今、フェイクニュースが世界規模で問題となっています。
フェイクニュースとは真実とは異なる偽物の情報を報じるコンテンツを指し、アメリカ大統領選の結果にも影響を与えたと言われています。

今回は、なぜフェイクニュースが問題となっているのか、またフェイクニュースの拡散に関わらないためにすべきことを紹介します。

フェイクニュースに対して、単なるデマであり、自分は決して騙されないと思われている方もいるかもしれません。ですが、SNSが普及した今、フェイクニュースは身近なものになりつつあります。オウンドメディアを運営している方をはじめ、情報に接する機会のある方はこの機会に最低限のリテラシーを身につけておきましょう。

世界を変えるかもしれない「フェイクニュース」のインパクト

フェイクニュースが大きく注目されるようになったのは、2016年末に行われたアメリカ大統領選がきっかけです。
*「ローマ法王がトランプ氏の支持を表明した」「クリントン氏は過激派組織ISに武器を売っていた」*といった嘘の内容のニュースが大統領選の結果に影響したと指摘されたためです。
これらのニュースはトランプ氏に対して好意的である一方、対立候補であるクリントン氏を貶める内容となっています。実際、トランプ氏の支持者の中にはこういった偽のニュース(=フェイクニュース)を真実だと思っている人もいると指摘されています。

参考:
[フェイクニュースで"トランプ氏を大統領にした男"への、最後のファクトチェック |Huffington Post] (http://www.huffingtonpost.jp/kazuhiro-taira/fakenews-maker-was-dead_a_23229251/)

FacebookやGoogleも重視する「フェイクニュース」対策

たとえ誤った情報であっても特定の人物を傷つけたり、特定の思想を助長するものになるかもしれません。特に世界規模でSNSの利用が進んだ現代では、ネット上に公開された情報はシェアやリツイートといった機能を使って素早く拡散していきます。

そのため、FacebookやTwitterのようなSNSや検索エンジンGoogleでも、フェイクニュースへの対策は大きな課題となっています。
実際、2017年2月に行われたフランス大統領選におけるフェイクニュース対策として、FacebookとGoogleはAgence France-Presse(AFP)やBuzzFeed Franceといった現地メディアと共同のプロジェクトを打ち立てました。

それだけでなくFacebookとGoogleでは、自社内でもフェイクニュースへの取り組みを強化しています。

参考:
[グーグルとFacebookが偽ニュース対策で協力、検証プロジェクトを発表|CNET Japan] (https://japan.cnet.com/article/35096169/)
[フェイスブックとグーグル、「偽ニュース」対策で仏メディアと提携] (http://jp.reuters.com/article/france-election-facebook-idJPKBN15L2NZ)

Facebookでのフェイクニュース対策

Facebookではフェイクニュース対策として以下の取り組みを行っています。

【取り組み】
・フェイクニュースと思われる投稿に対するユーザー通報機能の実装
・ 情報の書き換えを可能とするAPIまたはページ作成者の情報修正機能の削除

2017年2月14日(米国時間)に行われたCODE Media 2017カンファレンスで、パートナーシップ担当VP Dan Roseはフェイクニュースが自社にとって大きな課題であり、「すべきことは山ほどある」と述べています。
また、2017年6月15日(米国時間)にはFacebookの抱える「困難な問題(Hard Questions)」な問題として以下のようにフェイクニュースに言及しています。

誰がフェイクニュースを定義し、論争を引き起こす政治的発言との境界を判断するか。
引用元:Facebookのテロ対策について | Facebookニュースルーム

このように、2017年10月現在Facebookでもフェイクニュースへの対策は模索している最中です。

参考:
[Facebook、フェイクニュース対策の方法を今も模索中 | TechCrunch Japan] (http://jp.techcrunch.com/2017/02/15/20170214facebook-fake-news-code-media/)
[リンク先プレビューの変更に関する取り組みについて | Facebookニュースルーム] (https://ja.newsroom.fb.com/news/2017/07/next-steps-to-addressing-link-preview-modification/)
[偽のニュース記事を報告するにはどうすればよいですか。|Facebookヘルプセンター] (https://www.facebook.com/help/572838089565953?helpref=search&sr=1&query=%E5%81%BD)

Googleでのフェイクニュース対策

検索エンジン大手のGoogleでも検索結果にフェイクニュースが表示されてしまうことを重要な課題と捉え、以下のような取り組みを行っています。

 【取り組み】
 ・検索アルゴリスムの変更
 ・オートコンプリートへのフィードバック機能
・提携する第三者サイトによる事実検証結果を検索結果に表示する機能の実装

中でも、大きな対策として検索アルゴリズムの変更が挙げられるでしょう。
アルゴリズムとは検索結果の順位を決めるためのルールであり、フェイクニュースへの対策として信頼性の高いページを上位表示し、低品質のコンテンツの順位を下げるように調整を行いました。

参考:
[グーグル、偽ニュース対策強化 事実検証結果を表示|日本経済新聞] (https://www.nikkei.com/article/DGXLASGN08H2I_Y7A400C1000000/)
[検索結果でファクト チェックを確認する|Google 検索 ヘルプ] (https://support.google.com/websearch/answer/7315336?hl=ja)
Google ウェブマスター向け公式ブログ|Google 検索における最新の品質向上について