D2Cは近年注目を集めているビジネスモデルです。この記事では、アパレル、スキンケア、食品分野のD2Cの成功事例16選を紹介します。日本で成果を出すための施策についても紹介しているので、これからD2Cを始めたいと考えている方はぜひ参考にしてください。

目次

  1. D2Cの近年の傾向
  2. 【アパレル編】日本のD2Cブランド成功事例4選
  3. 【化粧品・スキンケア編】日本のD2Cブランド成功事例4選
  4. 【食品編】日本のD2Cブランド成功事例8選
  5. D2C事業を成功に導く方法や施策
  6. D2Cの成功事例から確実に利益を生み出す仕組みを構築しよう

D2Cの近年の傾向

成功しているD2Cブランドは、ブランドのストーリーやコンテンツを通じて顧客とのエンゲージメントを高めています。

また、顧客との接点を増やす取り組みとして、異業種コラボレーション体験型ストアへの出店などが注目されており、これらを活用することで実店舗を持たないD2Cブランドでもリアルな体験を提供できます。

D2Cについて詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。

D2C(DtoC/ディーツーシー)とは?成功のために押さえておきたいポイントと事例を解説

D2C(DtoC/ディーツーシー)とは?成功のために押さえておきたいポイントと事例を解説

D2C(DtoC)とは、2000年代後半よりインターネットの普及やEC市場の拡大によって徐々に増えてきたビジネスモデルです。D2Cとはどんな形の取引のことを意味するのか、メリット・デメリット、成功事例などを紹介します。

【アパレル編】日本のD2Cブランド成功事例4選

ここからは、アパレルD2Cブランドの成功事例を4つ紹介します。

1.SOÉJU

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出典:SOÉJU

● 試着を目的とした「売らない店」を展開

SOÉJUは、予約制のショールーム型店舗を運営しているD2Cブランドです。店内には常時100点ほどのアイテムが用意されており、試着して気に入った商品を後からECサイトで購入できます。

ショールームに訪れる顧客は全体の1割程度にとどまっていますが、来店経験のある顧客は、年間購入金額が約2倍高い傾向があるというデータが出ています。

参考:日経クロストレンド「人気D2Cに学ぶ「売らない店」の作り方 3つのポイントで事業設計」

2.ALL YOURS

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出典:ALL YOURS

●顧客と価値を共創するスタイル

ALL YOURSは、流行に合わせた大量生産・大量商品のビジネスモデルに疑問を抱いたところからスタートしたD2Cブランドです。

作り手と受け手という二元論ではなく、顧客と価値を共創するスタイルでクラウドファンディングにチャレンジ。15のプロジェクトで成功し、累計4000名弱、総額5,700万円以上の支援を達成しました。

参考:Marketing Native「オールユアーズ」から学ぶ、顧客と価値を共創するブランドとは?【みる兄さんが話題のプロダクトを考察する連載・第2回】

3.FABRIC TOKYO

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出典:FABRIC TOKYO

● オーダーメイド商品をWeb販売

FABRIC TOKYOは登録、サイズを店舗で計測して、Web上でオーダーメイドのスーツやシャツを購入できるD2Cブランドです。

高価なイメージがあるオーダースーツですが、Web販売にして入店のハードルを下げるとともに、中間マージンを省いて3万円台での販売を実現しています。

参考:MarkeZine「FABRIC TOKYOがD2Cで実現する、消費者に半歩先の未来を見せるブランド体験」

4.CRAFTCRAFTS

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出典:CRAFTCRAFTS

● リユースでサステナブルな新プロジェクト

CRAFTCRAFTSは、古くなった土屋鞄製造所の鞄を無料で引き取り、職人が修理して25%から最大半額で再販売するD2Cブランドです。

アンケートによると、引き取りサービス利用者の9割が「満足」と回答しており、リユース品の購入者からは、「状態が良い」「味わいのあるバッグをお得に手に入れられた」などの声が上がっています。

