書籍のプロモーションは「著者自身」が発信することで始まる

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写真左:『女の運命は髪で変わる』 写真右:最新著作『道を継ぐ』

飯髙:
いざ、本を出版するとなったとき、どうやって広めていこうと考えていたんですか?7万部突破のベストセラーになりましたが、その時なにをやったか、具体的に教えて欲しいです。

佐藤氏:
このお話をさせていただく前に、前提としてお伝えしておきたいことがあるんです。

私は著者としてプロモーション活動をしたり工夫をしてきたつもりでいるんだけれども、もちろんそれだけで売れているわけでは全然無いんですよね。出版社が広告を出してくださっていることや、営業さんのお力で、多くの人に届いたと思っています。

だから、7万部のどれくらいの割合が自分の力かと言われたら、微々たるものかもしれないです。ただ、最初の波を作るために、少しでも話題にしてもらうために著者としてやったこと、という前提でお話しますね。

編集者の綿谷さんから聞いた話なのですが、*本って発売日から1週間から2週間の売り上げが非常に大切なんだそうです。*1日200冊もの本が出版されている中で、初速がでなければ書店からもすぐに返本されてしまうのだとか。

それほど初速が大事にも関わらず、本の場合はCDのオリコンニュースにあたるような、発売日を一般読者に知らせる媒体がないんですよね。だから、著者が事前に発信していかないと、本が出たことすら、誰にも知られないんです。

なので、作っている段階で美容師さんたちに相談したのもありますし、ゲラが出来上がった時点で、編集さんのご許可を得て、沢山の友人に読んでもらいました。美容師さんから学生時代の女友達、ライターの後輩まで。それをしたことで、発売日前までに感想が沢山集まり、感想が掲載されたチラシを作ることができました。

発売してすぐに、Facebookのメッセンジャーをつかって「本が出ました」というメッセージと、感想付きのチラシのPDFを送りました。Facebookの「友達」は3,000人、フォロワーが8,000人くらいいるんだけれど、ほぼ全員に送りました。

飯髙:
そこは、僕も非常に共感します。Webサービスをリリースする時とか、業界に関わる人に連絡するんです。この日に新しいサービスを出すので、よかったらシェアしてくださいねって。その方々から広まってくれると、本当の顧客に広がってくれると思っていますね。

佐藤氏:
私、人に気を使ってしまって何かを買ってくださいなんてお願いをするのは、本当に苦手だったんですよね。でも、これも著者しかできない役割だからと思ってやってみたら、メッセージを送った人の9割が「おめでとうございます」と返事をくれました。返事をくれた7割くらいの人が本を買ってくれたと思う。その内の7割が感想まで送ってくれたんです。

メッセンジャーで感想を送ってくれた人には、「もしよかったらFacebookに私のことをタグ付けして感想を投稿してくれませんか?」ってお願いし続けました。そうしたら、Facebook上にタグ付けされた感想が並ぶようになったんです。すると、「この本の感想、著者にタグ付けして書いていいんだ」という空気感が生まれるじゃないですか。

すると、全国の私が知らない読者さんからも感想が送られてくるようになったんです。当時は、1日3〜4時間、メッセンジャーのやりとりしていましたね。ひとりひとりの感想に対してお返事をしていました。

飯髙:
美容師さんが読むから、その人のお客さんに紹介したり、媒体に広まっていった可能性もありますよね。

佐藤氏:
そんな気がしています。例えば、この本の取材に来てくれたメディアの方に「どこで知ってくれましたか?」と聞いたら、書店というのはもちろんあるんだけれど、「美容院に置いてあって知った」という方が多かったんです。

あるとき、ファッション誌の企画会議で3人の方が私の本をテーマに企画をだしてくださったことがあったそうで、そのときも、3人とも別々の美容院で私の本の話を聞いたと教えてくれました。

飯髙:
美容業界にいらっしゃる友美さんの影響力という面もありますよね。そういえば、この本を読んだという話を女性から聞くことが多くて、びっくりしました。