GA4(Googleアナリティクス4)を導入したものの、「どこのデータをどのようにみて良いのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、GA4で最低限見るべきデータ項目と、その見方を紹介します。

GA4から追加された機能である「探索レポートの使い方も解説しますので、Webサイトの作成や改修、広告施策の最適化などにGA4のデータを活用したい方は、ぜひご覧ください。

目次

  1. GA4のホーム画面の構成
  2. GA4で最低限見るべき5つの項目
  3. GA4の探索機能の使い方
  4. GA4の見方を理解して、マーケティング施策に活かそう!

▼ 初心者向けのGA4ガイド

【GA4】切り替えガイド|設定方法とレポートの見方

【GA4】切り替えガイド|設定方法とレポートの見方

GA4へ移管したばかりの方、これから使い始める方向けにUAとの違い、GA4の設定方法、レポートの見方などを解説します。

GA4のホーム画面の構成

まずはGA4のホーム画面の構成について、簡単に解説します。GA4のホーム画面には様々な項目が表示されていますが、よく使うのは以下の4つです。
1.png

項目 概要
❶ レポート ユーザーに関する情報や、イベント・収益など様々な項目の数値が集計されたレポートを確認できる
❷ 探索 ユニバーサルアナリティクス(UA)におけるカスタムレポートのような機能。自分で様々な指標・項目を選択し、表やグラフなどのレポートを作成できる。
広告 出稿している広告の成果を確認できる機能。チャネルごとのコンバージョン数や、ユーザーがコンバージョンに至った経路などを確認可能。
❹ 管理 アカウントやイベント、プロパティなどの各種設定ができる機能。主に、初期設定などを行う際に利用される。

自動集計されたデータをもとに簡易的な分析を行いたい場合には「レポート機能」が役立ちます。より細かいデータの確認・分析をしたい場合は探索機能」もあわせて利用しましょう。

GA4で最低限見るべき5つの項目

ここからは、Webサイトなどの作成・改善などを行う際に最低限見ておくとよいデータを紹介します。以下の5つの項目について紹介するとともに、それぞれの見方や具体的にどのようなデータが確認できるかを解説します。

  1. ユーザー属性サマリー
  2. ユーザーの環境の概要
  3. ページとスクリーン
  4. コンバージョン
  5. トラフィック獲得

ユーザー属性サマリー

ユーザー属性サマリーの項目では、サイトに訪れたユーザーの年齢性別地域位置情報)などを確認できます。そのため、以下のような場合に見るとよいでしょう。

  • どんな属性のユーザーが訪れているのか知りたい
  • 想定しているターゲットユーザーがサイトに訪れているか知りたい
  • 訪問しているユーザーに合ったサイト・LPになるよう改善したい

ユーザーの年齢や性別、地域を確認

項目を表示するにはまず「レポート」をクリックし、表示されたメニューを下にスクロールします。次に「ユーザー属性」を選択し、「ユーザー属性サマリー」をクリックしましょう。
2.png

ユーザー属性サマリーの画面には、以下のようなデータが表示されています。「Webサイトの設計時に想定していた属性のユーザーが訪れているか」などをチェックしましょう。

  • 過去30分間のユーザー
  • 1分あたりのユーザー
  • 市区町村
  • 性別
  • インタレストカテゴリ(興味関心)
  • 年齢
  • 言語

各データの右下にある「○○を表示」をクリックすることで、より詳細なデータを確認可能です。
3.jpg

なお、各データの集計期間は基本的に過去28日間となっていますが、画面右上にある日付の部分をクリックすることで変更できます。
4.jpg

ユーザーの環境の概要

訪問したユーザーが利用しているデバイスを確認したい場合は、ユーザーの環境の概要をチェックしましょう。利用デバイスの傾向を把握しておくことで、サイトやアプリUI/UX改善に役立つでしょう。

ユーザーが利用しているデバイスを確認

ユーザーの環境の概要を確認するには、ホーム画面にあるレポートから「ユーザー」>「テクノロジー」>「ユーザーの環境の概要」の順にクリックしましょう。
5.png

アクセスしたユーザーのデバイスを把握するには、「デバイスカテゴリ」や「プラットフォーム」などの項目を見るとよいでしょう。
6.jpg

例えば、上記のようにモバイル端末でのアクセスが多い場合は、スマートフォン向けサイトの改善に力を入れることで、CV数アップなどが期待できます。

ページとスクリーン

Webサイトの現状や成果を把握するには、ページとスクリーンを見るのがおすすめです。

ページとスクリーンでは、Webページまたはアプリごと表示回数やコンバージョンなどを確認できます。なお、UAにおける「ページビュー」が、GA4では「表示回数」と表記されています。

