近年、テクノロジーの急速な発達により、膨大なユーザーに対して効率的にリーチできるマーケティングソリューションが一般的になりました。顧客との関係を構築するために、自社で運用しているWeb担当者もいるはずです。

しかし、アプローチできるユーザー数は増えたにも関わらず、想定していたほど成果が得られないと感じることもあるのではないでしょうか。

テクノロジーの発展は、マーケティングソリューションだけではなく、ユーザーが利用するデバイスや接触するコンテンツの多様化をもたらしました。マス広告だけで十分な反応を得られていた時代から、多様化したユーザーの興味関心に寄り添わなければいけない時代になりつつあります。

マーケティングソリューションを提供する米・マルケトのCEO、スティーブ・ルーカス氏は、「エンゲージメントこそが興味関心が多様化したユーザーへ効果的にアプローチするためのカギだ」と述べています。

今回は、マルケト主催のイベント「THE MARKETING NATION SUMMIT 2017」内で行われた、スティーブ・ルーカス氏の「エンゲージメントエコノミー」をテーマにしたセッションの内容をお届けします。

登壇者プロフィール

Marketo, Inc. Chief Executive Officer
スティーブ・ルーカス

マルケト入社前はSAPに在籍。直近ではプラットフォームソリューション部門担当プレジデントとして、部門を数十億ドル規模で成長させ、様々な技術市場への展開を主導。7年のSAP在籍期間中、データベース&ミドルウェア事業部門担当グローバルエグゼクティブバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー、ビジネスアナリティクス部門担当グローバルジェネラルマネージャーを歴任。それ以前はSalesforce\.comでプラットフォームマーケティング担当シニアバイスプレジデントを務め、同社のクラウドベースのエンタープライズアプリケーション開発の展開を統括。さらに、BusinessObjectsでの上級幹部職や、TechAmericaのBig Data Committeeを含む様々な政府機関による技術リーダーシップイニシアティブの共同議長を務めた経験も有する。現在、TiVoおよびSendGridの取締役。コロラド大学で経営学士号を取得し、ビジネスインテリジェンスソフトウェアに関する書籍を数冊、共同執筆で出版。

SPEAKERS | THE MARKETING NATION SUMMIT 2017より参照

テクノロジーの多様化が進んでも、マーケターが重視しつづけるべきこと

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10年前、Facebookが20億人のアクティブユーザーを抱えていることを誰が想像できたでしょうか。

現代は、平均1人あたり3台のデバイスを持ち、様々なWebサービスやSNS、アプリケーションを利用する時代と言われています。連絡を取る手段も電話やメールだけではなく、様々なチャットアプリが登場しました。

ある日のことです。息子にメールで連絡を取りたいと言ったところ、「メールよりもスナップチャットのほうが良い」と言うのです。このように、コミュニケーションの取り方が多様化しているのです。

デバイスやサービスの多様化に伴い、大量に情報が溢れる時代になりました。そして、マーケティングツールや手法も加速度的に変化しています。

AIやテクノロジーの進化に伴い、「マーケターは不要だ」といった論調も一部にはありますが、どんなに世界が移り変わろうとも、マーケターとして変わらずに重視すべきことがあります。それが、「ストーリーを伝え、人を動かすこと」です。