ビジネスマンであれば、Microsoft Office Wordはある程度使いこなせるようになっておくべきでしょう。
基本機能だけを使っていても特に問題はありませんが、どうせなら効率的に利用したいところです。

今回は、Wordユーザーであれば知っておきたい、便利な小技をご紹介します。
どれも作業効率をこれまで以上にアップしてくれるものばかり、かつ、知っているようで意外に使いこなせていない方も多い小技ばかりですので、Word初心者の方はもちろん、長らく使用している方も確認のためにぜひ一読しておくことをオススメします。

なお、本記事内で操作しているWordは2011年版です。

(特に注釈等ないものに関しては、基本的にWindows・Macともに類似の操作で作業を行うことができます。)

Word使用者にオススメの小技7選

1.挨拶文の挿入

メルマガの原稿や手紙などの下書きをWordで行う、というようなビジネスマンにオススメの裏技です。
Wordには、季節や場面に応じてさまざまな挨拶文のテンプレートが搭載されています。
これらのテンプレートを使用すれば、冒頭の挨拶文はもちろん、起こし言葉や結びの言葉などでどのような文章を入れたらよいのか悩む時間を大幅に短縮することができます。

step1.

1.png
まず、画面上部のメニューから「挿入」を選択し、表示されたプルダウンメニューから「定型句」にカーソルを合わせます。
するとさらにメニューが表示されますので「挨拶文ウィザード」「挨拶文」「起こし言葉」「結び言葉」という項目のいずれかを選択します。
季節を意識しない文章を使用する場合は、場合に応じて「挨拶文」「起こし言葉」「結び言葉」のいずれかにカーソルを合わせて、使用したいものをクリックします。
「挨拶文ウィザード」については、次のstep2.を参照ください。

step2.

2.png
「挨拶文ウィザード」では、季節に応じて正しい季語を使用した挨拶文を作成することができます。
クリックするとポップアップ画面が表示されますので、文書を相手に送信する時期(1月〜12月から選択可能)を選択し、表示された季語・安否の挨拶・感謝の挨拶のボックス内から文章を選択して組み合わせ「挿入」をクリックします。
なお、季語・安否の挨拶・感謝の挨拶のいずれかのみの使用でも構いません。
その場合は、使用しないボックスを空白にしたまま「挿入」をクリックしてください。

step3.

3.png
挨拶文ウィザードで文章を組み立てれば、季語を使用した挨拶文の作成が数分で終了します。
どのような季語を使用すれば失礼がないのか、その都度調べて入力するというのは非常に面倒な作業ですので、ぜひ活用することをオススメします。

2.PDFファイルをWordで開く(Windowsのみ)

取引先などから契約書などがPDFで送信されてくる、というのは珍しいことではありません。
PDFファイルは互換性が高く、デバイスを問わずに簡単に閲覧することができるため、文書ファイルをやり取りする際に頻繁に使用されるファイル形式だからです。
しかし、PDFファイルには文書の編集や修正を簡単に行うことができない、というデメリットもあります。
PDFをそのままリーダーで開いてコメントなどを書き込む、というのもひとつの手法ではありますが、Wordを使い慣れている方であればWordで開いてコメント等を入れると、作業効率があがりやすくなるため非常にオススメです。

ただし、特に画像が多く使用されているPDFの文書についてはまったく同じ書式で開かれるとは限りませんので、注意してください。
また、Macユーザーの方がPDFファイルをWordで開きたい場合には、専用のソフトが必要となります。
Macユーザーの方がPDFファイルを開いて編集を行う場合は、Pagesを使用することをオススメします。

step1.

4.png
まず、Wordアプリを開きます。
画面左側のメニューを見ると「最近使用したファイル」の下に「他の文書を開く」というメニューが表示されていますので、クリックしてください。

step2.

5.png
続いて「コンピュータ」をクリックしてPDFファイルが保存されている場所を指定して開きます。

step3.

22.png
PDFファイルの保存場所から、ファイルをクリックして「開く」をクリックします。

step4.

6.png
ファイルを選択すると、ポップアップメッセージが表示されて変換を行うか問われますので「OK」をクリックしてください。
今後特にメッセージを確認する必要がなく、そのまま変換作業を行いたい、という場合には「今後このメッセージを表示しない」にチェックを入れて「OK」をクリックします。

step4.

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PDFファイルがWord上で開かれ、編集・修正できるようになります。

3.WordファイルをPDFに変換

「 2.PDFファイルをWordで開く」とは逆に、Wordで作成した文書をPDFファイルに変換する方法です。
文書を固定化して相手に送信する場合、Word形式のまま送信するのではなくPDFファイルに変換する、という作業はビジネスマンなら難なくこなしたいところ。
この作業はWindows・Mac問わずどちらでも行うことができます。

・Macの場合

step1.

8.png
まずPDFファイルに変換したい文書を開き、画面上部のメニューから「ファイル」を選択、表示されたプルダウンメニューから「名前をつけて保存」をクリックします。

step2.

9.png
ボックスが表示され、ファイルに任意の名前をつけることができます。
ファイル名を入力したら「フォーマット」をクリックし、表示されたプルダウンメニューから「PDF」を選択してください。
これで変換の完了です。

・Windowsの場合

step1.

10.png
まずPDFファイルに変換したい文書を開き「ファイル」を選択後「エクスポート」から「PDF/XPDFドキュメントを作成」をクリックします。

step2.