ページビュー数(表示回数)、コンバージョンが発生したページを確認

ページとスクリーンを表示するには、ホーム画面のレポートから「エンゲージメント」を選択し、「ページとスクリーン」をクリックします。
7.png

画面の下部にはページごとに以下のデータが集計されているため、自社が設定している目標数値およびKPIを達成できているかを確認しましょう。

  • 表示回数
  • ユーザー数
  • ユーザーあたりのビュー
  • 平均エンゲージメント時間
  • イベント数
  • コンバージョン
  • 合計収益

各データの意味や定義について知りたい場合は、その項目にマウスカーソルを合わせることで確認できます。
8.png

Webサイトの改善などを行う際は、「表示回数」「コンバージョン」「平均エンゲージメント時間」といった項目に注目するとよいでしょう。表示回数が多く平均エンゲージメント時間が長い場合、サイトを改善することでコンバージョン数を高められる可能性があります。

コンバージョン

コンバージョンでは、コンバージョンとして登録されているイベントのデータを確認できます。Webサイトにおける資料ダウンロードお問い合わせ商品購入などの成果確認したい場合に見るとよいでしょう。

イベントごとのコンバージョン数を確認

コンバージョンをチェックするには、ホーム画面から「レポート」を選択し、「エンゲージメント」>「コンバージョン」の順にクリックします。
9.png

各コンバージョンイベントごとの発生回数とサイトに訪れたユーザーの数、イベントによる収益が表示されるため、自社が設定している目標数値に達しているかを確認しましょう。
10.png

目標数値に達しておらずWebサイトの改善が必要となった場合には、以下の記事を参考に取り組んでみてください。

参考記事:Webサイト改善の“コツ”を資料で一気見!改善すべきポイントや手法、事例を紹介

トラフィック獲得

トラフィック獲得では、ユーザーの流入経路や経路別のコンバージョン数などを確認できます。以下のような場合に役立つでしょう。

  • 新規ユーザーやリピーターの流入経路が知りたい
  • アクセスを増やすために実施した施策の効果を測定したい
  • 広告経由・自然流入ごとのセッション数やコンバージョン数を確認したい

ユーザーの流入経路、経路別のコンバージョン数を確認

トラフィック獲得を表示するには、ホーム画面で「レポート」を選択し、「集客」>「トラフィック獲得」をクリックしましょう。
11.png

画面を下にスクロールすると、下記のように様々な流入経路が表示されています。
12.png

それぞれの意味合いは以下の通りです。

流入経路 概要
Direct 直接流入(ブラウザにURLを直に入力、ブックマーク、アプリ、QRコード他)
Organic Search 検索エンジンからの流入
Display ディスプレイ広告からの流入
Unassigned イベントデータに一致するその他のチャネルルールがない場合に使用される値
Paid Search リスティング広告など有料広告からの流入
Email Eメールからの流入
Referral 他のWebサイトから流入
Organic Video 動画サイトからの流入
Paid Shopping ショッピングサイトからの流入
Organic Social 有料広告ではないSNSからの流入

上記以外のチャネルについて確認したい場合は、下記の公式サイトにてご確認ください。

参考:デフォルト チャネル グループ

GA4の探索機能の使い方

ここまで、レポート機能を使ったデータの見方を紹介しました。より細かなデータを確認したい場合は、探索機能を使うのがおすすめです。ここでは、よく使われる「自由形式」と「目標到達プロセスデータ探索」の使い方について、簡単に解説します。

自由形式

自由形式は、通常のレポートでは用意されていない様々な項目・指標を組み合わせて表やグラフを作成できるテンプレートです。

「曜日別・時間帯別のコンバージョン数を確認する」といったように、1つの指標を細分化して分析したり、クロス集計したりするときにも活用できます。

様々な項目・指標を組み合わせて表やグラフを作成可能

自由形式での探索を行う際は、ホーム画面から「探索」をクリックし、「自由形式」のテンプレートを選択します。
13.png

次にディメンションと指標に任意の項目を追加するため、「+」をクリックしましょう。
14.png

指標の選択画面が表示されるので、任意の項目にチェックを入れて、右上の「インポート」をクリックします。
15.png

追加した項目がディメンションの下部に表示されていることを確認したら、同じように「指標」の追加も行いましょう。任意のディメンションと指標を追加し終わったら、表やグラフの作成に移ります。
16.png

ディメンション・指標の項目をドラッグ&ドロップし、「行」「列」「値」に追加していきましょう。そうすると、項目が反映されたレポートが画面右側に表示されます。
17.png

