自社の事業の成長を把握できている?今後の方針を事業別に判断するためのPPM分析とは
展開している事業の数の大小に関わらず、自社の事業の成長については経営者であれば誰もが把握しておかなければならないことのひとつです。
自社を成長させ従業員と事業、顧客などを守るために経営者の方が学ぶべき経営学は多々ありますが、その中でも作成が比較的簡単で分析を行いやすい「PPM分析」はご存知でしょうか。
自社全体を見たときには成長しているように見える企業でも、視点を事業別に移してみると実は成長していない上に今後の成長も期待できない、という事業があるケースもあります。
今回は「気がついた頃には企業全体の成長が停滞してしまった」ということが起きないためにも定期的に行いたい「PPM分析」について解説します。
経営管理のためにはさまざまなフレームワークが使用されますが、まずは比較的手軽にできるPPM分析をマスターしてみてはいかがでしょうか。
PPM分析とは
PPM(Product Portfolio Management)分析とは、ボストンコンサルティンググループが提唱した、事業管理のフレームワークです。
複数の事業を持つ企業が、どの事業にどれだけ投資をするのかを判断するために用いられます。
企業全体でみると成長しているようでも、事業別で見てみるとすべての事業が成長しているとは限りません。
そこでPPM分析を行うことで事業全体を見渡せるようになり、どの事業に資金を注ぐべきか、撤退を行うべきなのかなどの**「選択と集中」と「事業拡大/縮小」を判断する指標とすることができる**というメリットがあります。
ただしPPM分析を行う際に注意すべき点もあります。
まず、これまで市場において自社の経験の効率化(経験効果)が期待できない場合です(経験の効率化については以下の「事業の発展具合を分類するための2つの軸」の「市場におけるシェア」にて解説しています)。
PPM分析は経験による効率化を前提としているため、この点が期待できない場合は必ずしも今後の利益や成長を期待できるとは限りません。
次に、市場成長率を測る際はPPM分析を行う経営者の主観が入りやすくなってしまう点です。
市場成長率を測る期間に明確な基準がないことに加えて、顧客の消費行動や市場の状況などは刻一刻と変化するため、例えば一時的に市場成長率が伸び悩んだとしてもその後一気に成長するというケースも考えられるからです。
もう一点、PPM分析では基本的に事業間の相乗効果を考慮しない点です。
事業単体で見ると負債となっている(以下解説において負け犬に分類される)事業であっても、ほかの事業との相乗効果が期待できる場合には即座に撤退を決定するのではなくむしろ残しておく方が賢明である場合もあります。
PPM分析は、これらの注意点を理解しておくことでより効果的な分析を行うことができます。
事業の発展具合を分類するための2つの軸
PPM分析を開始する前に、まず事業の発展具合を分類するために2つの軸について理解しておく必要があります。
1.市場成長率
市場成長率とは、その市場がどれだけ成長しているかを示す指標です。
成長している市場は新規参入しやすく売上も向上しがちなため魅力的ですが、必然的に競合が多くなってしまいがちです。
そのため、その市場をターゲットとする場合は利益の拡大も見込めること積極的な投資が必要になります。
逆に、成長率が低い市場は一般的には成熟した市場を意味します。
新規参入する企業などもそれほど多くない、市場変動があまりおこらない、競争の激化が起こりにくいなどの理由から積極的に投資する必要はありません。
市場成長率の算出は、以下の計算式で行います。
市場成長率の算出方法=(その市場の今年度の総売上)÷(その市場の前年度の総売上)
計算の答えが1(100%)以上であればその市場は成長している、逆に1未満であれば市場が停滞している、または成長率が低いと判断できます。
2.市場におけるシェア
市場におけるシェアとは、その事業が市場においてどれくらいの影響力を持っているのか、その分野でどれくらいの人に利用されているかを示す指標です。
市場におけるシェアを高めれば高めるほど経験による効率化やスケールメリットを得ることができるため、シェアを拡大することが重要なポイントとなります。
例えば、展開している(または展開予定)の自社商品や自社サービスなどがすでに市場にて大きなシェアを獲得している場合、同等の商品やサービスがすでに多く展開されているため、作業効率はアップしエラーが起こる割合は低下します。
これは経験による効率化から、他社より生産効率をあげられることにつながっていると言えます。
市場におけるシェアの求め方は売上高や販売数などに応じて使う数字が変わりますが、基本的には使用する指標が変わっても同じ計算式を使用します。
例えば、売上高を例にすると以下の計算式となります。
(自社の市場での売上高)÷(市場の総売上高)
これで自社商品や自社サービスが、市場においてどれくらいシェアがあるのかを把握することことができます。
ここであわせて覚えておきたいのが、競合と自社のシェアの割合を調べるための計算式です。
(自社の市場でのシェア)÷(競合最大手の市場でのシェア)
これで自社商品や自社サービスの相対的な市場でのシェア率を知ることができます。
例えば、自社の市場でのシェアが20%、競合最大手のシェアが60%だった場合、自社は競合の33%のシェアしか持っていないということになります。
- フレームワーク
- フレームワークとは、アプリケーションソフトを開発する際によく必要をされる汎用的な機能をまとめて提供し、アプリケーションの土台として機能するソフトウェアのことです。 元々は枠組み、下部構想、構造、組織という意味の英単語です。アプリケーションのひな形であり、これを開発に利用することで、大幅な効率の向上が見込めます。
- コンサルティング
- ビジネスはより高度化し専門的になっています。そこで、事業者のみならず専門家を呼び、彼らからアドバイスを受けながら、日々の活動を確認したり、長期の戦略を考えたりします。その諸々のアドバイスをする行為自体をコンサルティングといい、それを行う人をコンサルタントと言います。特別な資格は必要ありませんが、実績が問われる業種です。
- フレームワーク
- フレームワークとは、アプリケーションソフトを開発する際によく必要をされる汎用的な機能をまとめて提供し、アプリケーションの土台として機能するソフトウェアのことです。 元々は枠組み、下部構想、構造、組織という意味の英単語です。アプリケーションのひな形であり、これを開発に利用することで、大幅な効率の向上が見込めます。
- シェア
- シェアとは、インターネット上で自分が見つけて気に入ったホームページやブログ、あるいは、Facebookなど自分自身が会員登録しているSNSで自分以外の友達が投稿した写真、動画、リンクなどのコンテンツを自分の友達にも共有して広めたいという目的をもって、SNSで自分自身の投稿としてコンテンツを引用し、拡散していくことをいいます。
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