アニメ・マンガ・グッズ、エンタメの人気の理由を解説!ヒットを狙うためのユーザー行動分析のコツとは?
毎年多くのテレビドラマやアニメ、マンガなどのエンタメやグッズが生産され、時に大きなブームとなることがあります。ヒット商品を生み出すには、人気が高かった商品・サービスについて、なぜヒットしたのか分析することが不可欠です。
ここでは、行動分析によって見えてくる人気商品のヒットの理由を、例を挙げてご紹介します。
目次
- ユーザーの行動分析でヒット商品創出を
- 「SPY×FAMILY」にみるマンガ・アニメのヒットの理由
- 「鎌倉殿の13人」にみるテレビドラマのヒットの理由
- 「電動キックボード」にみるグッズのヒットの理由
- ヒット商品を生み出すためのリサーチ方法
- ヒットへつなげるための戦略事例
- データやアンケートで見えるヒット理由を最大限活用しよう
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2022ヒット商品分析 ライフスタイル編
生活者アンケートとWeb行動ログで見るヒットの理由、ヒットの軌跡 -ライフスタイル編- を解説しています
ユーザーの行動分析でヒット商品創出を
ヒットとなる商品の多くは、ターゲティングが明確で、ターゲットへの戦略が奏功しています。ヒット商品を支持するユーザーが、どのような心理でどういった行動を起こしたのかを知ることで、ヒット作戦略の素地を作り上げることができます。
エンタメやグッズは、ヒットとなる背景やユーザーの志向がカテゴリーによって変わるため、ヒットとなる要因をカテゴリーごとにつぶさに分析することが大切です。
次項からは、株式会社ヴァリューズが提供するWeb行動ログ分析ツールのデータとアンケート調査結果をもとに、2022年にヒットしたエンタメ・グッズから次の3つをピックアップして解説していきます。
- マンガ・アニメ「SPY×FAMILY」
- テレビドラマ「鎌倉殿の13人」
- グッズ「電動キックボード」
「SPY×FAMILY」にみるマンガ・アニメのヒットの理由
「SPY×FAMILY」は、漫画アプリ「少年ジャンプ+」で2019年3月から連載が開始された遠藤達哉氏の作品です。連載開始後すぐに反響を呼び、同アプリ内の閲覧数・コメント数とも最高記録を更新。その後、2019年7月に単行本発売、2022年4月にはテレビアニメ化も果たしています。
ヒットの理由についてアンケート調査をもとに解説します。
年代を問わないワクワク感
アンケート調査でも10代から40代まで幅広い年齢層から支持を得ていることがわかります。さらに20代以上の作品認知率は41.9%と大変高いです。
作品の魅力という点では、キャラクター3人が仮初の家族を演じる中、お互いの素性がいつ分かってしまうのかというドキドキ感や、それぞれの能力の高さや展開が読めない点でのワクワク感を上げるユーザーが多いようです。
マンガ新刊、アニメ放送開始で話題創出
Web行動ログで見ると、「SPY×FAMILY」「スパイファミリー」検索では2022年はアニメ1期放映・コミックス新刊発売の3月、アニメ2期放映時の10月と、2回検索行動の波が起こっています。
3月は4月のアニメ放映とコミックス新刊発売に先駆けた話題戦略、10月はアニメ2期放映と関連各社とのコラボが関心を集めました。大きな戦略を打つタイミングで、関連施策を一緒に取り込む話題創出に成功しています。
女性コアファンと定期的な作品リリースで認知拡大が決め手
作品認知率とアニメ視聴率では10代女性が高く、検索ユーザーの男女比でも女性の割合が55.3%となり、女性ファンの支持が高いことが特徴です。ホームコメディー的なストーリーやキャラクターの可愛さも人気で、女性コアファンをしっかり掴んでいます。
さらにアニメ放送とコミック新刊の告知を同時期に行うことで、さらに認知度を拡大。こうした戦略が、この作品のヒットを押し上げる推進力となっています。
「鎌倉殿の13人」にみるテレビドラマのヒットの理由
2022年1月放送開始のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、三谷幸喜氏脚本という点でも放送前から話題を集めました。北条義時が冷酷に政権固めを行う中にも、三谷氏が織り込むコミカルな描写が、SNS上で話題になりました。
固定ファンを魅了するキャラクター陣と脚本の面白さ
もともとNHK大河ドラマを毎年視聴するという大河固定ファンは、大河ドラマに寄せる一定の期待感があります。三谷氏が手がけた脚本と、源頼朝を中心としたキャラクター設定や演じた俳優陣への評価が高く、固定ファンの心を掴みました。
