年末が近づく中で、確定申告の準備を始めている個人事業主やフリーランスの方は多いでしょう。

確定申告における納税額や還付金の算出は計算式は複雑なため、自分で一から計算を行うには手間がかかります。

そんな時は自動の計算ツールを用いてみてはいかがでしょうか。
今回は確定申告の基本知識と計算に役立つツールを紹介します。

確定申告とは

確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの所得額と、それに対する所得税・復興特別税の金額を計算し、確定申告書を提出する手続きを指します。

この手続きを行うことにより、事業所が個人の代わりに支払っている税金(源泉徴収された税金)など、すでに収めた税金を加味した納税の過不足を精算できます。

「確定申告すると、お金が戻ってくる」と言われるのは、こういった払いすぎた税金が返ってくるためです。

参考:
[初めて確定申告される方:平成28年分 確定申告特集|国税庁] (https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tokushu/hajimete.htm)
[【完全版】5分で理解できる源泉徴収の仕組みと業務|経理・税務の基本知識] (https://keiei.freee.co.jp/2015/05/21/gensen_tyousyu/)

確定申告の種類

確定申告を行う際には確定申告書が必要となります。
申告内容によって、源泉徴収票などの各種書類が必要になるので、事前に用意した上で確定申告書を作成するようにしましょう。

  • 申告書A:所得が給与所得や公的年金等・その他の雑所得、配当所得、一時所得のみで、予定納税額のない人が利用できる。
  • 申告書B:所得の種類にかかわらず、誰でも利用できる。

申告書は上記の2種類あり、フリーランスや個人事業主など給与所得以外の所得がある方は申告書Bを使う必要があります。
さらにBの場合、*「青色申告」「白色申告」*と呼ばれる、事業や業務に関わる費用を課税対象から控除する申告を行うことができます。

  • 青色申告:取引を細かく記載する必要がある分、10万〜65万円までの特別控除を受けられる手続き方法。
  • 白色申告:経費をおおまかに計算するだけで、申告ができる手続き方法。

青色申告や白色申告まで行う必要があるフリーランスや個人事業主は、一般の会社員よりも煩雑な手続きが必要となります。そのため、計算ツールを使って事前にどの程度の税金が返ってくるのか、また青色申告と白色申告のどちらを選ぶべきかなどの参考にしましょう。

参考:
[白色申告と青色申告の違いとは? | THE LANCER(ザ・ランサー)] (http://www.lancers.jp/magazine/4402)
[No.2070 青色申告制度|所得税|国税庁] (https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2070.htm)
[【申告書用紙】|確定申告期に多いお問合せ事項Q&A|国税庁] (https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/qa/03.htm)
[平成28年分 申告書Bの書き方と源泉徴収票の確認方法] (https://www.freee.co.jp/kb/kb-kakuteishinkoku/tax-return-b)
[申告手続の流れ|確定申告に関する手引き等|国税庁] (https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2010/a/02/2_01.htm)

確定申告に役立つ計算ツール4選

確定申告を行う前に、計算ツールを使って確定申告として提出する金額を算出しておけば、事前にいくらお金が返ってくるのか把握できます。
ぜひこれから確定申告を行おうという方は参考にしてみてください。

1.国税庁確定申告書等作成コーナー

【確定申告書等作成コーナー】_TOP_画面.png
https://www.keisan.nta.go.jp/h28/ta_top.htm

国税庁が公開している「確定申告書等作成コーナー」では、パソコン上で確定申告書を作成することができます。

作成を始める際は画面中央の「申告書・決算書・収支内訳書等作成開始」をクリックしてください。ブラウザ上で作成画面が立ち上がります。
自分の所得の状況に合わせて質問に答えていき、所得金額を入力することで自動で金額が算出されます。

作成した申告書は印刷して書面で提出できるだけでなく、e-Taxを使えばネット上で申告を行うことも可能です。また、作成した申告書を保存しておき、あとで再編集することもできるのもメリットでしょう。

2.個人事業主のかんたん税金計算シミュレーション

個人事業主のかんたん税金計算シミュレーション|スモビバ!.png
https://www.sumoviva.jp/knowledge/tax-calc/

「弥生会計」で知られる弥生株式会社が公開している個人事業主向けの税金シミュレーションツールです。

自身の事業にかかる必要や収益を元にして、青色申告と白色申告のどちらを行った方がより節税になるかを比較検討することができます。

確定申告を行う前に、青色申告と白色申告のどちらを選ぶか迷っている方は金額の参考にしてみましょう。

3.税金計算機 所得税・住民税簡易計算機

税金計算機___所得税・住民税簡易計算機.png
http://www.zeikin5.com/calc/

給与や企業による社会保険料控除、保険料といった基本的な情報を入力するだけで、確定申告によって返ってくる金額を算出できるツールです。

ブラウザ上で操作でき、会員登録などは不要なので手軽に計算してみたい方は参考にしてみてください。

4.かいけいセブンの計算ツール

各書式で簡単計算_ふるさと納税限度額対応___所得税住民税_手取り_住宅ローン医療費iDeCo等の控除減税効果_社会保険料概算_児童手当等の判定所得___税理士試験と税務のメモ_@か.png
http://kaikei7.com/blog-entry-2.html

ふるさと納税や児童手当など、控除の対象となる給付金にも対応した計算ツールです。
ブラウザ上で操作することができ、インストールは不要です。

同サイトでは、操作方法について詳細な説明ページが用意されているので、そちらも合わせて参考にしてみてください。

まとめ

確定申告は自身が年間で得た収入を明らかにし、正しい金額の税を収めるために必要な手続きです。所得の種類によって申告書用紙は2種類あるので注意してください。

まずは自分がどの申告書で申告する必要があるのか把握した上で、今回紹介したツールを使って計算するようにしましょう。

申告書を提出したら、口座振替や現金で確定した税金を振り込みます。手続きに抜けがないように気をつけてスムーズな納税を行いましょう。