2017年9月29日「金曜ロードショー」にて、アニメ映画『天空の城ラピュタ』が放送されました。Twitter上では映画内のセリフに合わせて「バルス」とツイートするのが恒例になっており、例年Twitterのサーバーをダウンさせてしまうほどの影響力を持っています。

9月29日の放送では一般のユーザーだけでなく、日清カップヌードルやSHARPといった企業のアカウントも便乗してツイートを行い、中には9万リツイートを超える反響を得たツイートもありました。

今回は、『天空の城ラピュタ』に合わせた企業のツイートから、漫画やアニメをネタにしたツイート3つのポイントを紹介します。
各企業のツイートはユニークなだけでなく、企業独自のオリジナリティを出したものとなっています。ぜひ、紹介する事例から「なぜこのツイートがこんなに人気が出たのか」を考えてみましょう。

Twitterユーザーの約5%がツイートしている「バルス」とは

アニメ映画『天空の城ラピュタ』では、物語の後編に天空城ラピュラを崩壊させる滅びの言葉である「バルス」と主人公が唱えるシーンがあります。
映画内で唱えるタイミングに合わせて「バルス」とツイートするのがTwitterユーザーにとっては恒例となっています。TwitterJapanのアカウントでもサーバーへの負荷に言及しており、Twitter上での影響力の高さが伺えるでしょう。

実際に、株式会社NTTデータが行った調査によると『天空の城ラピュタ』放送日にTwitter上で「バルス」とツイートされた数は、2013年の放送時には1日に431万ツイート、2016年でも188万ツイートにのぼります。

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引用:[イマツイが、今年もバルス祭りを生中継。9月29日バルス祭りのツイート量をリアルタイムで計測して発表 | NTTデータ] (http://www.nttdata.com/jp/ja/news/services_info/2017/2017092801.html)

2016年11月時点の日本国内における月間利用ユーザーは4000万人であり、1人1ツイートしていたとしたら約4.7%のユーザーが「バルス」とツイートしている計算となります。

企業も参戦? 9万以上のリツイートを獲得している例も

2017年9月29日の放送では日清カップヌードルやSHARPといった企業アカウントも映画の台詞を元にしたツイートを行ったことで話題となりました。
その一部を紹介しましょう。

1.日清カップヌードル

日清カップヌードルでは、カップヌードルを使って劇中の名シーンを再現した写真を公開しました。8ツイートの合計リツイート数は計29万7千にものぼり、中には9万8千ものリツイートを獲得したツイートもあります。

画像のクオリティが高かったことから、「画像を保存しました」といったリプライもついています。

2.SHARP

電化製品のメーカーであるSHARPでは、劇中で敵役であるムスカ大佐が叫ぶ「目が、目がぁ」という台詞をもじって、自社が過去に用いていたキャッチコピーである「目の付けどころがシャープでしょ」を揶揄しています。

このツイートには90以上ユーザーが「シャープでしょ」とリプライを飛ばしています。

3.株式会社SUBARU‏

自動車メーカーである株式会社SUBARU‏では、自社の社名と「バルス」を混ぜたGIFアニメを投稿しています。自分がどの文字になったかツイートしやすいこともあり、このツイートは6千回以上リツイートされています。

4.タニタ

健康機器メーカーのタニタでは、2016年の放送時同様「バルス」ではなく「タニタ」と呟くよう呼びかけを行いました。その様子にセガやKINGJIM、井村屋といった他の企業も反応し、該当のツイートは1万以上リツイートされています。

なお、この結果「バルス」の方が「タニタ」よりも呟かれたため、2の「シャープさんと二人で今からプリクラとる」を実行に移し、その様子をTwitterに投稿しています。

参考:
ラピュタ放送でタニタに圧が… 他企業続々期待ツイート 昨年「バルス対タニタ」勝負|デイリースポーツ online

5.リカちゃん

子供向け人形シリーズ リカちゃんの公式アカウントでは、キャラクターを模したリカちゃんが「バルス」とツイートしています。
リプライには「可愛い」や「凝ってる」といったコメントが寄せられ、1万1千以上のいいねがつきました。

漫画やアニメをネタにしたツイート3つのポイント

ここまで紹介してきたツイートはユニークなだけでなく、企業が漫画やアニメをネタにしたツイートにおけるポイントが見えてきます。主な3つのポイントを紹介しましょう。

1.画像のクリエイティブにこだわる

日清カップヌードルやリカちゃんでは、商品を用いたオリジナルの画像を用意しています。
画像は劇中の人物を忠実に再現しており、リプライでもクオリティの高さに言及したコメントが目立ちます。
特に自社の商品をもじった画像を作成する場合、高い再現度を実現することでユーザーの興味関心を引くことができるでしょう。

ただし、再現する際に元となった作品の画像を用いてはいけません。
過去には水戸美術館が『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のイラストを使ってツイートしたことで謝罪にまで発展したという事例もあり、画像の無断転載には注意が必要でしょう。

参考:
[「こち亀」を無断改変、ツイッターに投稿 水戸芸術館|朝日新聞デジタル ]
(http://www.asahi.com/articles/ASK9G3RP8K9GUJHB004.html)

1.印象的な台詞をもじる

アニメや漫画に登場する名台詞は、ネタとしても扱いやすい要素です。
実際、SHARPと日清カップヌードルでは、どちらも『天空の城ラピュタ』に登場する「目が、目がぁ」という台詞をもじったツイートをしました。

人気の漫画やアニメが社会で話題になったタイミングでは、自社の商品やサービスと絡めたツイートができないか考えてみるのもいいでしょう。

3.シェアしたいと思わせる工夫をする

多くのシェアを得るためには、ユーザーから見て思わずシェアしたくなるような内容になっているか考えてツイートしましょう。
例えば株式会社SUBARU‏では、GIFアニメーションを用意し、画像をストップさせた位置に表示された単語でつぶやこうと呼びかけています。ユーザーから見れば「自分はこの単語だった」とツイートしやすく、思わずシェアしたくなる内容となっています。

まとめ

『天空の城ラピュタ』に合わせた企業のツイートは自社の社名をもじったものや、商品を使ったものなどオリジナリティに溢れています。日清カップヌードルやリカちゃんのように、自社独自の画像を作成するほどコンテンンツに力をかける企業もいました。

漫画やアニメをネタにツイートする際には、作中の台詞やシーンを意識したツイートが必要となります。ツイートを行う前に元となったコンテンツをチェックするのはもちろん、どのように発信すればユーザーにとって思わずシェアしたくなるツイートになるのか考えてみましょう。