さらにSNSなどでの書き込みが増加したことで、固定ファン以外への関心も広がりました。
相関図確認やネタバレなど深掘りで女性の検索行動増加
作品認知率や視聴率は男性60代以上がコアではあるものの、検索ユーザ―では女性が55.2%と、ネット上では女性の関心が男性よりも上回っています。従来からの固定ファンとともに、女性の関心が広がっていることが調査からも伺えます。
この背景には、主役である北条義時を中心とした人物相関図やネタバレなどであらかじめ物語の背景や内容を理解してもらうことで、あまり歴史ドラマを視聴しない層が入り込めるような環境が奏功したとも言えます。
固定男性ファンと女性ファン増加で大人気に
複雑な人物関係を理解するための「相関図」は、ストーリーや背景を理解するために重要なツールです。特にこの作品には多くのキャラクターが登場するため、相関図には多くのニーズがありました。
ネタバレはストーリーを事前に理解する上でも、視聴後の後追いという意味でもニーズがあります。こうしたネットを利用した深掘りが、男性を中心とした固定層の他、新たな女性ファンを生み出す要因になったと言えるでしょう。
「電動キックボード」にみるグッズのヒットの理由
電動キックボードは、ちょっとした移動に便利な乗り物です。原動機付自転車に分類され、保安部品の装備とナンバーの取得で、公道を走行することができます。シェアリングサービスの拡充で街中でもよく見かけるようになりました。
認知度の高さと手軽な移動手段イメージが下支え
電動キックボードの認知率が高いのは20代男性で43.6%、60代男性でも認知率が高くなっています。女性の認知率は40代以降で高く、実際に利用する割合はまだ少ないものの幅広い世代での認知が広がっていると言ってよいでしょう。
認知が広がっている要因には、さっと乗れて移動ができる手軽さが、「自分にも向いているのではないか」とイメージできたことにもあるでしょう。
簡便な利用手段として男性中心に注目度アップ
検索ユーザー数は2度のヤマがありました。2022年4月に公道走行時の規制緩和の報道がされたことにより、検索のピークを迎えます。68.3%もの男性が検索行動を起こしたことから、男性の関心の高さが分かります。
そもそも乗り物としてニーズがあったところに、運転免許証不要という情報が重なり、手軽な移動手段を模索していた男性を中心に、注目度がアップしました。
規制緩和を伝えるマスメディアが奏功
若者が利用するイメージがある電動キックボードですが、中高年層の認知が高い背景には、テレビニュースなどで繰り返し、規制緩和につながる道路交通法改正案が可決され、公道走行時の免許不要などが報道されたことにあります。
このような例から、ヒット商品を創出するには、もともと商品が持つ魅力や特性が、必要とするユーザーのニーズに合うこと、そしてメディアミックスで商品を広く認知するという王道とも言える戦略が不可欠なことが分かります。
これらがうまく噛み合ったときに、大きなヒットとなる可能性があります。
他にも、生活雑貨「ファブリーズ お風呂用防カビ剤」や「画像生成AI」といったヒット商品の分析結果も以下の資料で確認することができます。
▼ヒット商品の分析結果資料はこちらからダウンロード
2022ヒット商品分析 ライフスタイル編
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ヒット商品を生み出すためのリサーチ方法
ヒットするために重要なのは、まず商品自体の魅力を引き出せるかどうか、そしてニーズのあるユーザーをどう見つけ出すかです。そのためには、「商品」「ターゲット」「ニーズ」の3点からリサーチしていくことが大切です。
セールスポイントとターゲットとを見つける
マーケティングの基本である「誰に」「何を」「どのように」伝えるのかを整理しましょう。
売り出す商品の特性や魅力を理解し、その特性は誰にとって嬉しいのか、その魅力は誰に響くのか、といった点を十分に理解し、ぴったり合うユーザー層を徹底的に分析することが第一歩です。
本質的な悩みを見つける
ヒット商品を分析してみると、「こんな商品を探していた」といったニーズに応えているものや、「これは便利」と新たなニーズを掘り起こしたものが多くあります。
ユーザーがどういう悩みを持っているか、さらに本質的な悩みにまで深化してユーザーのニーズを追求します。幅広いユーザーの心を掴むためには、ユーザーの「欲しいもの」をどこまで深く見つけられるかがポイントです。
