企業の活用事例

ビッグデータを実際に活用し、ビジネスや社会に貢献している企業の事例をみてみましょう。

園内での支払いを一括化(ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニー)

フロリダのディズニーワールドには、IoTとビッグデータを活用したMagicBandというウェアラブルリストバンドがあります。センサーを搭載しており、ディズニーワールドへの入場から、アトラクションの予約、ホテルのチェックインまで一括して利用できます。

同時に、ディズニーは着用者の行動をデータとして収集します。アトラクションの混み具合やレストランの滞在時間を調べることで、来場者がスムーズに楽しめるよう、スタッフの配置や在庫補充に役立てています。

参考:
MagicBand|DisneySTORE

自殺の予兆を早期発見(株式会社 LITALICO)

約7,000人の精神障がいのある方の支援に取り組んできた障がい者就労移行支援事業「ウイングル」の支援記録のデータを分析し、自殺の予兆を早期発見する仕組みを構築しました。

2018年度から精神障がい者の雇用義務化が始まり、雇用の増加が見込まれます。一方で職場のストレスにより精神障がいを発症する方も増えてきているようです。自殺者の内訳で多くを占める精神障がいを持った方の支援をすることで、LITALICOのビジョンである「人の幸せ」に貢献しています。

参考:
LITALICOとUBIC、人工知能を活用した協業を開始|株式会社 LITALICO

まとめ

これまでは、決められた項目で整理されたデータの分析による商品開発やビジネス活用がほとんどでした。今後は、多様で膨大なデータを、顧客の変化するニーズと行動履歴に柔軟に対応しながら分析した活用が広がっていくことが予想されます。

ビッグデータの活用には、個人情報保護のリスクや、分析能力向上の必要性など決して低くはないハードルもあります。しかし、顧客のニーズに寄り添ったサービス展開を目指す上では注目すべきものでもあります。