参考:Spaceship Earth「株式会社土屋鞄製造所:ユーザーに寄り添い、時を超えて愛される価値を作る」

【化粧品・スキンケア編】日本のD2Cブランド成功事例4選

続いて、化粧品・スキンケアD2Cブランドの成功事例を4つ紹介します。

1.BOTANIST

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出典:BOTANIST

● 営業組織を構築してオフラインに販路を拡大

BOTANISTは累計販売数1.5億以上、ヘアケア市場メーカーシェア国内2位を獲得しているD2Cブランドです。

オフラインからオンラインへのシフトを進めるために、営業組織と卸のコーディネーター機能を構築し、棚割りのための商談やアテンションポップの強化を図っています。

参考:CommercePick「I-neが語るD2C成長の秘訣!オフライン進出を支える卸との付き合い方【セミナーレポート】」

2.MEDULLA

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出典:MEDULLA

● 正確なデータを収集してパーソナライズの精度向上

MEDULLAは、日本初のパーソナライズ ヘアケアサービスを展開するD2Cブランドです。髪質診断データをもとに、顧客の悩みに最適な成分を配合したヘアケアアイテムを配送します。

50万人を超える会員情報、髪質診断データ、使用後のフィードバックなど、正確なデータを収集・蓄積することで、パーソナライズの精度を高めています。

参考:ECのミカタ「パーソナライズ×D2C。消費者一人ひとりと向き合う時代」

3.オルビスユー

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出典:ORBIS

● リブランディングで進化し続ける

オルビスユーは、ORBISが大切にしてきた「肌が本来持つ力を信じて、引き出す」という企業コンセプトに立ち戻ってリブランディングしたD2Cブランドです。

発売からわずか2ヵ月で異例の販売累計67万個を突破し、これまでのスキンケアシリーズの最高売上記録を更新しています。

参考:ORBIS「2018年からの3年を振り返る、リブランディングのこれまでとオルビスの未来とは」

4.PHOEBE BEAUTY UP

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出典:参考元タイトル

● 使い方をサポートするアイテムも充実

PHOEBE BEAUTY UPは、まつげ美容液のD2Cブランドです。アンケートやDMをもとに、商品の改良はもちろん、使い方のサポートも充実させています。

例えば、サブスクリプション解約の理由として多かった「効果がわかりにくい」という声に対し、使用前と使用後を自分で比較できる「ウィンクカード(まつ毛測定カード)」制作。今後は目元周りのアイテムを加えることで、更なるファン獲得を狙っています。

参考:@cosme for BUSINESS「DINETTEとmirari、それぞれのファンを広げる成長戦略とアプローチ」

【食品編】日本のD2Cブランド成功事例8選

ここからは、食品D2Cブランドの成功事例を8つ紹介します。

1.nosh

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出典:nosh

● 食とは関係のないジャンルのYouTuberとタイアップ

noshは、冷凍宅配弁当のD2Cブランドです。Web広告を主体としつつも、YouTuberとのコラボ案件も強化しています。

試験的に食と接点のない動物・ゲーム系のYouTuberとタイアップしたところ、コロナ禍の巣ごもり需要も相まって、販売数を8倍に伸ばすなど新たな集客に成功しています。

参考:DCSオンライン「冷凍弁当宅配の「ナッシュ」がコロナ禍で販売数を8倍に伸ばした方法」

2.Oisixおうちレストラン

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出典:oisix

●他業種とのコラボレーションを本格化

Oisixおうちレストランは、Oisixが外食したいのにできないという顧客に向けて、おうちでもレストランの味が楽しめるようにスタートしたD2Cブランドです。

「食べる人と作る人とを繋ぐ方法をつねに進化させ、持続可能な社会を実現する」という同社のコンセプトギフトECをコラボさせた事例であり、今後は食×エンターテインメント、食×ヘルスケアなど他業種とのコラボレーションを本格化する予定です。