ツールを活用する
ユーザーの心理や行動分析は、ある程度の数量でリサーチすることが求められます。あまりにも少ない数量だと偏った結果になり、幅広いユーザーの調査結果とならない場合があります。
より正確な分析を行うためには、分析ツールを利用するのも手です。ツールを使用することで、分析結果のデータ化や煩雑な調査作業が簡便になり、業務効率化に寄与します。
ヒットへつなげるための戦略事例
ここでは、実際にヒットした商品の事例をもとに、マーケティング戦略を学びましょう。
キャラクターを確立して成功した「ガリガリ君」
出典:赤城乳業|商品情報
テレビCMのテーマソングとキャラクターで馴染み深い、赤城乳業株式会社の「ガリガリ君」は、キャラクターイメージ戦略を重視しています。
● 商品よりもキャラクター優先の商品戦略
ガリガリ君と聞いて、せんべいを想像する人はいません。誰でもアイスキャンデーを思い出すでしょう。そして特徴のあるキャラクターも頭に浮かぶはずです。
赤城乳業では、「わんぱくなガキ大将」のブランドイメージ向上化を図り、雑誌に漫画を連載するなどで商品イメージという枠を超え、キャラクターが独り歩きするような戦略を次々と打ち出しました。
この取り組みにより、現在では「あのガリガリ君をつくった赤城乳業」としてブランドイメージも向上。企業が大切にしてきた「遊び心」を表現する商品作りで、大ヒット商品ガリガリ君を軸に、親しみや楽しさを感じてくれるファンづくりに成功しています。
ネーミングで価値を広めた「通勤快足」
出典:レナウンインクス|【通勤快足】綿100%平無地ソフト口ゴムソックス
現在はレナウンインクスが販売している「通勤快足」は、ネーミング効果をうまく取り入れて大ヒットとなった靴下です。
● 商品特性を表す具体的なネーミングで大ヒット
かつて株式会社レナウンが、「靴下を履くだけで、水虫や足の匂い、不快感を解消してくれる」効果を売りに、男性用靴下を開発・販売したのが「通勤快足」です。
当初は「フレッシュライフ」という商品名で販売し、さまざまな施策を講じたものの、実績は伴わず伸び悩んでいました。
そんな中「具体的な効果をネーミングに取り入れたらどうか」と社内から意見があり、ユーザーに分かりやすい商品名に変更したところ大ヒット。年間最高で27億円の売り上げを記録するまでになりました。
「通勤=会社通勤する会社員(特に男性)」「快足=足の不快を解消」という、ターゲットと商品特性を商品名に結び付けることで、悩みを持つユーザーの分かりやすさにつながり、大きな成功を生みました。
データやアンケートで見えるヒットの理由を最大限活用しよう
ヒット商品を創出するためには、緻密なマーケティングが必要です。多くのヒット商品を分析すると、各商品の特性にニーズを持つ層を意識した、細かい広告・宣伝戦略が見えてきます。
商品の価値を深く理解し、明確なターゲティングを施すことが大変重要です。中でもWeb上でのユーザーの行動軌跡や、実際使用しているユーザーの声などから分かるデータを分析しターゲティングに活かす戦略が有効といえます。
ヒット商品を支持するユーザーが、どういう心理でどういう行動を起こしたのかを分析ツールなどで解析し、ヒット作戦略の素地を作り上げていきましょう。
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2022ヒット商品分析 ライフスタイル編
生活者アンケートとWeb行動ログで見るヒットの理由、ヒットの軌跡 -ライフスタイル編- を解説しています
- アプリ
- アプリとは、アプリケーション・ソフトの略で、もとはパソコンの(エクセル・ワード等)作業に必要なソフトウェア全般を指す言葉でした。 スマートフォンの普及により、スマートフォン上に表示されているアイコン(メール・ゲーム・カレンダー等)のことをアプリと呼ぶことが主流になりました。
- シェア
- シェアとは、インターネット上で自分が見つけて気に入ったホームページやブログ、あるいは、Facebookなど自分自身が会員登録しているSNSで自分以外の友達が投稿した写真、動画、リンクなどのコンテンツを自分の友達にも共有して広めたいという目的をもって、SNSで自分自身の投稿としてコンテンツを引用し、拡散していくことをいいます。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
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