11.png
ウィンドウが表示されますので、ファイル名を入力後に「ファイルの種類」で「PDF」を選択し「発行」をクリックすれば変換の完了です。

4.翻訳機能

インターネット上で情報収集を行っている際や共有された文書を読んでいる際などに、英語など日本語以外の文章が含まれるケースは多々あります。
もちろんGoogle翻訳などで翻訳作業を行っても構いませんが、Word上でも簡単に翻訳作業を行うことができます。
特にWordファイル内に日本語以外の言語で書かれた文章が記載されている場合に使いこなせると、作業効率アップに役立ちます。

なお、作業内容をご紹介するために使用した英文は、以下のページより一部引用しています。
参照:Hurricane Harvey Strands Thousands—Here's How to Help |Condé Nast Traveler

step1.

12.png
まず翻訳したい範囲を選択状態にします。
次に画面上部のメニューから「表示」を選択、表示されたプルダウンメニューから「リファレンスツール」をクリックします。

step2.

13.png
「リファレンスツール」のボックスが表示されますので、辞書アイコンをクリックし「翻訳」部分のウィンドウを開きます。
「翻訳前」「翻訳後」の言語を選択することができますので、正しい言語を設定してください。
ここで正しい言語を設定しなければ、翻訳機能を正常に使用することができませんので注意が必要です。

5.変更箇所の記録

特に編集・ライティング業務などを行う方であれば知っておくべき、変更箇所を記録することができる作業です。
知っているようで実はあまり使いこなせていない、という方も少なくないのではないでしょうか。
変更箇所を記録しておけば、最初に作成した文書と仕上がった文書の違いを把握して今後に役立てることができるため、非常に便利です。

14.png
まず、Wordの上部に表示されているリボンから「校閲」をクリックします。
続いて「変更履歴ウィンドウ」をクリックしてください。
すると画面左側にウィンドウが表示され、変更履歴の一覧が表示されます。

1https://ferret.akamaized.net/images/59a558d4781b876f6c00005d/original.png?1504008403
なお「変更履歴の記録(画像赤枠部分)」をオンにしておくと、細かい変更であってもすべて記録されます。
こちらはデフォルトではオフになっています。
また「変更履歴とコメントの表示(画像青枠部分)」をクリックして表示されるプルダウンメニューで、なにを表示するのかを選択することも可能です。
こちらはデフォルトでは「コメント」「挿入と削除」「書式設定」「吹き出し表示領域の背景色」「更新箇所の強調表示」にチェックが入っています。

6.ハイパーリンクの自動設定の変更

参照や引用などを行って参照元(引用元)のURLを掲載する際に、ペーストしたURLのハイパーリンクをオン/オフにする方法です。
デフォルトではオンになっているため、URLをクリックするとそのまま該当ページが表示されます。

・Macの場合

step1.

16.png
まずWordを開いて画面上部のメニューから 「Word」を選択、表示されたプルダウンメニューから「環境設定」をクリックします。

step2.

1https://ferret.akamaized.net/images/59a558d4fafbd838c100006c/original.png?1504008403
「環境設定」のボックスが表示されますので「オートコレクト」をクリックします。

step3.

18.png
「オートコレクト」のボックスが表示されますので「入力フォーマット」をクリックし「入力中に自動で変更する項目」の中から「インターネットとネットワークのアドレスをハイパーリンクに変更する」を確認します。
ここにチェックが入っていればハイパーリンクがオンに、チェックが外れていればオフに設定可能です。

・Windowsの場合

step1.

19.png
Windowsの場合は「ファイル」タブを開いたら、画面左側のメニューから「オプション」をクリックします。

step2.

20.png
オプション画面が表示されますので「文章校正」を選択し「オートコレクトのオプション」をクリックします。

step3.

21.png
「オートコレクト」の画面が表示されますので、Macの場合と同じように「インターネットとネットワークのアドレスをハイパーリンクに変更する」を確認してください。

7.便利なショートカットキー一覧

パソコン作業には欠かせないのが、ショートカットキー操作。
ショートカットキーを覚えれば覚えるほど、作業効率が格段にアップすること間違いありません。
ここでは特に覚えておきたいショートカットキー15を厳選してご紹介しますので、まずはこれらからマスターしてみてはいかがでしょうか。

・command+C:選択範囲をコピー
・command+V:ペースト
・command+B:選択範囲の文字を太字に変更
・command+I:選択範囲の文字を斜字体に変更
・command+「:選択範囲の文字を1ポイント小さく
・command+」:選択範囲の文字を1ポイント大きく
・command+U:選択範囲の文章に下線を引く
・command+E:選択範囲の文章を中央揃えに
・command+L:選択範囲の文章を左揃えに
・command+R:選択範囲の文章を右揃えに
・command+Z:ひとつ前の作業に戻す
・command+Y:戻した作業をひとつ進める
・command+S:保存
・command+P:印刷
・command+W:Wordを閉じる

なお、Windowsユーザーの方は「command」を「Ctrl」に変更して使用してください。
また、command+W(Ctrl+W)のショートカットキーは、作成中のファイルであっても閉じてしまいますので、基本的には使用しないように注意してください。

その他、ショートカットキーの一覧は以下のページより確認することができます。

Mac版
参照:Word for Mac のキーボード ショートカット|Word for Mac

Windows版
参照:Windows 版 Microsoft Word のキーボード ショートカット|Word