参考:ECのミカタ「Oisix流、顧客に支持され続けるD2Cの創り方」

3.snaq.me

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出典:snaq.me

● おやつサブスクからおやつ体験メーカーへ

100種類以上のお菓子から、パーソナライズされた商品が届くD2Cブランドです。同社は2021年からオフライン展開を開始

2022年4月には直営店舗をオープンするなど、顧客とのあらゆる接点でおやつ体験を提供しています。

参考:PR TIMES「スナックミーが約5.5億円の資金調達を実施。オフラインと法人向け事業展開を強化し、「おやつサブスク」から「おやつ体験メーカー」へ」

4.THE ROAST BEEF

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出典:THE ROAST BEEF

● パッケージから食べ終わりまでコーディネート

THE ROAST BEEFは、「世界一アガるローストビーフ」を提供するD2Cブランドです。

顧客の「ゲストを喜ばせたい」というニーズを満たすために、おしゃれなパッケージから始まり、見た目や味などすべてのポイントで顧客の想像を超えられるように工夫しています。

参考:5PM Journal「アガる塊肉。THE ROAST BEEFは「ローストビーフの象徴」へ【前編】」

5.ZENB

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出典:ZENB

● おいしさと健康を一致させる努力

ZENBは、ミツカンが展開するウェルビーイングな新しい食のライフスタイルを提案するD2Cブランドです。同社の野菜ペーストを作る新しい技術を起点としたブランドであり、サステナブルかつおいしい商品の開発を目指しています。

人気商品である黄えんどう豆を100%使った「ZENBヌードル」は、2022年1月に累計250万食を突破しています。

参考:DCSオンライン「ミツカングループのD2Cブランド「ZENB」ECチャネルだけで販売好調な理由とは」

6.八代目儀兵衛

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出典:八代目儀兵衛

● 京都のお米屋という地の利を活かしたEC戦略

八代目儀兵衛は、年間15万人にお米ギフトを贈るD2Cブランドです。お米の年間消費量が下がる中で、お米に触れる機会を創造し、お米の価値を変えること」をミッションにしています。

ギフトに祇園祭にちなんだ名称をつけるなど、見た目の印象だけではなく、商品名などにもストーリーを作って販売しています。

参考:Impress「京都の老舗米屋「八代目儀兵衛」が語るファン作り&ブランディングを成功に導くギフトECの極意」

7.BASE FOOD

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出典:BASE FOOD

● シンプル食材×アンバサダー施策で認知度向上

BASE FOODは、完全栄養の主食を中心としたシリーズを展開するD2Cブランドです。収益構造の大半はサブスクリプション会員による定期購入であり、2022年8月時点の会員数は13万7620人、顧客継続率は93.2%です。

パンやパスタなどのシンプルな食材はアレンジしやすいため、アンバサダーマーケティングに成功しています。

8.HiO ICE CREAM

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出典:HiO ICE CREAM

● 限定的・希少性で購買意欲を高める

HiO ICE CREAMは、素材本来の良さを引き出せるようスモールバッチで作るクラフトアイスクリームのD2Cブランドです。

代表自ら食材の産地に足を運ぶストーリーとともに、「期間限定」「地域限定」などの希少性を刺激するスノッブ効果を上手く活用してマーケティングを展開しています。

参考:HiO ICE CREAM「この里山でしかできないことを。あきさわ園の食と農と人をつなぐ活動。」

D2C事業を成功に導く方法や施策

D2C事業を成功に導く方法や施策についてポイントを紹介します。

売れる・求められる仕組みを作る

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D2Cビジネスの売上や利益は、集客による購入者数とLTVによって決まります。

  1. 自社ECチャネルを主軸にした、新規獲得のゴールデンパスの確立
  2. 販路開拓
  3. 顧客1人あたりの収益性の向上
  4. 商品リニューアルや新商品・新サービスの投下

上記のサイクルを繰り返すことで、長期的な成長を実現できます。

問題解決のプロセスを整理する

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売れる・求められる仕組みの構築に失敗すると、事業立ち上げ後にうまくいかないケースが多いです。

このような状況に陥ったときは、ロジックツリーを使って要素分解を行い、問題解決のプロセスを整理することが重要です。

D2Cの成功事例から確実に利益を生み出す仕組みを構築しよう

D2Cビジネスで成功するには、ブランドの世界観ストーリーECサイトの構築集客など幅広い要素が必要です。

常にアンテナを張って最新の情報をインプットするとともに、成功事例のマーケティング戦略の分析を行い、それらを事業展開に活かしていきましょう。