさん出ることは重要ですが、実際には全てを実現することは困難なこともありますので、選択する必要があります。