「緊急でWebサイトを公開したい…!」

そのような場合、通常であればレンタルサーバーを借りるのが一般的です。しかし、画像やHTMLファイルを中心とした数ページWebサイトであれば、数GBも用意されているレンタルサーバーはかえって割高に感じるかもしれません。

シンプルなWebサイトを公開するだけであれば、容量ごとに従量課金で料金を支払うAmazon Web Service(AWS)を利用するのが便利です。コンテンツの公開も一般的なレンタルサーバーと同じように10分程度で完了します。また、契約期間の縛りもないため、必要がなくなった時点で契約を終了することも可能です。

そこで本稿では、AWSを使って簡単にシンプルなキャンペーンサイトを作る手順をご紹介していきます。

レンタルサーバーを借りるよりも割安な場合が多い上、新規ユーザーであれば、申し込みから1年間の無料利用枠も活用できます。サインアップからWebサイトの公開までの手順を、早速確認していきましょう。

参考:
「AWS」ってどういう仕組み?「Amazon Web Services」の全体像と主要サービスを解説|ferret
  

「Amazon Web Service(AWS)」とは?

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Amazon Web Service(以下、AWS)は、Amazon社内でのビジネス課題を解決するために生まれたITインフラのノウハウをもとに、2006年3月にWebサービスという形態で開発されたサービスです。

提供するサービスはクラウドストレージからモバイルサービス、IoTやバックアップサービスなど幅広く、ユーザーは利用したいサービスを利用した分だけ支払う従量課金制のシステムとなっています。

固定費から変動費で支払うという料金面の効率性だけではなく、セキュリティや拡張性に関してもオンプレミス型(自社運用型)に比べて柔軟で、利用にかかる時間も圧倒的に短縮できるというのがAWSのメリットだと言えます。
  

今回使うのは「Amazon S3」

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今回簡単なキャンペーンサイトを作成するのに利用するのは、Amazon Simple Strage Service(以下、Amazon S3)です。

もともと、Amazon S3はWebサイト閲覧用のクラウドサーバーではなく、クラウドストレージ(つまりクラウド上のファイル保管庫)として指向されたサービスですが、メディアの保存や配信の手段として広く活用されています。
  

「Amazon S3」3つのポイント

1. 高いセキュリティとパフォーマンス

Amazon S3は世界中に広がるアベイラビリティゾーンによって、ファイルの設置場所を選ぶことができます。また、S3に書き込まれるデータは複数のアベイラビリティゾーンに保存され、99.999999999%もの耐久性が達成されています。

さらに、S3のパフォーマンスは自動的に最適化されるので、ファイル容量やデータ量が増えてもパフォーマンス速度は低下しません。どのようなコンテンツの大きさでも保存できるので、より多くのユーザーに快適に情報を届けることができます
  

2. 簡単で柔軟なデータ転送方法

Amazon S3とのデータ転送は、APIを通してインターネット経由でデータ転送をすることも簡単です。Amazon S3 Transfer AccelationやAWS Direct Connect、AWS Strage Gatewayといった、用途に応じた複数のデータ転送方法も用意されています。
  

3. バックアップや復旧も簡単

レンタルサーバーによってはバックアップオプションを有料で用意しているところもありますが、Amazon S3ではバックアップや復旧を標準で利用できます。S3のバージョニング機能を利用することで、保存されたデータを復旧したり、それほど頻繁に使用しないデータをアーカイブ化して保存したりすることもできます。
  

「Amazon S3」を使ってみよう

Amazon S3を使う手順は非常に簡単です。

まず、AWSアカウントを作成する手順からご案内しますが、アカウントをすでにお持ちの方は読み飛ばしていただいて結構です。
  

1. AWSアカウントを作成

まずは、AWSアカウントを作成します。

AWSの公式サイトに行き、「まずは無料ではじめる」をクリックします。

次に「今すぐ無料アカウントを作成」を選択します。

メールアドレスを入力し、「私は新規ユーザーです」にチェックを入れ、「サインイン」をクリックします。

次にログイン認証情報を入力してください。ここで入力した情報は、AWSだけでなく、アメリカ合衆国のAmazonでもログインできます。

入力が完了したら「アカウントを作成」を入力します。

続いて、連絡先情報を入力します。個人で使ってみる場合は「個人アカウント」にチェックを入れ、必要事項を入力します。注意したいのは、アメリカ合衆国のアカウント作成画面と同じ順番になっているので、住所を入力する順番が逆になっています。

次に、支払い情報を入力します。登録自体は無料で、無料枠の利用内であれば請求はされません。

その後、指示にしたがって本人確認認証を行います。

続いて、サポートプランを選びます。初めてAWSを使う場合には、「ベーシック」プランを選べば大丈夫です。

無事に「AWSマネジメントコンソール」と呼ばれる管理画面までたどり着いたら完了です。
  

2. Amazon S3の起動とバケットの設定

次に、Amazon S3を起動します。

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まず、マネジメントコンソールのAWSサービスの検索窓でS3を入力し、クリックしてS3の管理画面に移動します。

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すると、バケットの選択画面が出てきます。バケットとは、ファイルを保管するストレージのことをバケツに見立てているもので、簡単に言えばファイル保管庫のことです。ここでは、「今すぐ始める」をクリックしてバケットを作成します。

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任意のバケット名を入力し、「次へ」を入力します。
バケット名はすでに取得されていたら付けることはできないので、慎重に付けていくようにしましょう。

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次に、プロパティを設定します。バージョニングなど、利用したいオプションがあれば有効化します。特に必要なければ「次へ」で進みます。

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次に、アクセス許可の設定をします。
こちらもデフォルトのまま「次へ」をクリックして進みます。
確認画面が出てくるので、「バケットを作成」をクリックします。

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すると、一覧画面に新しいバケットが作成されました。新しいバケットをクリックしましょう。

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プロパティタブに「Static website hosting」という設定があるので、クリックします。すると、エンドポイントURLインデックスドキュメント・エラードキュメントの指定ボックスが表示されるので、それぞれのテキストボックスに「index.html」「404.html」などのように入力し、保存します。
  

3. ファイルのアップロードとポリシーの設定

次に、HTMLファイルをアップロードしていきます。ここではチュートリアル紹介の都合上、無料のHTML5テンプレートであるOAKを使っていきます。

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OAKをダウンロードしたら、タイトルなどを編集します。S3の「概要」タブのアップロードボタンをクリックし、ドラッグアンドドロップでファイルをアップロードします。

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成功したら、このようにファイルがアップロードされます。しかし、ここでエンドポイントURLにアクセスしても、アクセス制限のエラーが返されます。

そこで、外部からもアクセスができるように権限を追加していきます。「アクセス権限」タブのバケットポリシーをクリックし、右下にあるポリシージェネレーターをクリックします。

Select Type of Policyを「S3 Backet Policy」、Effectを「Allow」、Principalを「*」、AWS serviceを「Amazon S3」、Actionsは「Get Object」のみを選択し、Amazon Resource Nameには「arn:aws:s3:::バケット名/*」を入力します。

注:*は半角で入力してください。

その後「Generate Policy」をクリックし、吐き出されたテキストをバケットポリシーエディタに貼り付けます。

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これで、エンドポイントURLにアクセスするとウェブサイトが表示されるようになりました。

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まとめ

簡単な静的サイトであれば、Amazon S3を使うことでレンタルサーバーを借りるよりも手軽で簡単にホームページを公開することができます。

実際、クラウドサービスといえば難しく感じてしまいますが、手軽に使えることがご理解いただけたのではないでしょうか。

シンプルなサイトを作りたい時には、ぜひAWSの活用も検討してみてください。