レポートの形式は、「ビジュアリゼーション」のボタンから変更できます。
18.png

目標到達プロセスデータ探索

目標到達プロセスデータ探索は、ユーザーが特定のページやコンバージョンなどに至るまでのステップをビジュアルで表示できる機能です。各ステップにおけるユーザーの動向も確認できるので、以下のような場合に役立つでしょう。

  • ユーザーがどのような経緯でコンバージョンに至っているのか知りたい
  • どのステップでユーザーが離脱しているのか知りたい

ユーザーが特定の行動をするまでの放棄率を可視化

目標到達プロセスデータ探索を行うには、ホーム画面で「探索」を選択し、「目標到達プロセスデータ探索」をクリックします。
19.png

画面が切り替わったら、「タブの設定」エリアにある「ステップ」の編集ボタン(鉛筆マーク)をクリックしましょう。
20.png

「目標到達プロセスのステップの編集」の画面が表示されるので、「ステップを追加」ボタンから、確認したい任意のステップを追加しましょう。ステップは、最大10個まで設定可能です。また、各ステップの右側にある三点リーダーからは、ステップの削除ができます。
21.png

ステップの編集が完了したら、画面右上にある「適用」をクリックしましょう。
22.png
上の図のレポートでは、ECサイトにおける各ステップのデータが表示されています。そして赤い矢印の下には、ユーザーの「放棄数」と「放棄率」が記載されています。

上記の例では、「スクリーンビュー/ページビュー」におけるモバイルの放棄率が高いため、モバイル向けのサイトを改善するといった対策が考えられるでしょう。

なお、タブの設定にある「手法」にて「経路データ検索」を選択することで、ツリーグラフでユーザーの動きや遷移を確認できます。
23.png

探索レポートの活用事例

「探索レポートで具体的にどんな分析ができるのか知りたい」という方に向けて、ここでは、探索レポートの活用事例を紹介します。

コンバージョンしたユーザーの分析

GA4の「経路データ検索」を活用することで、コンバージョンしたユーザーの行動を分析することが可能です。

24.png
ユーザーの行動を分析するには、まずホーム画面で「探索」を選択し、「経路データ探索」をクリックします。

25&29.png
次に、画面の右上にある「最初からやり直す」をクリックします。

26.png
画面が切り替わったら、「終点」にある「ノードをドロップするか選択してください」をクリックし、「イベント名」を選択しましょう。

27.png
イベントの一覧が表示されたら、コンバージョンとして設定しているイベントを選択します。今回は例として、「purchase(購入)」を選択します。

28.png
ツリーグラフには、コンバージョンイベントの前にユーザーがとった行動が表示されています。枝分かれしているイベントをひとつずつクリックすることで、ユーザーの経路およびページ遷移を確認できます。

特定のページを始点としたユーザーの分析

経路データ検索では、ある特定のページでユーザーがとった行動を分析できます。

25&29.png
特定のページを始点としたユーザーの行動をチェックするには、経路データ検索の画面右上にある「最初からやり直す」をクリックしましょう。

30.png
次に、「始点」にある「ノードをドロップするか選択してください」をクリックし、「ページタイトルとスクリーン名」を選択します。

31.png
一覧が表示されたら、任意のページを選択します。

32.png
ツリーグラフが表示されたら、より詳しく知りたいページの箇所をクリックし、ユーザーのページ遷移を確認しましょう。

GA4の見方を理解して、マーケティング施策に活かそう!

GA4で最低限チェックしておくべきデータの見方や、探索レポートの使い方について紹介しました。GA4には様々な機能が追加されており、確認・分析できるデータの幅が広がっていますが、最初からそのすべてを理解するのは難しいでしょう。

まずは今回紹介した5つの項目から確認し、少しずつ見る範囲を広げていくことをおすすめ
します。

【GA4】切り替えガイド|設定方法とレポートの見方

【GA4】切り替えガイド|設定方法とレポートの見方

GA4へ移管したばかりの方、これから使い始める方向けにUAとの違い、GA4の設定方法、レポートの見方などを解説します。

SEO・コンテンツマーケティング担当者の方へ

ChatGPTをマーケティング施策で 活用する方法

ChatGPTをマーケティング施策で 活用する方法

ChatGPTを活用することで、これまでゼロから取り組んでいたコンテンツ記事の作成を効率的にすすめることができます。本書ではChatGPTをコンテンツマーケティングで活用するポイントや活用方法について解説しています。

コンテンツマーケティングで加速するSEO集客ガイド

コンテンツマーケティングで加速するSEO集客ガイド

リモートワークが主流となりつつある今、Web集客を強化するために求められるのがコンテンツマーケティングです。本書はSEO集客につなげるための、コンテンツマーケティングの入門書です。