5つの重点取組分野

2017年10月の「Connected Industries」カンファレンスで、経済産業省はコネクテッド・インダストリーズにおける5つの重点取組分野を発表しました。

【1】自動走行・モビリティサービス
【2】ものづくり・ロボティクス
【3】プラント・インフラ保安
【4】スマートライフ
【5】バイオ・素材

【1】自動走行・モビリティサービス

この分野では、企業間のデータ利活用に向けた方針やあり方を整理し、AI開発や人材育成の強化を図ります。
モビリティサービスや*EV(電気自動車)*のエネルギーマネジメントに向けた取り組みも行います。

【2】ものづくり・ロボティクス

この分野では、生産工程の全体最適化や、データ形式などの国際標準化を図ります。近年強化が進むサイバーセキュリティの技術や人材育成に関しても、企業間で連携します。

中小企業向けのIoTツールなど、産業界全体で効率化が進むような基盤強化も行います。

【3】プラント・インフラ保安

この分野では、IoT・ドローンの活用により、生産性・安全性・自主保安技術の向上を図ります。技術革新を後押しするため、企業間のデータ共有に向けたガイドラインなどの整備規制制度改革を推進します。

【4】スマートライフ

この分野では、家事負担の軽減と働き手の創出のため、ライフデータ活用サービスの拡大を進めます。そのために、顧客ニーズの掘り起こしによるサービスの具体化顧客データの利活用に関するルール整備企業間の連携を進めていきます。

【5】バイオ・素材

この分野では、素材・創薬の革新を目指し、バイオエコノミーの拡大を図ります。そのために、技術の実用化に向けたプラットフォームやデータ活用の基盤を構築します。また、社会的受容に向けた取り組みも行っていきます。

3つの横断的政策

前述した5つの重点分野での取り組みを進めるため、横断的な政策も掲げています。

【1】リアルデータの共有・利活用
【2】データ活用に向けた基盤整備
【3】海外・国内企業や地域との連携

【1】リアルデータの共有・利活用

データを共有する事業者の認定制度をつくり、税制による支援を行います。それにより、リアルなデータをもつ大手・中堅企業と、AIベンチャー企業によるAIシステムの開発を支援します。

実証事業を通じたモデル創出・ルール整備も進めていきます。

【2】データ活用に向けた基盤整備

インターネットと現実世界をかけ合わせた知見をもつ人材、AI人材の育成を強化します。同時に、世界中から優秀な人材を集めるための枠組みも整えます。

今後の活用に向け、サイバーセキュリティ対策の強化も必要です。

【3】海外・国内の企業や地域との連携

欧州・アジアなどの海外企業や国内の中小企業、地域との連携を強化します。国際標準化を目指し、専門人材を積極的に確保します。

中小企業や地域には専門家を育成・派遣し、支援を強化します。

まとめ

コネクテッド・インダストリーズは、企業や人と機械がデータを介して繋がり、協調できる日本を目指しています。機械やシステムの力を優先するだけでなく、人が利活用できるような繋がりを協調していることが特徴です。

デジタル技術は業界を超えて、今後も普及・成長していくことが見込まれています。自社のサービスがどのように日本の将来に活かされるのか、いつもより視点を遠くに据えて考えてみてはいかがでしょうか。