東洋経済新報社の予測によると2016年時点でAmazonが出荷している商品数は年間40億個にも及び、膨大な数の商品が日々販売されています。
しかし、取り扱っている商品が多い分、Amazonのマーケットプレイスに出品している企業にとって*「商品の検索結果に自社の商品が表示されない」*といった悩みをお持ちの方は多いでしょう。

今回は、AmazonマーケットプレイスにおけるSEOの基本知識を解説します。
SEOとは「検索順位の最適化」を指す概念であり、検索結果からの流入を狙うには欠かせない考え方です。Amazonで商品を展開している担当者は、知識の1つとして覚えておきましょう。

参考:
アマゾン、最強「買い物帝国」の知られざる姿 | 最新の週刊東洋経済 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

AmazonマーケットプレイスでのSEOに確実な成功方法はある?

Amazonでは書籍から日用品、ホビーまで幅広い分野の商品を取り扱っています。
そのため、ユーザーはカテゴリーやフリーワードを利用して商品を検索しています。

では、出品者側が商品の検索結果を意図的に操作する事は可能なのでしょうか。
Amazonでは、マーケットプレイス出品規約に以下のように定めています。

検索およびブラウズの不正使用 購入者は、Amazonの検索エンジンおよびブラウズストラクチャーを使用する際、適切で正確な結果が得られることを期待しています。顧客満足を維持するため、検索キーワードなどの商品関連情報はすべて、検索およびブラウズに関する出品情報の最適化に記載されているガイドラインを遵守する必要があります。検索およびブラウズの結果を意図的に操作することは禁止されています。
引用:[Amazon.co.jp ヘルプ|Amazonマーケットプレイス 出品規約] (https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=1085374)

つまり、商品関連情報はすべて、Amazonのガイドラインを遵守する必要があり、かつ意図的な検索結果の操作は禁止されています。
Amazonでは、2017年9月時点、1商品につき5つまで検索結果に商品を表示させたいキーワードを「広告ワード」として設定できるようになっています。ですが、その検索ワードもどこまで検索結果に関わってくるかは明らかにされていません。
実際に出品者向けのセラーフォームでは、以下のように回答されています。

また、検索結果のどこに商品が表示されるかにつきましては、価格、在庫状況、セレクション、販売履歴など、さまざまな要因が影響し更新されており、売れ行きの良い商品はリストの上位に表示される傾向にあります。
引用:[商品登録の検索キーワードについて| Amazonセラーフォーラム] (https://sellercentral.amazon.co.jp/forums/message.jspa?messageID=26278)

検索結果に表示させるために、検索ワードを設定する事は大切ではありますが、公式で検索のアルゴリズムが明らかにされていない以上、明確なSEOの成功方法はありません。
ただし、回答の中で「売れ行きの良い商品はリストの上位に表示される傾向にあります。」とあるように、商品の売上が検索結果に結びついていることは認識しておいた方がいいでしょう。

参考:
[検索キーワードの登録について |Amazonセラーフォーラム] (https://sellercentral.amazon.co.jp/forums/thread.jspa?messageID=27786)
[「はじめよう、Amazon出品サービス」公式ガイドブック]
(https://s3.amazonaws.com/JP_AM/guide/soa_guidebook/soa_guidebook.pdf)
[AmazonマーケットプレイスでSEO対策は効果があるのか?|株式会社いつも.公式ブログ] (http://itsumo365.co.jp/blog/amazon%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%81%A7seo%E5%AF%BE%E7%AD%96%E3%81%AF%E5%8A%B9%E6%9E%9C%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B%EF%BC%9F/)
Amazon検索のSEO対策を攻略!アマゾン・アルゴリズム”A9″とは? | SEO SCENE SECOND

意図的に検索結果上部に上げるには検索連動型広告の活用が必要

売れ行きのいい商品が検索上位に表示される可能性があると言っても、販売したい商品をすぐさま人気商品にするのは難しいでしょう。

意図的に検索結果へ表示させるための1つの方法としては、Amazonスポンサープロダクトでの検索連動型広告の運用が挙げられます。

Amazonスポンサープロダクトとは

Amazonスポンサープロダクト___トップページ.png
https://services.amazon.co.jp/services/sponsored-products/how-it-works.html

Amazonスポンサープロダクトとは、Amazon大口出品サービスに登録している出品者が利用できるサービスです。
GoogleやYahoo!JAPANのような検索エンジンが販売しているリスティング広告と同様に、検索結果に連動して広告が表示されます。

広告が表示される場所

Amazon.co.jp__テレビ___テレビ___テレビ・レコーダー__家電&カメラ.png
https://www.amazon.co.jp 「テレビ」 検索結果

画像の中で赤い枠で囲ってある部分が、検索連動型広告による広告です。
通常の検索結果よりも上部に表示されており、表示されるデザインもやや異なります。

また、他の商品の詳細ページにも表示が可能です。

Amazon.co.jp:_ハイセンス_43V型_フルハイビジョン_液晶_テレビ_外付けHDD録画対応_裏番組録画__メーカー3年保証_HJ43K3120__家電・カメラ.png

広告費の仕組み

Amazonスポンサープロダクトでは、広告として出稿する商品を選び、その商品に合わせた検索ワードを設定します。

広告費の請求も1クリックあたりの単価に対する入札制であり、予算の上限額を設定できます。予算の上限額を超えて入札してしまうことはないので、予想していなかった高額の広告費が請求されることもありません。

また、1クリック2円からという少額からの運用が可能なのもメリットでしょう。
ただし、Amazonスポンサープロダクトとして広告運用を行うには月額登録料金49,00円及び販売手数料の払い込みが必要となる大口出品者である必要があるので注意してください。

参考:
[アマゾンジャパン、商品検索連動型広告を開始 |通販新聞] (http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2014/09/post-1956.html)
Amazon出品プラン(出店プラン) | 大口出品・小口出品

まとめ

Amazonでは、マーケットプレイス出品規約にて、意図的な検索順位の操作を禁止しています。現在明らかにされている情報を元に検索結果上位への表示を目指すには、商品の売上を伸ばして検索結果が上がるのを待つか、検索連動型広告に出稿する必要があるでしょう。

Amazonの検索連動型広告では1クリックごとの入札制をとっています。広告を運用するには、大口出品者として登録してある必要があるので注意してください。

検索エンジンにおけるSEO同様、ショップ内のSEOにおいて大切なのはユーザーの利便性です。検索キーワードや商品名に商品と関係のないキーワードを含むといった行為はユーザーの混乱を招き、購買する意欲をそいでしまう可能性があるので行わないようにしましょう。